健康科学部と大学院健康科学研究科、医学部看護学科が合同FD研究会を開催しました

2019年09月24日

健康科学部と大学院健康科学研究科、医学部看護学科では9月18日に伊勢原キャンパスで、「当事者の語りを対象理解につなげるための教育上の工夫」をテーマに合同FD研究会を開催しました。患者や家族への理解を深めるために有効な教育の実践について考えようと、学部と大学院のFD委員会が開いたものです。第1部では「若年の在宅看取り経験から家族が医療関係者へ伝えたいこと」と題して、在宅で妻を看取った赤松孝一氏と、赤松氏の家族を支援した林間訪問看護ステーション所長の橋本美智子氏が講演。教員をはじめ、大学院生や医学部付属病院の看護師ら約40名が聴講しました。第2部では講演の内容をもとに、教員がグループワークを行いました。

赤松氏は、43歳で希少がんと診断された妻の2年2カ月にわたる闘病と介護の日々を、病状の変化と病院や医師らとの関係および治療の選択、2人の子ども(小学生)の育児と自身の仕事を継続しながら要介護状態になる中での家族の生活時間の変化、訪問による診療・看護・介護のフォーマルサポート活用といった視点から振り返り、当事者としての思いを語りました。最後に、「患者や家族にとって医療者の言葉はとても重いものです。治療の結果は同じであっても、希望を持ち続けられるような言葉をかけてください。医師や看護師の仕事に対する思いは患者や家族に伝わります。医療者である前に一人の人間として、患者や家族にどう対応すべきかを考えていただければと思います」と訴えました。

続いて登壇した橋本氏は、赤松氏の家族への支援について振り返り、「在宅での療養生活には、それまでに患者さんや家族が納得できる診断や治療を受けられたかどうか大きく影響します。訪問看護においては、そうした経緯を理解した上での支援はもちろん、患者さんを看取った後の家族のサポートも求められます」と指摘。「患者さんと家族の希望を理解し、一人ひとりに合った質の高い看護を提供するためには、彼らの声に耳をかたむけ、じっくりと話し合うことが大切です。医療者としてはもちろん、人としてどうかかわっていくかについて考え続けたい」と語りました。

講演後のグループワークでは、当事者の語りを対象理解につなげるために教員が日ごろから実践している教育の工夫や今後取り組みたい方法について意見を交わし、代表者が結果を発表しました。最後に健康科学部の沓澤智子学部長が講評し、「患者さんの経験を授業に取り入れるための手法について、あらためて考える機会になりました。講演では、がん看護や在宅看護、家族看護をはじめ、ターミナルケア、グリーフケア、ソーシャルサービスなど、さまざまな問題について語られましたが、どこに焦点を当てるかなどに留意しながら、効果的な教育法を検討していきましょう」と結びました。

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