課程資格教育センターが公開シンポジウム「ユニバーサル・ミュージアムの未来を語る」を実施しました

課程資格教育センターが公開シンポジウム「ユニバーサル・ミュージアムの未来を語る」を実施しました

課程資格教育センターでは6月28日に湘南キャンパスで、「ユニバーサル・ミュージアムの未来を語る~だれもが楽しめる博物館をめざして~」と題した公開 シンポジウムを実施しました。この催しは、本センターが彫刻の森美術館(神奈川県箱根町)と連携して行っているインターンシッププログラム「キュレーター の”たまご”プロジェクト」の一環として開いているものです。今回は、昨年度に実施したユニバーサル・ミュージアム関連の連続公開講座の続編として、昨年 登場した講師を一堂に招いて開催。当日は一般来場者のほか、学部生や大学院生、教職員など約250名が参加しました。

基調講演では国立民族学博物館の広瀬浩二郎准教授が、視覚障害者の立場から「さわって楽しむ博物館」の取り組みを説明し、自身のアメリカ・シカゴでの在外 研究のエピソードや琵琶法師や瞽女(ごぜ)の歴史などを紹介。「触覚や聴覚など、情報の伝え方や受け取り方にはいろいろなスタイルがあります。その多様性 を受け入れることが”ユニバーサル”ということだと思います」と語りました。続いて、デザイナーで建築家の斉藤名穂氏、アート・エデュケーターの大高幸 氏、大日本印刷の田井慎太郎氏が、ユニバーサル・ミュージアムに関する実践や最新の研究成果について講演。最後に本センターの篠原聰准教授と彫刻の森美術 館の小林俊樹学芸員の司会で、「ミュージアムの<アカルイミライ>」と題したディスカッションを行いました。討議では、「特別に”ユニバーサル”を強調し なくても、誰もが楽しめる博物館であることが理想だが、それを実現するためには、地道にその理念を広めていく努力が必要」など、活発な意見交換や質疑応答 が行われました。

参加した学生は、「『視覚から得る情報に頼りすぎている』、という広瀬先生の言葉が印象に残りました。障害のある人もない人も、誰もが全身を使って楽しめ る博物館のあり方を考えていこうと思います」「ユニバーサル・ミュージアムに関するさまざまな取り組みを知ることができました。障害の有無だけでなく言語 や文化の違いをこえて、博物館を訪れた人々に興味を持ってもらえるような仕掛けや手法を構築していく必要があると感じました」などと感想を話していまし た。

なお、各講演のテーマは下記のとおりです。

◆基調講演
 講師 広瀬浩二郎 氏(国立民族学博物館准教授)
 テーマ 「”知”のバリアフリー シカゴの風に吹かれて」
◆講演1
 講師 斉藤名穂 氏(デザイナー・建築家)
 テーマ 「さわることからはじめるデザイン:その取り組みと可能性」
◆講演2
 講師 大高 幸 氏(アート・エデュケーター・放送大学客員准教授)
 テーマ 「ミュージアム・エデュケーター教育の取り組みと可能性」
◆講演3
 講師 田井慎太郎 氏(大日本印刷インタラクティブメディア企画)
 テーマ 「ルーブルDNPミュージアムラボの取り組みと可能性」
◆ディスカッション・質疑応答
 司会
 篠原 聰(東海大学課程資格教育センター准教授)
 小林俊樹 氏(彫刻の森美術館学芸員)
 パネリスト 上記講師4名
 テーマ 「ミュージアムの<アカルイミライ>」 

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