札幌市南区で市民参加型ワークショップ「防災・減災の視点から考える真駒内駅前のまちづくり」を開催しました

2018年10月15日

東海大学連合後援会の研究助成金・地域連携部門の採択を受けた研究課題「防災・減災・まち歩きアプリの利活用による地域連携と防災教育への展開」(研究代表者=宇津圭祐准教授・情報通信学部通信ネットワーク工学科)の取り組みとして、10月6日に札幌市南区の真駒内総合福祉センターで市民参加型ワークショップ「防災・減災の視点から考える真駒内駅前のまちづくり」を開催しました。本研究課題には、代表の宇津准教授をはじめ分担者として情報理工学部情報科学科の内田理教授、基盤工学部電気電子情報工学科の村上祐治教授、工学部土木工学科の梶田佳孝教授、現代教養センターの田島祥准教授、国際文化学部地域創造学科の植田俊講師が参画。SNS(Twitterなど)を活用した防災・減災・安否確認・まち歩きアプリケーションの研究・開発に取り組んできたほか、その実証実験を本学湘南キャンパス周辺の自治体や学校と連携して行ってきました。

今回のワークショップは、これまでの研究・開発で蓄積してきた成果を全国に展開するもので、各地で行われてきた「まちづくり」活動に防災・減災の視点を組み込み、よりよい暮らしの構築に寄与することを大きな目的としています。また、9月6日に発生した「北海道胆振東部地震」では、本学札幌キャンパスが所在する札幌市南区の区民の暮らしにも、停電や断水、食品不足といった形で大きな影響を及ぼしたことも受け、その経験も踏まえて真駒内駅周辺を実際に散策しながら、内田教授を中心に開発し、昨年度まで本学の地域連携活動であるTo-Collaboプログラムの活動として展開を進めてきたてきた、Twitter災害情報共有アプリ「DITS・DIMS」を活用して有事の際に利活用できそうな施設や設備、あるいは危険になりそうな場所などを参加者と共に確認することを目指しました。

当日は、日ごろから札幌キャンパスを中心に南区内で地域連携活動に取り組む植田講師の呼びかけで約30名の地域住民が参加。まず内田教授が短文投稿サイト「Twitter」に災害情報を書き込むDITSと、その書き込みの内容を地図上に表示するDIMSの使い方を指導。「DITSは本来、災害が起きた時に被害の状況などを投稿するツールですが、今日のまち歩きでは防災・減災の視点で気になる場所やもの、例えば災害時に危険と思われるがけや狭い路地、古い塀など、または災害時に役立ちそうなものを撮影し、投稿してください。その後、DIMSで投稿内容を確認しながら、振り返りを行います」と説明しました。

続いて同キャンパスで活動する東海大学チャレンジセンター・札幌ボランティアプロジェクトの学生5名も加わり、宇津准教授と内田教授、梶田教授、植田講師とともにグループに分かれて真駒内総合福祉センター周辺の散策を開始。参加者は真駒内地区の住宅地や公園、路地などを巡りながら、「この公園は避難場所に指定されているが、標識が樹木の枝に隠れて見えにくくなっている。注意喚起したほうがよいのでは」「ここの消火栓があることは知らなかった」「狭い路地に違法駐車されると避難の際の障害になる」などと語り合いながら、タブレット端末を使って写真に収め、次々と情報をDITSに投稿していきました。

約1時間のまち歩きを終えて会場に戻った参加者たちは、田島准教授のファシリテーションの下でワークシートと付箋を使って振り返りとディスカッションを実施。「少子高齢化の影響で、街にSNSを使える若者が少ない一方で、高齢者はSNSやスマートフォンなどの端末に慣れていない。まずはSNS訓練が必要では」といった意見や「先日の地震でも停電でスマートフォンの充電ができなくなった。システムを活用するためには電気が供給される場所を事前に確認しておかなければならない」といった意見を取りまとめ、各班の代表者が発表しました。

「その街に暮らしていても、普段は自動車で通り過ぎてしまうだけになりがちですが、歩いてみると気づかないポイントが多数ありました。今後も真駒内をはじめ南区各地でこのような活動を続け、地域住民の皆さんとともに街の未来を考えていきたい」と植田講師。宇津准教授は、「地域の皆さんに防災・減災について考えていただくいい機会になったと思います。先日の地震と今回のワークショップの成果を合わせて活用してもらえれば。また、DITSとDIMSを使ったワークショップはこれまで、SNSに慣れている中高生を対象としてきましたが、初めて大人に使ってもらったことで新たな課題も発見できました。今後も各地でこのような催しを開くとともにシステムの改良も進めていきたい」と話しています。

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