第100回箱根駅伝

東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は、東京・大手町から箱根・芦ノ湖間の往路5区間(107.5Km)、復路5区間(109.6Km)の合計10区間(217.1Km)で競う、学生長距離界最大の駅伝競走です。今年は第100回の記念大会。参加チームは前回大会でシード権を獲得した上位10校と、予選会を通過した13校、合計23校となります。大学三大駅伝と称される「出雲駅伝」「全日本大学駅伝」と比較すると、その最大の特長は1区間あたり20㎞を超える距離の長さと、山上り・山下りと形容される5区と6区の特殊区間です。特殊区間を含む長丁場の10区間を担う選手層の厚さとチームの総合力が問われる大会となっています。

監督あいさつ

100回記念大会を復権への足掛かりに

両角 速 駅伝監督(スポーツプロモーションセンター教授)

昨年度の箱根駅伝では15位と悔しい結果になりましたが、今年度はどのような思いでスタートを切りましたか?

2018年度の箱根駅伝で初優勝を果たし、翌年も準優勝と上位に入りましたが、以降5位、10位、11位、15位と悔しい結果が続いています。この悪い流れを打破するべく、今年度は「復活の狼煙(のろし)〜返り咲け東海〜」をスローガン掲げました。駅伝主将の越陽汰(体育学部3年次生)が中心となり、私生活から自分たちを見直した結果もあり、チームの軸である花岡寿哉(情報理工学部2年次生)や兵藤ジュダ(体育学部2年次生)ら2年次生を中心に勢いがつき、多くの選手が自己記録を更新してくれています。彼らに刺激を受けた多くの3、4年次生も奮起してチームを引っ張ってくれています。1年次生も大学生活に順応して、早くもトップチームで練習を積んでいる選手も出てきています。10月の箱根駅伝予選会は10位で本戦出場権を獲得しました。一見すると低い順位にも思えますが、ほとんどの選手が事前に決めたペース通りでゴールできており、選手たちの成長を感じる機会となりました。11月の全日本大学駅伝は下級生中心のメンバーで臨みましたが、箱根駅伝に向けて貴重な経験を積んでくれたと感じています。一昨年度は12位、昨年度は10位と悔しい結果が続いていた中、一桁順位でゴールできたのは収穫と言えます。箱根駅伝でのシード権獲得も現実味を帯びてきたと手応えを感じました。

箱根駅伝で10位以内に入るために、どのようなレースプランを考えていますか?

本番直前まで選手の調子を見ながらの判断になりますが、どの選手を起用するにしても全員が最後まで諦めることなく走り抜いてほしいと考えています。箱根駅伝は1区間が20km前後と長く、起伏もあるため、なにが起きてもおかしくありません。さらに、シード権争いという点では10区の終盤に至るまで入れ替わる可能性があり、粘り強い戦いが必要になります。箱根駅伝まで残り1カ月は、選手たちが万全なコンディションでスタートラインに立てるよう練習メニューを組んでいます。

応援する皆さんにメッセージをお願いします。

100回の節目を迎えた記念大会である今回の箱根駅伝を、復権への足掛かりにしたいと考えています。チームが上位に入れないときは周囲から厳しい言葉がかけられるものですが、私たちの周りには温かいエールを送ってくださる方ばかりであり、選手たちにとって日々の励みになっています。箱根駅伝でも、皆さまへの感謝を形にするべく力走する選手たちに、よりいっそうのご声援をよろしくお願いします。

エントリー選手インタビュー

3年生主将が箱根路での復活を誓う

越 陽汰 駅伝主将(体育学部競技スポーツ学科3年次生・佐久長聖高校出身)

入学時から2年間続けて箱根駅伝にも出場し、3年生を迎えた今年度は駅伝主将に就任しました。どのような思いでスタートを切りましたか?

ここ数年、自分たちは好成績を残せておらず、厳しい戦いが続いてきました。この現状を打破したいという思いと、駅伝主将としての経験が自分を成長させるきっかけになるのではと考え、新3年次生ながら立候補しました。ただ自分自身、昨年度から体調不良もあり、納得できる結果や、応援してくださる皆さんの期待に応える成果は残せていません。今シーズンは、チームの状態を気にして自分の走りに集中しきれない時もありましたが、徐々にコンディションも上がっているので箱根駅伝では一矢報いたいと考えています。

箱根駅伝予選会後には、会場に駆け付けた人たちに「皆さんにもっと応援してもらえるチームになるためには、まだまだ甘さがある。私生活から自分たちを見直していきます」と力強く話していました。

数年間悔しい結果が続いている中で、この状況を変えるためには相応の努力がいると思います。まだまだ寮生活に甘い部分があると感じていたので、思い切って宣言しました。一方、今のチームで勢いがあるのは2年次生で、彼らは入学時から「2025年度の箱根駅伝で総合優勝」と大きな目標を掲げています。言葉にするだけではなく、独自に学年ミーティングを開くなど意欲を持って行動に移すなど頼もしい後輩たちです。その勢いにチーム全体が乗って、どの学年のメンバーもタイムを伸ばしていて、長く故障に苦しんできた選手たちも結果を残し始めていることもチームの雰囲気をよくしてくれています。

 

越選手自身の状態や箱根駅伝での目標を教えてください。

11月の全日本大学駅伝にはコンディション調整が間に合いませんでしたが、10月下旬からは着実に走れるようにもなっています。12月に入っても箱根駅伝でしっかり結果を残せるよう走り込んでいます。当日はシード権獲得はもちろん、チームの復権を印象付けるような走りをしたい。陸上競技は個人の戦いですが、駅伝はチームでの戦いになります。選手はもちろん、サポートに回る部員も含めて全員で気を引き締めて戦います。


エースが箱根路で復帰 「焦ることなく、できる限り万全の状態に」

石原 翔太郎 選手(体育学部競技スポーツ学科4年次生・倉敷高校出身)

今季は長期間にわたって故障による離脱が続きました。ここまでのシーズンについて教えてください。

8月に中国の成都で開催されたワールドユニバーシティゲームズ5000mで4位に入ったのですが、帰国後に右足の足底を痛めてしまいました。トレーニングができない日々が続き、10月の箱根駅伝予選会、11月の全日本大学駅伝ともにレースに出られず応援に回りましたが、できるだけ早く復帰できるようリハビリを続けてきました。

箱根駅伝での復活を意識したのはいつごろですか?

箱根駅伝を走るラストチャンスなので、最上級生として結果を残さないといけないと考えていました。ただ、箱根に向けた練習の中で再び故障しては意味がないので、自分の調子を見極めながら徐々に走り出しています。本格的なトレーニングを再開したのは12月に入ってからです。

今後はどのように調整して、本戦に臨みますか?

これまで同様、焦って無理はできないと思っています。ただ、学生として走る最後の駅伝ですから、できる限り万全の調子に近づけたい。チームメートたちの状態もよいので、自分がどこの区間を任せてもらえるかは分かりませんが、どの区間でも区間賞を狙い、チームのシード権獲得に貢献したいと考えています。


4年目の全日本大学駅伝で初の学生三大駅伝出場 最初で最後の箱根で“流れをつくる”

折口 雄紀 選手(体育学部体育学科4年次生・智辯学園和歌山高校出身)

大学ラストイヤーはどのような目標を持ってスタートしましたか?

