東海大学出身の企業経営者が集う「第45回欅の会 東海大学経営者クラブ」の例会が9月1日に、品川キャンパスで開かれました。同会では、会員相互の親睦を深めるとともに、母校との連携強化を図る機会として例会を開催しており、本学キャンパスライフセンター(CLC)キャリア担当が運営をサポートしています。今回は、株式会社浜野製作所代表取締役CEOの浜野慶一氏(政治経済学部経営学科1984年度卒業)が、「東京・下町・町工場の挑戦!」をテーマに講演しました。
当日は、はじめに欅の会の髙見澤和夫会長があいさつ。7月に発生した令和8年熊本地震をはじめ各地で相次ぐ災害に触れて被災者にお見舞いの言葉を述べるとともに、「この会は経営者同士のつながりを深め、ビジネスの発展につなげていく場でもあります。さらに東海大学と企業側がお互いに力を生かせるような取り組みも生み出していきたい」と呼びかけました。続いて、新規入会を希望する4名が紹介され、それぞれあいさつした後、出席者の拍手で入会が承認されました。
浜野氏の講演では、父親が1978年に東京都墨田区で創業した浜野製作所について紹介。父親の急逝を受けて30歳で会社を継いだ後、母親の死去や従業員の退職などが重なり、一人で営業から製造、配達までを担った時期を振り返りました。さらに1998年には隣家の解体工事を原因とする火災で自宅兼工場を全焼。機械を失い、補償を予定していた企業も倒産するなど経営の危機に直面する中、ただ一人残った従業員が夜中まで金型のさびを落とす姿と「浜野製作所はまだ潰れていない」という言葉に励まされ、「従業員が夢や希望、誇りを持って働ける会社をつくろうと覚悟を決めました」と語りました。また、事故で歩けなくなった娘ともう一度一緒に散歩したいという父親から依頼を受け、短期間でリハビリ機器を製作した経験も披露。納品後に娘から父親へ「ありがとう」と伝えられたという報告を受けたことが、「ありがとうと言われるものづくり」を目指す大きな転機になったと説明しました。さらに、大学との産学連携の実績や、大手企業の技術者の出向受け入れ、最先端の技術開発などについて説明し、「人と人とのつながりの中から新しい価値を生み出すという考えを大切にしながら、新たなものづくりに挑戦し続けています」と語りました。
続いて開かれた懇親会では学校法人東海大学の松前義昭総長・理事長があいさつ。浜野氏の講演を受け、「正直に生きる」という姿勢や、理念、会社の目指す方向を一貫して発信し続けてきた点に共感を示すとともに、自身が企業で半導体開発に携わった経験を紹介。設計から試作、営業、量産まで一連のものづくりを経験することの重要性に触れ、「学生にも一から十まで経験し、日本人が得意としてきた『匠』を身につけてほしいと伝えてきました」と語りました。会の最後には、CLCキャリア担当の成川忠之部長(経営学部教授)があいさつし、参加者への謝辞を述べるとともに、欅の会のさらなる発展に期待を寄せました。




