キャンパスライフセンターのインクルージョン推進室では10月10日に湘南キャンパスで、ディスレクシア月間2026公開講演会「当事者の視点から考えるディスレクシアの理解と支援」を開催しました。「発達性ディスレクシア」は、知的発達や視覚・聴覚に大きな問題がないにもかかわらず、文字の読み書きに著しい困難が生じる学習障がい(限局性学習症)の一つです。10月は啓発月間として世界各地で関連イベントなどが開かれ、日本でも正しい理解やサポート体制が社会に根付くよう、6つの支援団体が中心となってキャンペーンやイベントが開催されています。本学でも受験生や在学生からの相談が増えてきていることから、教職員や学生、一般の方にも障がいの概要や支援策について広く周知することを目的に企画。当日は学外からも来場者が訪れました。

第1部では、自身も発達性ディスレクシアでありながら、言語聴覚士として言葉の発達や読み書きの支援に携わる関口裕昭氏の講演会を行いました。関口氏は初めに発達性ディスレクシアの概要を説明し、「視力が悪い人が眼鏡をかけているのは、周囲の人から合理的配慮であると認識されているからであり、読み書きが苦手な人にとっての眼鏡は漢字の振り仮名や音声読み上げアプリにあたります。発達性ディスレクシアは見た目では分かりづらく一般的な認知度も低いため、支援につながるにはまず周囲の理解が必要となります」と呼びかけました。また、自身の障がいに気付かなかった小学校から高校までの時期を振り返り、高校生のときに発達性ディスレクシアの診断を受けるまでの困りごとや、診断を受けてからの進路選択や現在の仕事における配慮について紹介しました。
第2部では、読み書きの困難さにより修学支援を受けている本学の学生と対談。授業の音読で苦労した思い出や、大学入試で受けた合理的配慮の内容など、当事者ならではの具体的なエピソードを交えて語り合いました。登壇した学生は、「約40人の子どもが一緒に学ぶ小学校では、自分が人と違うことに気づくことが難しい。周りの大人が必要な知識を持ち、導いてあげる環境があるとありがたい」とコメント。関口氏は、「読み書きが苦手でも、皆さんと同じように思考しているし口頭で伝えることは可能です。当事者自身が発信して具体的な困りごとを周りの人間が認識し、知識のある大人が増えていくことが重要になるので、皆さんのご協力が必要になります」と語りました。