まずはチームに貢献するためにも6月の全日本大学駅伝選考会、10月の箱根駅伝予選会での好走を目指しました。ただ、シーズンの序盤から貧血の症状が出るようになり、考えていたような練習が積めなかったため全日本大学駅伝選考会には間に合わせられませんでした。夏合宿からは症状が落ち着いたのでしっかり練習でき、箱根駅伝予選会はチームのプラン通りの走りができました。

全日本大学駅伝では6区で順位を2つ上げる好走を見せました。

大会直前の滋賀県での合宿で調子がよかったので、初めての学生三大駅伝出場でも不安なくスタートラインに立てました。順位を2つ上げましたが、もっといいタイムで走れたとも思っているので満足はしていません。一方で、箱根駅伝前に大学駅伝の雰囲気を知ることができたのは大きな財産になりました。

箱根駅伝での目標を教えてください。

12月上旬の合宿前に少し体調を崩してしまいましたが、エントリーメンバーの部内選考レースには間に合い、想像以上にいい走りができました。体調不良で走れなかった時間をいい休養だったととらえ、さらに調子を上げていきたいですね。もし出場できれば最初で最後の箱根駅伝になるので、チームに流れをつくる走りを見せたいと思っています。


苦しんだ3年間をバネに 「最後は笑顔で迎えたい」

喜早 駿介 選手(体育学部競技スポーツ学科4年次生・仙台育英学園高校出身)

大学ラストイヤーを迎えた今年度はどのような思いでスタートしましたか?

3年次生までに学生三大駅伝への出場は2年時の全日本大学駅伝のみで、悔しい時間を過ごしてきました。4年目こそ箱根駅伝に出て、日ごろから応援してくださる方々に感謝を伝えたいと心に決めていました。

その思いを体現するようにシーズン序盤から好走が続きました。

調子もよく、6月の全日本大学駅伝選考会では1組目で6位とまずまずの走りができました。翌週の秋田県で開催された全国男鹿駅伝でも2区で区間3位に入り、従来の区間記録を上回りました。コースは急な上り坂でしたが、リズムよく走り切れたと思います。その後は夏合宿で疲労がたまってしまった影響もあり、箱根駅伝予選会や全日本大学駅伝には出場できませんでしたが、今は少しずつ調子を上げられています。

最後の箱根駅伝への思いを教えてください。

ここまでチームに貢献できていないので箱根駅伝で結果を残し、頑張っている後輩たちにシード権を残したいですね。仙台育英学園高校1年時に全国高校駅伝でアンカーを任せてもらい、最後の競り合いに勝って3位に入賞した経験から、個人的には10区を走りたいと考えています。もう一度気持ちよくゴールテープを切りたい。残された短い時間でしっかりとコンディションを整えて、笑顔で最後の学生駅伝を終えられるように頑張ります。


2、3年次の不調を乗り越え 最後の箱根駅伝区間上位を目指す

佐伯 陽生 選手(体育学部生涯スポーツ学科4年次生・伊賀白鳳高校出身)

1年次生で大学駅伝デビューとなる全日本大学駅伝に出場し、1区7位と好走しました。それから3年間はどのような思いで練習を続けてきましたか?

1年次では箱根駅伝でも4区に起用してもらいましたが、区間19位と悔しい結果に終わりました。その後は故障が続き、レースに出ても苦しい走りになってしまい……「どうしたらまた走れるのか」「なんで陸上競技を続けているのか」と悩み続けてきました。

そこからどのように復活を図ってきましたか?

3年次生の後半でも故障してしまい、しばらく走れませんでした。不安がある中で大学ラストイヤーがスタートしましたが、リハビリから徐々に練習を戻していく中で、少しずつ調子も上がってきました。夏合宿ではトップチームに戻れたので、2年間結果が残せなかった経験を生かして無理をし過ぎないように、余裕を残してトレーニングを積みました。その甲斐もあって箱根駅伝予選会ではチームが決めた設定タイムで走り切れましたが、全日本大学駅伝では3年ぶりに1区を任せてもらったのに結果を残せず、悔しさが残っています。

最後の箱根駅伝に向けて意気込みを教えてください。

箱根駅伝は大学生ランナーにとって特別な舞台で、独特の雰囲気があります。どれだけ万全に体調を整えても、アクシデントが起こり得る難しさがあると考えています。だからこそ、レース前にきちんと準備して、自信を持ってスタートラインに立つことが大切です。残された時間もしっかりと調整をして当日は区間上位に入る走りを見せます。


1万mで学生トップクラスの自己記録 最後の箱根路は「全力で」

松尾 昂来 選手(体育学部競技スポーツ学科4年次生・西脇工業高校出身)

2年次の時に1万mで28分21秒80の好タイムをマークしましたが、これまでの3年間についてどのように感じていますか?

大学に入って以降は調子の波が激しく、いい時には好記録を残せていますが、走れないときは全くダメで……。大学駅伝では、エントリーメンバーに入れても出場はできない悔しさを何度も味わってきました。「今年こそは箱根駅伝に出場したい」と強い気持ちを持ってラストイヤーに臨んでいますが、故障もあってなかなか調子が上がらず苦しい時間が続いています。それでも12月上旬に行われた選抜メンバー合宿に選んでもらい、調子が上がっている選手に先行してゴールもできたので、箱根駅伝に向けていいトレーニングができ始めたと感じています。

今年度のチームについて教えてください。

2年次生を中心に後輩たちが意欲的に練習していて、チームの雰囲気はとてもいいです。一方で、本来であれば4年次生がチームの先頭に立って結果を残さなければいけないので、申し訳ない気持ちも抱えています。だからこそ、彼らが目標にしている「2025年度大会での総合優勝」に向けて、今大会のシード権を獲得できたらと考えています。

箱根駅伝での目標は?

任された区間を全力で駆け抜け、区間5位以内を目指して頑張ります。卒業後は、実業団でも競技を続ける予定なので、将来につながる経験も積みたいですね。


チームに吹く追い風に乗り 箱根駅伝では「泥臭く結果にこだわる」

梶谷 優斗 選手(体育学部競技スポーツ学科3年次生・滋賀学園高校出身)

箱根駅伝が近づいていますが、今の心境を教えてください。

昨年度の箱根駅伝では1区区間19位と情けない結果に終わりました。「箱根駅伝の借りは箱根駅伝でしか返せない」と思い、今年度はスタミナ強化を軸に走り込んでいます。ただ、練習ではしっかり走れてはいるのですが、試合では思い通りの結果を残せていません。両角速駅伝監督(スポーツプロモーションセンター教授)ら先生方や学生コーチの皆から期待をかけてもらっているのに、申し訳気持ちでいっぱいです。エントリーメンバーの16人には入れないと思っていた時期もあったので、選んでもらったことに心から感謝をしています。これで満足することなく、本戦で結果が残せるようにしっかり調整していきたいと考えています。

チームは箱根でのシード権獲得を目指していますが、どのような雰囲気ですか?

2年次生を中心にレースで結果が出ていることから、箱根駅伝に向けてチームが一丸になっています。けがなどで戦列を離れていたエースの石原さん(翔太郎・体育学部4年次生)や、駅伝主将の越(陽太・同3年次生)が復帰して、追い風も吹いています。同学年の越や野島(健太・文化社会学部3年次生)と一緒に結果を残して3年次生の意地を見せたいですね。石原さんとは駅伝のタスキをつないだこともありますが、いつも自分の力不足で迷惑をかけています。石原さんは4年間チームの先頭に立って戦ってくれたランナーなので、最後の箱根駅伝では気持ちよく走ってもらえるよう、僕も頑張ります。

箱根駅伝での目標を教えてください。

どの区間を任されても、シード権獲得に向けて全力で走ります。泥臭い内容でもとにかく結果を残して、ゴールの大手町では笑顔でチームメートと喜び合います。


直前の記録会でも好記録 全国中学駅伝優勝メンバーが完全復活へ

野島 健太 選手(文化社会学部広報メディア学科3年次生・流通経済大学付属柏高校出身)

千葉県・白山中学校時代には、全日本中学校選手権大会3000mで2位、全国中学校駅伝大会で全国優勝を果たすなど活躍してきました。

小学校のときに陸上競技を始めてから走ることが大好きで、中学では結果を残すことができました。しかし、高校3年間と大学進学後の2年間は故障や貧血でうまく走れずに苦しい時間が続きました。2018年度の東海大の箱根駅伝総合優勝を支えた黄金世代と呼ばれた先輩たちに憧れて入学したので、思うようにいかないもどかしいシーズンが続きました。昨年度からは、少しずつ走れるようになり、今年7月の関東学生網走夏季記録挑戦競技会1万mでは初めて28分50秒07を出せました。それまでは“どうしたら走れるようになるんだろう”と悩んでいたので、浮上のきっかけになりました。ただ、夏合宿は故障で1カ月間を棒に振ってしまったため箱根駅伝予選会にコンディションを合わられず、悔しさが残っています。

