駿河湾で新種の深海魚「オナガインキウオ」を発見しました

海洋学部水産学科生物生産学専攻の福井篤教授の研究室に所属する村﨑謙太さん(大学院生物科学研究科博士課程2年次生)らのグループが、静岡県駿河湾で採集したクサウオ科の深海魚の1新種を、「Paraliparis ruficometes(標準和名:オナガインキウオ)」と命名し、8月12日に日本魚類学会発行の学会誌『Ichthyological Research』のオンライン版に掲載されました。

研究グループでは、2014年から17年にかけて本学所有の小型舟艇「北斗」を用いて海洋調査を実施し、駿河トラフの水深1,430~2,070mの3地点から28個体のクサウオ科魚類を採集しました。これら28個体の胸びれや尾びれの形状などの特徴が、すでに知られているほかの種と異なることから、新種として日本魚類学会に報告していたものです。「オナガインキウオ」という和名は、長く伸びた尾びれと、赤いインクをたらしたような体色に由来しています。村﨑さんは、「論文が受理されたと連絡をもらった日は、眠れないほどうれしかったです。半年前には同じ場所で新種の『スルガビクニン』を発見できましたし、海にはまだ知らないことがたくさんあるということを、地域の子どもたちに知ってもらえるきっかけになればいいなと思います。これらの発見は、卒業していった先輩方が調査を続けてきたおかげでもあるので、自分も同じように後輩につなげていきたい」と語っています。

オナガインキウオ.jpg

オナガインキウオ②_525.jpg