大学院生の打越さんと吉川さんが2020年日本建築学会優秀卒業論文賞を受賞しました

2020年09月24日


大学院工学研究科建築土木専攻1年の打越凛太朗さんと吉川春奈さん(指導教員=工学部建築学科・小沢朝江教授)が9月8日に、「2020年日本建築学会優秀卒業論文賞」を受賞しました。同賞は、全国の大学から応募のあった卒業論文から15作品が選ばれるもので、建築分野の学生賞としては最難関のものになります。工学部建築学科からは、過去6年間で5度受賞者を輩出しており、2名同時の受賞は2年連続となります。

打越さんは、「『あばら家』の美学-絵画史料の荒廃表現にみる建築観の変容」のテーマで受賞しました。この研究では、日本画に描かれている「あばら家」の表現に着目。13世紀から16世紀までの作品では、家屋を描く際に壁などの一部を壊れた状態で描く手法が広く用いられていることを明らかにするとともに、こうした表現の背景には人々の美意識があったと考察。16世紀に成立した数寄屋造で土壁の下地材を露出させる「下地窓」として具現化されると同時に、絵画表現として姿を消したことを明らかにしました。

一方、吉川さんは「東京国立博物館表慶館の設計・建設過程と細部意匠の意味」で受賞。明治時代創建の表慶館について、建設当時の図面約400枚を丹念に分析。同時期に同じ設計者が手掛けた迎賓館赤坂離宮とも比較しながら、計画段階から完成までに行われた設計変更の経過とその理由を明らかにし、用いられている装飾の意味について考察しました。

受賞の理由について打越さんと吉川さんは、「小沢教授が的確でかつ親身に指導してくれたおかげ。月1回の成果発表を通して、適切な発表資料の作り方を学び、論文作成段階では文章の書き方も身についた」と口をそろえます。そのうえで打越さんは、「絵画を丹念に見ていくなかで、意匠の背景にある人々の考え方や美意識が明らかになり、さらに奥深さを実感していった。将来は茶室にかかわる仕事につきたいと思っているので、研究をさらに深めたい」と語りました。吉川さんは、「図面を通して、設計者の考えや変更の理由が読み解けた時の快感が研究の原動力になりました。将来は古民家の再生に携わりたいと思っており、その夢を実現するためにもしっかり勉強を続けます」と話しています。

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