夏合宿で走り込めない時期がありながらも、11月以降は好調が続いています。

全日本大学駅伝は久しぶりの大舞台だったので、大学に入っていちばん緊張しました。1区は苦しいスタートになりましたが、2区の兵藤ジュダが順位を上げてくれて、3区の自分も何とかその勢いを加速させようと前を追いました。結果的には区間11位とシード権獲得には貢献できませんでしたが、また全日本クラスの大会を走れた喜びがありました。この経験を必ず箱根駅伝や来年度につなげなければいけません。

 

全日本大学駅伝から3週間後の日体大記録会1万mでは28分27秒63のタイムをマークしました。箱根駅伝でも好走が期待されます。

メンバー入りに向けてもいいアピールになったと思います。けがもしていないので自信を持って最終調整に入っています。疲れはそれほど溜まっていないので、まずは本戦に向けて万全のコンディションを整えていきます。箱根駅伝は小学生のときから憧れの舞台。任された区間によって役割が変わりますが、チームのシード権獲得に貢献する走りをしたいと考えています。


箱根路で伝える チームメートや両親への感謝

鈴木 天智 選手(体育学部競技スポーツ学科2年次生・一関学院高校出身)

昨年度は箱根駅伝予選会でチーム4位と好走しましたが、本戦には出場できませんでした。今シーズンはどのような目標を持ってスタートさせましたか?

昨年度は箱根駅伝出場に手が届くところまで来ていながら、足首を捻挫していまいました。本当に悔しく、チームメートに迷惑をかけてしまいました。今年度は箱根駅伝に出場はもちろん本番で任された区間で上位に入る力を身につけようと走り込んできました。

10月の箱根駅伝予選会ではチームトップでゴール。出場権獲得に大きく貢献しました。

夏合宿で練習を積めたことが何よりも大きかったと感じています。今年度の夏合宿は昨年度以上にチーム全体が意識を高く持っていたように感じます。先生方が決めたメニューをしっかり走るのは当然ですが、自主的にランニングに出ていく選手が数多くいました。自分もその姿に刺激を受けて距離を踏んだことで箱根駅伝に必要なスタミナが身についたと感じています。ただ、全日本大学駅伝前にまた足首を捻挫してしまいました。情けないと感じながらも、治療に専念したことで、今はいいコンディションでトレーニングに臨めています。

箱根駅伝での目標を教えてください。

どの区間でも他大学の選手に負けない走りを目指しますが、何よりも感謝の思いを持ってスタートラインに立ちたい。けがのリハビリ期間はチームメートがとても気を使ってくれて、治療に集中できました。また、両親には本来かけなくてもいい治療費を負担してもらいました。箱根駅伝で好成績を残して、恩返しします。


チーム随一の練習量 昨年度の経験を生かしてリベンジを誓う

竹割 真 選手(文化社会学部広報メディア学科2年次生・九州学院高校出身)

昨年度は1年生ながら箱根駅伝の7区に出走しました。初めて箱根駅伝を走ってどのように感じましたか?

メンバーに選んでもらったにも関わらず、区間18位と情けない結果に終わり、シード権を逃す要因にもなってしまいました。申し訳ない気持ちでいっぱいでした。今年度こそは絶対にシード権獲得に貢献しようと決めて練習に取り組んでいます。

ほかの選手からは、竹割選手が「チームでいちばん練習に励む選手」だという声が聞かれます。練習で距離を踏むことは意識していますか?

スピードのある選手が多い中で、自分の役割は長い距離の区間で好成績を残すことだと考えています。練習ではチームの中でも長く走っていますし、自分の個性を延ばそうと努力しているのでそう言ってもらえるのだと思います。夏合宿では決められた練習メニューをすべて消化できましたし、そのほかの時間でも距離を踏もうと徹底的に走り込みました。

 

箱根駅伝予選会と全日本大学駅伝の感想を教えてください。

予選会では事前に先生方が決めた設定タイム通りに走ることができました。余裕を持って走り終えたので、感触はよかったです。ただ、予想以上に疲労は溜まっていて、全日本大学駅伝では思い通りの走りができませんでした。10位でタスキを受けて、何とかシード権が与えられる8位まで順位を上げようと思いましたが、当日は気温が高く向かい風も強かったため、前半で無理をしてしまいました。区間13位と悔しい結果に終わったので、箱根駅伝ではリベンジするつもりです。

箱根駅伝での目標を教えてください。

昨年度の12月は、メンバーに入るために必死で先輩たちについていくだけでした。今年度はスタミナもついて、精神的にも余裕を持って調整できています。練習でもチームメートの先頭に立って走れていると思います。1年次生から箱根駅伝を経験させてもらったので、その財産は必ず生かさなければいけません。チームのシード権獲得のために全力で走ります。


「無難な走りは求められていない」 中心選手としての自覚を胸に2度目の箱根路へ

花岡 寿哉 選手(情報理工学部情報科学科2年次生・上田西高校出身)

昨年度は1年次生ながら日本学生対校選手権大会5000mで6位に入賞。全日本大学駅伝、箱根駅伝でも区間上位に入るなど活躍しました。

上位に入れても優勝や区間賞を獲得できたわけではないので、納得のいくシーズンという訳ではありませんでした。むしろ勝負所でのスタミナやスピードなどに勝ち切れない弱さを感じました。今年度はレース後半でも勝負ができるようスタミナをつけたいと考え、レースだけでなく練習の終盤でも少しでも前に行くことを意識しています。

今年度は、4月の日体大記録会5000mで13分46秒54を出し、5月の関東学生対校選手権大会1万mでは28分15秒65と学生トップクラスのタイムをマークしました。

どちらのレースも冬場のトレーニングの成果を出せて大きな自信になりました。ただ、その後は体調不良が続いて、思うような練習やレースができない感覚が続きました。6月の全日本大学駅伝選考会でもタイムは28分46秒38で、もう一つ力を出し切れませんでした。一方で、夏合宿ではしっかり走り込めたこともあり箱根駅伝予選会はチームの設定タイム通りに走れ、悪くはなかったと思っています。

 

全日本大学駅伝では各校の有力選手が顔をそろえた7区にエントリーしました。振り返るとどのようなレースになりましたか?

エースとしての走りを期待されていましたから、区間7位はいい結果ではありません。箱根駅伝予選会の疲れがあったとはいえ、チームがシード権を逃す結果になった責任を感じました。

自身2度目の箱根駅伝に向けて意気込みを教えてください。

前回は3区を走りましたが、沿道に大勢の人がいて驚きました。これまでのレースとは比べられない独特の空気があると思います。今大会は、1年次生の時と違い、区間順位で中盤に入るような無難な走りは求められていません。昨年度2区を走った石原翔太郎さん(体育学部4年次生)のようなチームに流れをつくる走りが目標です。全日本大学駅伝後からは、少し休養をとって調子も上向いてきているので、区間賞を狙ってスタートラインに立ちます。


11月の記録会1万mで好記録マーク 「エースとしてスタートラインに立ちたい」

兵藤 ジュダ 選手(体育学部競技スポーツ学科2年次生・東海大学付属静岡翔洋高校出身)

全日本大学駅伝は2区で順位を2つ上げましたが、レース後に悔しがる姿も見られました。

17位でタスキを受けたので、とにかく前を追うことだけを考えて走りました。ただ、箱根駅伝予選会から3週間ほどしかレース間隔がなかったこともあり、コンディションは十分に整えられたとは言えない状態でした。順位こそわずかに上げられましたが、悔しさしか残りませんでした。初めて学生三大大学駅伝のメンバーに選ばれたにも関わらず、チームの皆に申し訳ない思いでいっぱいでした。

全日本大学駅伝から3週間後の日体大記録会1万mでは、チームでもトップクラスの28分14秒75の好記録をマークしました。

予選会からの連戦で疲労が溜まっていたので、先生方と相談しながら少しトレーニングの負荷を落として調整しました。全日本大学駅伝を経験して、心の奥底から“強くなりたい”と感じたので、その思いを練習やレースにぶつけた結果がレースでの好成績につながったと思います。箱根駅伝まで1カ月という時期に、自己ベストを大幅に更新できて自信になりました。この勢いを本番まで維持していきます。

 

箱根駅伝の目標を教えてください。

ここまで来たら考えすぎても仕方がないので、やるしかないとシンプルに考えています。当日はどの区間を任されても、“自分が東海大のエースだ”と自覚を持ってスタートラインに立ちたい。チームに流れをつくるのはもちろん、他大学の選手たちを驚かせるような走りを見せます。


トラックで好成績、箱根路で区間1桁順位を目指す

湯野川 創 選手(体育学部競技スポーツ学科2年次生・東海大学付属相模高校出身)

今年度はどんな目標を持ってスタートしましたか?

