辻原登教授が恩賜賞と日本芸術院賞を受賞しました

卓越した芸術作品と認められるものを制作した者及び芸術の進歩に貢献する顕著な業績があると認められる者に対して贈られる2015年度の日本芸術院賞が3月23日に発表され、文学部文芸創作学科の辻原登教授が恩賜賞と日本芸術院賞を受賞しました。

辻原教授は1945年和歌山県生まれ。1990年に中編小説『村の名前』で第103回(平成2年上半期)芥川賞を受賞したほか、2000年には 『遊動亭円木』で第36回谷崎潤一郎賞、10年に『許されざる者』で第51回毎日芸術賞に選出されるなど、多くの文学賞を受賞しています。東海大学では文芸創作学科の立ち上げに携わり、2001年から教授として学生の指導に当たってきました。今回の賞は、小説を中心とする多年にわたる文学的業績に対して贈られたものです。

受賞を受けて辻原教授は、「非常に光栄なことだと思います。よい小説を書くという姿勢はこれからも変わりませんが、これまで以上に冒険的な作品を世に問うていきたいと思っています。文芸創作学科は、東海大学の力がなければできない学科です。文学を愛好する学生たちと接することで、教育者としてはもちろん、小説家としても大きな力をもらい、この学科に携わった20年間は最も充実した時期と重なっており、東海大学と学生には大変感謝しています。これからも教室での授業や小説を通して学生たちによい影響を与えていきたいと思っています。文学を志す者は、人にアドバイスをもらうのではなく、自分なりに道を見つけるしかありません。先輩たちの姿を見ながら自分で切り開く一つの方法は、よい友人をもち、本をたくさん読むことです。私から何かを学びたければ、私の講義を受けて作品をたくさん読んでください。宝物はたくさんあります」と話しています。