箱根駅伝の復路出走、トラックでも結果を残すという目標を掲げました。昨年度の冬場にけがをしてしまい、練習を積めない時期もありましたが、春以降はトラックは結果を残せるのではないかという手応えはあり、7月の関東学生網走夏季記録挑戦競技会5000mで13分42秒78の自己ベストをマークして3位に入るなど、ある程度の成果も得られました。冬場にきちんと練習を積んで、来年度の関東学生陸上競技対校選手権大会では優勝を目指したいと考えています。しかし、1万mやロードのハーフマラソン、駅伝ではここまで結果を残せていないので、今は箱根駅伝に向けてやるしかないという気持ちです。

全日本大学駅伝では5区を任されました。

順天堂大学と並んでタスキを受け取ったこともあり、突っ込んで入ってずるずると順位を落とす、やってはいけない走りをしてしまいました。箱根駅伝予選会から3週間ほどで疲労が抜けず、調整も難しかったのですが、最低限の走りもできませんでした。上尾ハーフが終わってからも数日間は疲労もありました。ただこれまでの反省を生かし、12月の合宿ではきちんと走れており、コンディションも悪くありません。

 

箱根駅伝ではどのような走りをしたいですか?

徐々にロードに適応してきた感覚があり、普段の距離走も昨年度ほどきつくはなくなり、成長を感じています。箱根駅伝を走れるチャンスがあるのなら、チームの目標であるシード権を取るために区間1桁の順位を目指します。


11月のハーフマラソンで好タイム 箱根駅伝で大学駅伝デビューへ

ロホマン シュモン 選手(体育学部生涯スポーツ学科2年次生・川崎市立橘高校出身)

11月19日の上尾シティハーフマラソンでは62分40秒をマークし、チームトップの成績を残しました。一躍、箱根駅伝のメンバーに名乗りを挙げました。

今年度の箱根駅伝に出場するための最後のチャンスだと思い、強い気持ちを持って走りました。気温や風などのコンディションがよかったこともありますが、事前に想定していた63分前半のタイムを大幅に更新できて、満足いくレースになりました。昨年度は箱根駅伝のメンバー選考に一切絡むことができず、悔しい思いをしました。大学生活1年目ということもあり、生活リズムや練習量にすぐに慣れない点もありましたが、大学生として自分で考えながら必要な練習をする気持ちが足りていなかったとも感じています。故障もあり、進学時に考えていたシーズンにはなりませんでした。

2年目を迎えて、どのように取り組みを変えましたか?

スピードもスタミナも足りていなかったので、基本的な体づくりから取り組みを変えました。食事については、自分で調べたり、周囲の人のアドバイスを参考にしたりしながら、すぐに実践しました。練習では、全体の練習にプラスして走行距離を延ばすなど自分なりに考えてトレーニングができるようにもなりました。ただ、夏合宿中にはハムストリングを肉離れしました。少し無理をし過ぎたのかもしれません。同級生が着実に力をつけていたので、少し焦りもありました。

 

同級生の存在はいい刺激になっていますか?

もちろん、先輩や後輩の活躍もモチベーションになりますが、同級生の存在は特別です。入学時から「4年生になった最後の箱根駅伝で総合優勝をしよう」と共通の目標を立て、日々のミーティングなどでも意識を高め合っています。故障したときも、精神的に沈むのではなく「自分もやらないと」と奮い立てる環境があるのはとてもありがたいです。

箱根駅伝での目標を教えてください。

上尾ハーフで記録を出してからは、16人のエントリーメンバー入りを目指すのではなく、「出場して区間上位の走りをするんだ」と目標を切り替えました。レースが近づき、少しずつプレッシャーも感じていますが、当日はチームが流れに乗っているときにはその勢いを加速させ、悪い流れのときには雰囲気を変えるゲームチェンジャーになりたいと思います。


大崩れしない安定感を生かしチームに貢献する

永本 脩 選手(体育学部競技スポーツ学科1年次生・九州学院高校出身)

東海大学に進学を決めた理由を教えてください。

同じ九州学院高校出身の入田優希さん(体育学部4年次生)と竹割真さん(文化社会学部2年次生)がいるのが大きな決め手になりました。九州から関東の大学に進学することには不安もありましたが、臨機応変に対応できており今では環境にも慣れてきたと感じています。同級生には力のある選手が多く、最近は記録会などでも何人もが自己ベストを更新しています。自分も大学でのレースの雰囲気がつかめてきていると思っています。

ここまでのシーズンを振り返っていかがですか?

春のトラックシーズン、10月の箱根駅伝予選会と、そこそこの結果や記録は残せたと感じています。全日本大学駅伝では疲れもあってメンバーに選ばれず、悔しい思いをしたので、残り1カ月は体調を整え、疲れを取りながら準備していきたいと考えています。集団走が得意で、大崩れしない安定感を武器に、チームに貢献する走りを見せたいです。

箱根駅伝への憧れや走ってみたい区間はありますか?

中学生のときに青山学院大学が優勝したレースを初めて見て、自分も走りたいと思ったのを覚えています。往路の1区や復路の7、8、9区を走ってみたい。東海大では竹割さんや越陽汰さん(同3年次生)が1年次生の時に7区を走っているので、自分も挑戦したい気持ちもあります。花岡寿哉さん(情報理工学部2年次生)や竹割さんが“自分たちの代で総合優勝したい”と目標に掲げているので、それを助けられるような選手になりたい。 “強い東海大学が戻ってきた”と言われるような走りをして、応援してくれる方々に恩返しをします。


ハーフマラソン高校歴代最速ランナー 「東海大学をもう一度総合優勝に導く」

南坂 柚汰 選手(体育学部競技スポーツ学科1年次生・倉敷高校)

ルーキーイヤーはどんな目標を掲げてスタートしましたか?

全日本と箱根の2つの予選会が控えていたので、1年次生でもどちらもきちんと走り、箱根駅伝という大一番に向けてコンディションを合わせていこうと考えていました。6月の全日本大学駅伝予選会は2組6位、10月の箱根駅伝予選会はチーム2位と、どちらもいいレースができたと感じています。ただ、トラックで結果を残せていないのは反省点。来年度はしっかり活躍したいと思います。

ハーフマラソン1時間3分15秒の高校歴代最速記録を保持していますが、大学に進学して、高校との違いは感じていますか?

レースや練習での距離が伸びることに対しての不安はあまりありません。しかし、箱根駅伝は特徴的なコースで観客も多く、特殊なレース。ハーフマラソンイコール箱根駅伝とは考えていません。ハーフマラソン以上の準備をしなければならないと感じています。

 

同級生やチームの雰囲気はどうですか?

1つ上の先輩たちが高い意識で練習に励み、結果を残しているので、自分たちもしっかり取り組もうという雰囲気があります。1年次生は皆、仲がいいのですがお互いに負けたくないという気持ちを持っています。

箱根駅伝での目標はありますか?

中学生の時に東海大学の箱根駅伝総合優勝を見て、自分も箱根路を走りたいと意識するようになりました。東海大に進学したのは、同じ倉敷高校出身で4年次生の石原翔太郎さんの存在も大きいです。全日本大学駅伝では自分がチームの足を引っ張ってしまい、目標だったシード権獲得に全く貢献できなかったので、箱根駅伝では少しでも力になりたい。4年間のうちにもう一度東海大を総合優勝に導く、そのために走らなければいけない立場だと考えています。

主務あいさつ

選手層の厚さに手応え 大一番に向けて「全員で戦う」

渡邉 彩冬 駅伝主務(体育学部競技スポーツ学科4年次生・緑丘高校出身)

16人の箱根駅伝エントリーメンバーが決まりました。顔ぶれを見てどのように感じていますか?

チームが目標とするシード権獲得に向けて、十分な戦力が整いました。この16人は、実力が足りない選手が仕方なく選ばれたわけではなく、両角速駅伝監督(スポーツプロモーション教授)や西出仁明ヘッドコーチ(スポーツプロモーション准教授)らスタッフ陣が20名以上いる候補選手の中から選ばれた精鋭です。しかも、16人目の選手と17、18番目の選手の実力はほとんど差がありませんでした。今年度のチームは、例年以上に選手層に厚みがあると実感しています。本音を言えば、同じ4年次生にもまだまだ潜在能力のある選手がいるので、もっとメンバーに選ばれてほしかったという思いもあります。

エースの石原選手や越駅伝主将も復帰してチームの雰囲気もさらによくなりそうですね。

力のある選手が戻ってきたことでチームの一体感も増しています。直近のミーティングでも全員でシード権獲得に照準を合わせることを再確認し、エントリーメンバー外の選手も気持ちを一つにしました。12月中旬以降は体調管理が重要な時期に入ってくるので、あらためて私生活から気を引き締めて戦っていきます。

本番までどのようにチームをサポートしていきますか?

まずは主務の自分自身も後悔がないように、選手たちのためにできることや、チームのためにやれることすべてに全力で取り組んでいきます。1月3日の復路を終えたあと、皆で「このチームで戦えてよかった」といえるように頑張ります。

前回大会

監督あいさつ

シード権獲得に向けてスピード・スタミナの両面を強化

両角速 駅伝監督(スポーツプロモーションセンター教授)

ここまでの大会を振り返ってどのようなシーズンでしたか?

前回の箱根駅伝から振り返ると、最終10区まで総合8位でタスキをつなぎましたが、後続のランナーに先着を許し、総合11位とあと一歩のところでシード権を逃す結果となりました。今季に入ってからも10月の箱根駅伝予選会で9位、11月の全日本大学駅伝で10位と思うようなレースができていない状況が続いています。それでも選手たちは下を向くことなく、「箱根駅伝でこそ上位に進出する」と自分を信じ、仲間を信じて日々練習を重ねています。

箱根駅伝に挑むチームの特徴を教えてください。

4年次生がリーダーシップを発揮し、一つにまとまっています。彼らは本学が箱根で初優勝を飾った直後に入学した世代で、当時の先輩ランナーにはとても力があったため、なかなかレースに出場するチャンスがなかった選手たちです。それでも地道にトレーニングを重ねながら着実にタイムを縮め、大学最終学年となる今年度は主軸を担ってくれています。箱根でも多くの選手を起用することになると考えられます。これまで積み重ねてきたすべての努力をぶつけてほしいと願っています。

4年次生以外での注目選手はいますか?

昨年度は故障で戦列を離れながら、全日本大学3区で区間賞を獲得した石原翔太郎です。普段から決して口数の多い選手ではありませんが、練習ではガッツあふれる走りを見せてチームを引っ張ってくれています。箱根でも、エースとして他大学のランナーを上回る走りを期待しています。ただ、大学駅伝界全体のレベルは年々上がっており、すべての区間に有力なランナーを配置しなければ上位進出はできず、石原頼みだけではチームの目標であるシード権獲得には手が届きません。出場した選手全員が大きなミスをしないこと、具体的に言えば10選手全員が区間一桁でタスキをつなぐことが求められると考えています。もちろん簡単なことではありませんが、目標を達成するべく、12月には千葉県富津市内で定期的に強化合宿を張り、スピードとスタミナの両面を鍛えています。

駅伝チームを応援する皆さんにメッセージをお願いします。

今回の箱根は、沿道での応援が3年ぶりに解禁されます。学園関係者の皆さまや卒業生の応援が選手たちにとって何よりの力になりますし、皆さまに選手たちの力走を直接見ていただけることを大変うれしく思います。主催する関東学生陸上競技連盟からは、「沿道で観戦、応援する際はマスクを着用し、周囲との距離を確保してください。また、声を出しての応援は控えてください」との要請もありますので、ルールを守った上で、選手たちに温かいエールをお寄せいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

エントリー選手インタビュー

「後輩たちにシード権を残したい」 駅伝主将が挑む初の箱根路

宇留田竜希 駅伝主将(体育学部競技スポーツ学科4年次生・伊賀白鳳高校出身)
ここまでのシーズンを振り返ってください。

個人としては大きな故障がなく、トレーニングを積めてこられたのはよかった点だと思いますが、チームとして箱根駅伝予選会9位、全日本大学駅伝10位と悔しい結果が続きました。私自身はもちろん、チームとして力が足りていないということを真摯に受け止めて、一つひとつの課題解決に取り組もうと走り込みを続けています。一方で、今シーズンは昨年度にけがで戦列を離れていた石原翔太郎が復帰したり、花岡寿哉や竹割真ら1年生が練習から力強い走りを見せていたりと好材料も多くあります。最上級生として彼らの活躍は頼もしく感じています。

駅伝主将として箱根駅伝に向けてどのように立て直しを図っていますか?

全日本は最上級生として後輩たちにシード権を残せなかったことが情けなく、チームとしてもショックが大きかったです。レース後には学生同士でも話し合って、「箱根では必ずシード権を獲ろう」と目標を立て直しました。箱根では、石原の走りや多数の経験者がいることが大きな武器になると思います。ただ、ほかの区間でミスをしてしまうとアドバンテージがなくなります。全日本では前半区間での遅れが致命傷になってしまったので、箱根では上位でタスキをつなぎ続けられるような安定した戦いが求められると考えています。

個人としては最初で最後の箱根駅伝になりますが、意気込みを教えてください。

4年間故障の多い競技生活でしたが、その間は多くの人に支えられ、励ましてもらい、復帰することができました。周囲の皆さんへの感謝を伝えるためにも、チームの好成績につながる走りがしたいと考えています。駅伝主将としてどれだけチームに貢献できているかは自分自身では分かりませんが、後輩たちに箱根のシード権を残すことができれば一つの成果になると思います。区間上位に入り、有終の美を飾ります。


3度目の山下りでチームに勢いを 「自信を持ってスタートラインに立ちたい」

川上勇士 選手(体育学部競技スポーツ学科4年次生・市立船橋高校出身)
今シーズンはどのような思いを持ってスタートを切りましたか?

トラックレースでも結果を残したいと考えてシーズンをスタートさせましたが、3月から不調に苦しんでしまい、7月くらいまではまともに走ることができない期間が続いてしまいました。夏合宿からは練習も積めるようになったのですが、箱根駅伝予選会では1時間7分01秒とチーム最下位の結果となり、迷惑をかけてしまいました。全日本大学駅伝でも昨年度と同じ4区を走りましたが、前回より1分以上タイムを落として区間15位と納得いく走りができずにここまで来てしまいました。序盤の出遅れが響いている感覚もありますが、徐々に調子も上向いているのでしっかりと箱根にピークを持っていきたい。

箱根駅伝では過去2大会ともに、6区を走り区間5位、6位と好走しています。今年度はどのような走りをしたいですか?

6区は山下りと呼ばれていて、急な下り坂を駆け抜けるのがメインになりますが、序盤は上り坂で、最終版は平地になります。ポイントは下りきった後の平地でどれだけ粘れるか。急坂を駆け降りた分、平地は上り坂のように辛いこともあり、毎年そこでタイムを落としてしまっています。今回こそはしっかりと粘って、過去2年間を上回るタイムを残したいと考えています。

復路のスタートとなる6区はシード権を獲得する上でも重要な役割になります。プレッシャーはありますか?

自分自身最後の箱根ということもあり、当日はプレッシャーも感じると思いますし、緊張もするはずです。前回は5区の吉田響がいい流れで往路を終えてくれたので、さらに勢いづけたいと思いながらスタートラインに立ちました。ただ、直前の練習であまり調子が上がり切っていない感覚もあったので、満足いく走りはできませんでした。今回はしっかりと調子を合わせ、自信を持って、区間賞を獲得できるような走りをしたい。


全日本大学駅伝での好走にも、「満足いく結果ではない。もっとできる」

佐藤俊輔 選手(体育学部競技スポーツ学科4年次生・鶴崎工業高校出身)
3年次生までは駅伝を走るチャンスがありませんでしたが、最終学年となる今年度はどんな目標を立てて始まりましたか?

大学での競技の最後は箱根駅伝に出て、できれば後輩にシード権を残して終わりたいと思っていました。箱根の距離に近いハーフマラソンでも、できれば1時間2分台は出したかったのですが、あまりレースに出場する機会がなく、いいタイムを出すことはできませんでした。

それでも7月の関東学生網走夏季記録挑戦競技会1万mで、初の28分台(28分54秒18)をマークしました。

1年次生のころから膝下のけがが多かったのですが、先生方に教えてもらった対処法を継続したことで練習もでき、少しずつ力がついたのかなと思います。1万mは苦手な種目だったので、7月に28分台を出して自信を持って夏合宿に臨めましたし、その後も順調に走り込めています。

箱根駅伝予選会はチーム5番手(1時間4分29秒/81位)で、全日本大学駅伝(5区区間8位)では学生駅伝デビューを果たしました。

予選会の結果は事前に設定されたタイムではありましたが、同じグループの人たちが10km以降に崩れてきたので、そこからペースを上げなければならなかったのに思うように上げられず、課題となりました。全日本では初めて大学の代表としてタスキをつなげたことはうれしかったのですが、順調だった7km以降にリズムが悪くなってしまい、決して満足のいく結果とはなりませんでした。もっとできると思ったのが率直な感想です。チームとしてもシードを狙える力はありましたが、ズルズルと下の方で戦ってしまい、物足りない結果に終わりました。

箱根駅伝のメンバーに選ばれたらどんな走りをしたいですか?

箱根は中学ぐらいまではあまりしっかり見ていなくて、大学に入ってから出場を目指して頑張りたいと思うようになりました。単独で走る方が得意なので、復路の8区、9区、10区あたりで、一人でも順位を落とさないとか、落ちてくる人を抜くというような走りをしたいと思います。


「憧れの5区」出走も視野に 最初で最後の箱根路に強い思い

杉本将太 選手(体育学部競技スポーツ学科4年次生・付属市原望洋高校出身)
前回の箱根駅伝を終えて、最終学年はどのようなシーズンにしたいと考えていましたか?

前回の箱根は5区のリザーブで、後輩の吉田響が走っているのを見て悔しい気持ちもありましたが、「あそこまで走られたら仕方ない」と納得できる結果を出してくれた一方、自分もこの舞台で走りたいという気持ちが強くなりました。最終学年になるシーズンは、大学に入ったころからの夢だった箱根5区を狙いつつ、平地でも勝負できる選手を目指していこうと、自分が力を入れている3000m障害を含め、全日本大学駅伝と箱根の予選と本戦に出られるようにやっていこうと思っていました。

6月の全日本大学駅伝選考会(1組12位)や夏合宿の自己評価はいかがですか?

選考会は、できれば吉田と〝ワン・ツー〟で終わりたかったので、自分の思い描いていた走りはできませんでしたが、合格点ギリギリという感じです。夏合宿はチームで一番距離を踏めました。8月の走行距離はたぶんチームで自分が一番走っているので、駅伝シーズンに向けた準備はしっかりできていたと思います。

10月の箱根駅伝予選会(1時間5分59秒/236位)を経て、上尾シティハーフマラソンでは1時間3分19秒と自己記録を塗り替えました。

予選会は、それまで練習をパーフェクトにこなせていて、なおかつプラス要素もできていたのですが、最後のポイント練習だった16kmの変化走についていけなかったため「自信過剰だった」と少し不安に感じてしまったことが結果に出たと感じています。上尾ハーフは全日本を走れなかった悔しさを糧にしてチーム1位になれたと思います。

もともと箱根駅伝に対する特別な思いがあったのですか?

自分はトラックより駅伝で活躍したいと思って東海大に入り、体がそれほど大きくないにもかかわらず力強く箱根の5区を上っていた西田壮志さん(体育学部卒・トヨタ自動車)の走りに憧れました。最後となる箱根では、一番の希望は5区ですが、任された区間で頑張りたいと思います。


関東インカレハーフマラソン4位 全日本大学駅伝後も好調を維持

竹村拓真選手(情報理工学部情報科学科4年次生・秋田工業高校出身)

大学最終年度を迎えた今季はどのような目標を持っていましたか?

まずは5月の関東インカレハーフマラソンでしっかり結果を残したいと考えました。スタミナをつけるための走り込みと合わせて、トラックでのスピード強化にも取り組みました。その結果、4位に入賞できて、大学に進学してから着実に力がついていることを実感しました。

夏合宿はどのように過ごしましたか?

8月に少し故障があり、走れない時期もありました。自分でも不安はあったので、箱根駅伝予選会は出場せず、全日本大学駅伝に合わせてトレーニングを続けました。

全日本大学駅伝では2年連続でアンカーの8区を任されました。

チームの目標であるシード権は獲得できませんでしたが、個人的には昨年度より1分以上タイムを縮められたので、自信にもなりました。9月からしっかり練習を積めたことが要因だと思います。全日本後も継続的に走り込めていて、11月27日の丹沢マラソン(20km)では1時間3分43秒で優勝もできました。練習の一環で出場したため、事前に決めていたタイムを刻みながら走った結果ですが、プラン通り走れたのは箱根に向けて好材料だととらえています。

最後の箱根駅伝では主要区間での好走も期待されます。どのような走りをしたいですか?

どの区間を任されたとしてもチームの代表としての意識を持って臨みたいと考えています。これまでお世話になった人たちに喜んでもらえる、恩返しにつながる走りをしてチームを勢いづけたいと思います。


前回大会は花の2区に出走 「区間賞を目指すのは当然。チーム皆で頑張りたい」

松崎咲人 選手(体育学部競技スポーツ学科4年次生・佐久長聖高校出身)
箱根駅伝は1年次生から出場し、前回は2区を担いました。最終学年の今季はどのように過ごしてきましたか?

今季は1万mで自己ベスト(28分39秒46)を更新することと、箱根での区間賞を目標に掲げて練習に取り組んできました。ただ、5月の関東インカレで足を疲労骨折してしまい、夏合宿は参加できませんでした。その後、箱根駅伝予選会、全日本大学駅伝と少しずつ調子を上げてきたという状態です。

けがで苦しい時期は、どんなことを支えに乗り越えてきましたか?

気持ちとかではなく、そのときできること、やらなければいけないことをやってきました。水泳やバイクなど心肺機能を鍛えるトレーニングに取り組んでいました。7月に教育実習で高校に行った時に、恩師の先生から「じっくりやっていくように」と言っていただいたこともあり、焦ることなくトレーニングを積んできました。

箱根駅伝予選会(1時間4分01秒/49位)と全日本大学駅伝(7区11位)を振り返ると?

予選会は自分でペースを決めて設定どおりに走った結果なので、特に思うことはありませんが、チームとしては9位通過と苦しい結果でした。それが今の実力だと認識して箱根に向けて頑張っていくしかないなと思います。全日本は他大学のエースと言われる選手たちと走ったことで、自分の力不足を再確認しました。

チームとしても箱根駅伝で松崎選手にかかる期待は大きいと思います。

それはあると思いますが、誰か一人に頼るようなチームではありません。今年度のスローガンも「ワンチーム」としているので、一人ひとりが頑張っていくのが今のチームのスタイルです。自分がどの区間で出ても区間賞を目指して頑張るのは当然として、皆で頑張っていきたいという気持ちを強く持っています。


1年間の故障からエースが復活 「自分の区間で貯金をつくる」

石原翔太郎選手(体育学部競技スポーツ学科3年次生・倉敷高校)

股関節のけがで昨年度は戦列を離れましたが、今年度は全日本大学駅伝3区で区間賞を獲得する活躍を見せるなど復活を遂げました。

10月の箱根駅伝予選会では、前半は個人トップといいペースでレースを進めることができましたが、力不足や脱水症状もあり、後半は体力が持ちませんでした。そこから約3週間後の全日本に向けて、レース本番で失敗しないように距離を踏み、スピードも意識して練習を積みました。1年時の箱根以来、約2年ぶりの駅伝だったのでとても緊張しましたし、区間賞を獲得できたうれしさはありましたが、やはりスタミナやスピードはまだまだ。箱根に向けた課題として、さらに頑張ろうと思いました。

その後、八王子ロングディスタンスでは28分13秒78で1万mのセカンドベストを更新しました

27分台が出ればいいなと考えて臨んだレースで、前半はいいペースで走れました。疲労もあり、調子はあまりよくありませんでしたが、最低でもあれぐらいのペースで走れるとは感じていました。箱根は距離が長くなるので、とにかくスタミナが必要。まだハーフの距離には慣れていないので、しっかりとした走り込みが大事だと感じています。

箱根駅伝に向けてチーム、個人の目標を教えてください

チームとしてはまだシード権が取れるかどうかギリギリのラインなので、残りの期間でしっかり力をつけなければいけないと考えています。シード権は必ず取って、予選会には回らないチームになりたい。個人としては残り少ない練習をしっかりこなして、納得のいく内容を積んでいければ区間賞は見えてくると思います。他大学の選手には負けたくないので、たとえ留学生がいる区間だとしても、自分が任されたところで貯金をつくりたいと思います。


充実の夏合宿を経てスタミナも強化 母校初の箱根路出走ランナーを目指す

折口雄紀 選手(体育学部体育学科3年次生・智辯学園和歌山高校出身)
大学3年目のシーズンは、どのような目標を立てて始め、実際はいかがでしたか?

箱根駅伝のメンバー入りを目指して頑張ろうとスタートしました。4月に貧血気味になって1カ月弱走れない時期もありましたが、6月ぐらいから回復して、夏合宿は全てのメニューをこなせました。練習メニューにプラスして走ることもできたので、100%以上の内容だったと思います。そこからまた本格的に距離を踏んで、メンバー入りを目指しています。

和歌山・智辯和歌山高時代にインターハイや全国高校駅伝にも出場していますが、それらも含めて、ここまでで一番と言える会心のレースは?

最近で言うと、1時間3分38で走った11月の上尾シティハーフマラソンです。目標としては1時間3分台だったので、監督から「1km3分ペースで押していこう」と言われていた通りの走りができました。箱根駅伝予選会でチームが9位だったことで、僕が頑張らないといけないという気持ちもありました。1、2年次生のころは長い距離が苦手でしたが、今年に入って前向きに取り組んできたことで、長距離の適正がついた感じで、自信になりました。

箱根駅伝では、どのような走りをしたいですか?

単独走でも速いペースで押していけるのが自分の武器なので、往路かスピードの生かせる6区を走ってみたい。往路は強い選手が集まりますが、駒澤大学や青山学院大学など力のあるチームに、1つでも勝てたらうれしい。自分は智辯和歌山高陸上部の1期生で、まだ箱根駅伝を走った高校の卒業生はいません。第1号になるのは大きな目標ですし、不甲斐ない走りはできないという強い思いも持っています。


「自分がしっかりやる」 強い気持ちで区間上位を目指す

神薗竜馬選手(健康学部健康マネジメント学科3年次生・鹿児島実業高校)

ここまでのシーズンを振り返っていかがでしょうか。

今シーズンは箱根駅伝予選会、全日本大学駅伝と出場したかったレースのメンバーに入れず、悔しさを感じています。夏合宿では例年にないほどの走り込みをして、大学に入って初めて月間1000kmを走破しました。しかしその反動もあって秋以降は調子が上がらず、予選会前の練習では集団から離れてしまうなどうまく走れず、レースに向けて調子を合わせられませんでした。チームとしての結果もあまりいいとは言えず、“自分が走れていれば”と歯がゆい気持ちもありました。

箱根駅伝に向けて、調子は上がってきていますか?

10月、11月と記録会で1万mのレースを2本走って、連続して28分台の記録を残せました。今年度に入ってからスピード練習を本格的に取り入れるなど、自分がやりたいと思う練習ができていて、今は調子も上向いています。最近の箱根に向けたポイント練習では、余裕を持って走り、集団を引っ張れています。故障で戦列を離れている4年次生もいるので、来年度も見据えて自分がしっかりと引っ張っていければと考えています。

箱根駅伝ではどの区間を走りたいですか?

昨年度は3区を任せてもらったにもかかわらず、区間15位とふがいない走りをしてしまいました。今年度もできることなら往路を走り、区間上位の結果を残したい。同級生の石原翔太郎もけがから復帰し、5区・6区の特殊区間を走れる選手もそろっていますが、彼らに頼りすぎることなく、全員が「自分がしっかりやるんだ」という強い気持ちを持って臨みたいと思います。


けがから挫折を経験するも励ましを力に成長遂げる 「先輩の借りを返したい」

丸山真孝 選手(体育学部競技スポーツ学科3年次生・中越高校出身)
この1年間はどのように過ごしてきましたか?

昨年度は箱根駅伝のメンバー入りを狙っていた中で、12月上旬にシンスプリントと疲労骨折をしてしまい、出走できずとても落ち込みました。年明けから練習を再開できましたが、またけがをしてしまい、夏前にようやく練習できるようになって、自分としては箱根を走ることに重点を置いて練習を重ねてきました。

故障が長引いて苦しい時期は、どのようなことを支えにしてきましたか?

特に5月や6月は走りたいけど走れないといういちばん苦しい時期で、「もう辞めてもいいかな」という気持ちもよぎることはありましが、高校時代の先輩や卒業した大学の先輩方に相談すると、「もう少し頑張ろう」「続けよう」と言っていただき、「今年は頑張ってみよう」と切り替えることができました。「お前がやり切ったと思うなら辞めてもいいんじゃないか」と言われたら、辞めていたかもしれません。

10月には10000mで29分03秒81の自己ベスト。夏以降は調子が上がっていったのでしょうか?

1、2年次生の夏合宿はけがや体調不良で完全消化できませんでしたが、今年度はしっかり長い距離を意識したトレーニングができたので自信になりました。10月の1万mに関しては、その1週間ぐらい前から調子が悪く、29分10~20秒ぐらいで走れればと思っていたので、自分でも驚きの自己ベストでした。

もともと箱根駅伝への特別な思いがあったのですか? また、箱根ではどのような走りをしたいですか?

ずっとテレビで見ていて、自分も走ってみたいと思っていました。大学に来て、1、2年次生の箱根駅伝では沿道で走路員を務め、自分の背中を選手が走っていく時間がいやで、自分も走る側に行きたいと強く思っていました。本戦では10区を走りたい。前回10区の吉冨裕太さん(体育学部卒・西鉄)は一緒に練習する機会が多く、お世話になりました。苦しい走りになってしまった先輩の借りを返したい。


「陸上人生でもっとも辛い期間」を乗り越え 箱根路での再起を誓う

梶谷優斗選手(体育学部競技スポーツ学科2年次生・滋賀学園高校)

6月の全日本大学駅伝予選会では各大学のエースが集う最終組で日本人3着に入るなど好走しました。春先のトラックシーズンを振り返っていかがでしたか?

今シーズンは、「チームの主軸として結果を残す」と目標を決めてスタートし、これまで以上に貪欲に走り込んできました。全日本予選には東洋大学や創価大学など強豪校も出場していましたが、まずまずの走りでチームに貢献する走りができたと思います。一方で、日本人トップになれなかったのは自分の甘さや弱さの表れであり、さらに力をつけたいと思うようにもなりました。

好調を維持する中で、9月の日本インカレ1万mでは途中棄権となりました。

夏合宿後の日本インカレでは、レース直前の調整がうまくいかず途中棄権をしてしまいました。以降は調子が上がらない日々が続いて……。少しコンディションが上向いて臨んだ全日本では2区を任されながら、区間18位とチームに迷惑をかけてしまいました。自分の走りでシード権を逃してしまい、チームメートや応援してくださる皆さんに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。9月からの3カ月間は陸上人生でもっともつらく、結果が残せなかった時期だったように感じています。

不調から脱却するべく今はどのような思いでトレーニングをしていますか?

全日本後に両角監督から、「落ち込んでいても仕方ない。前を向いて次のレースでの好走を目指そう」とアドバイスを受けました。全日本については悔やんでも悔やみきれませんが、あえて前向きにとらえるのであれば、全日本で各大学のエースと同じ区間を走り、自分の力不足や取り組みの甘さを痛感することができました。時間はかかりましたが、この経験を無駄にせず箱根駅伝でチームに恩返しをしたいと思えるようにもなってきました。

リベンジの舞台となる箱根駅伝ではどのような走りをしたいですか?

箱根で区間賞を獲ることは、大学時代の目標の一つです。そのために、残された期間で悔いのない練習をして臨みたい。各区間20km前後と距離が長いので、スタミナをつけることがいちばんの目標。また、レース中に何よりも重要になるのは精神力だと考えているので、ハイペースな展開になってもしっかりと粘り強く走りたい。箱根は多くの人に注目され、今後の競技人生を左右する舞台。全日本での悔しさを晴らすべく、精いっぱい走ります。


前回の箱根路で7区区間3位 「最善の努力をして当日を迎える」

越陽汰選手(体育学部競技スポーツ学科3年次生・佐久長聖高校出身)

ここまでを振り返ってどのようなシーズンでしたか?

前回の箱根駅伝では7区で区間3位とまずまずの走りができました。その後は2月の全日本実業団ハーフマラソン大会などにも出場して好タイムを狙ったのですが、納得いくコンディションで臨めず、目標は達成できませんでした。そこからは練習は積めるものの、結果につながらないもどかしい期間が続きました。9月の夏合宿中には、起床時にめまいを感じ、病院で精密検査をしたところ前庭神経炎であることが分かりました。しばらく症状が続き、実家に帰って静養する時期もありました。昨年度はけがで夏合宿に参加できず、「今年こそは1年間練習を継続して力をつけたい」と走り続けていた矢先のできごとで、結果を残したいという焦りや病気に向き合う不安からとても落ち込みました。

チームの戦いはどのように見ていましたか?

箱根駅伝予選会や全日本大学駅伝はチームとして納得いく結果ではなかったと思います。自分が走れていたら結果が好転する場面もあったのではないかと感じました。今は医師の先生から許可もいただいて、練習を再開しています。両角監督からは「体を第一に、無理をしないように」と声をかけていただているので、可能な範囲でトレーニングに取り組んでいます。

箱根駅伝に向けて今の思いを教えてください。

今後のコンディションがどうなるのか不透明な状況でもありますが、あきらめずに調整を続けていきます。12月の直前合宿ではチーム全体の練習メニューを消化できていますし、いつ起用が決まってもいいように最善の努力を重ねて、箱根当日を迎えます。


同級生の活躍に刺激を受け、さらなる飛躍を目指す

水野龍志 選手(体育学部競技スポーツ学科2年次生・小林高校出身)
昨年はルーキーながら出雲駅伝(4区10位)に出場しました。2年目の今年度はどのような目標を持って取り組んできましたか?

昨年度の出雲では力不足を感じる結果となりました。今年度は駅伝の出場を目指しつつ、1万mの28分台なども目標にスタートしました。しかし、シーズン前半は過去最低の調子というくらい思うように走れず、7月の関東学生網走夏季記録挑戦競技会1万mで自己ベスト(29分02秒44)は出せたものの、今度は左ひざを故障してしまい、7月後半から1カ月ほど走れませんでした。

焦りや不安などもあったかと思いますが、どのように乗り越えましたか?

このままではいけないという思いもありましたが、両角先生と相談しながら目の前の練習に取り組んできました。夏合宿には帯同したので、筋力トレーニングにも取り組みつつ、ポイント練習では補助を務めていました。8月下旬から練習には本格的に復帰でき、9月以降は1万mで自己ベストに近いタイムで走れていました。今は練習もしっかりできていて、本番が近づくにつれて「頑張るぞ」という気持ちになってきています。

前回の箱根駅伝は出場こそかないませんでしたが、16人のメンバー入りを果たし、何か得るものはありましたか?

走れなくて悔しいという思いと、メンバーとして一緒にやった練習を通して、走った人たちとはまだ差があるなと感じました。同じ学年の吉田響や越陽汰が出場して、2人とも区間上位の活躍だったのを見て、僕も頑張りたいと刺激をもらいました。自分の武器は大きなミスをしないことです。箱根駅伝では集団走が得意な面を生かして区間上位で走れればと思っています。


粘り強さと安定感が武器の新星が大学駅伝デビューを目指す

竹割真 選手(文化社会学部広報メディア学科1年次生・九州学院高校出身)
九州学院高では2年連続で全国高校駅伝に出場し、好成績を残してきました。東海大学を進学先に選んだ理由を教えてください。

2018年度大会での東海大学の総合優勝を見て、自分もここに入って箱根に挑戦してみたいという気持ちは持っていました。高校時代に比べて練習量は増え、質も上がっています。また、高校よりも内容を自分で考えて調節するなど自由度が高いので、自分でしっかり考えてやらないといけないという思いで取り組んでいます。自分はけがをしにくいことが強みなので、練習で走る距離が延びることは問題ありません。ここまでもしっかりと距離を踏めています。

箱根駅伝エントリーメンバー選出で大きなカギを握る11月の上尾シティハーフマラソンでは63分台で走り、チーム3番目の成績を残しました。

同級生がほかの大会なので活躍することもあり、ライバル意識をもって競技に向き合ってきました。自分は春の入学直後からけがなく、夏合宿でも満足いく練習量を積めていたので、その成果がやっと出せたという思いです。

いよいよ初めての箱根駅伝が近づいています。竹割選手にとって箱根駅伝とはどのような存在でしょうか? また、出場できた場合の目標を教えてください。

自分の持ち味はレースでの粘り強さと、狙いをはずさない安定感。高校時代から駅伝で大きな失敗をしたことはないので、その面についての自信はあります。箱根駅伝は起伏あるコースが特徴ですが、苦手意識はありません。任された区間で5番以内に入り、チームの目標であるシード権獲得に貢献したい。箱根で痛烈な大学駅伝デビューができればうれしいです。


力のある先輩と切磋琢磨し 目標の箱根路デビューへ日々前進

中井陸人 選手(文学部歴史学科1年次生・倉敷高校出身)
倉敷高で全国高校駅伝に出場するなどで活躍した後、どのような目標を持って東海大学に入学しましたか?

中学校から陸上競技を始めましたが、箱根駅伝で活躍することが陸上人生最大の目標です。東海大に進んだのは高校の先生の勧めもありましたが、倉敷高出身の石原翔太郎先輩に憧れていたのと、昨年度の駅伝主将だった本間敬太さん(体育学部卒)が同じ中学校というつながりもありました。箱根では、できれば1年目から走りたいと思ってこれまでやってきました。

実際に大学で練習するようになって、レベルの高さなどを感じましたか?

強い先輩や同級生がたくさんいて、そのような環境で練習できることが自分を日々成長させてくれています。トラックシーズンは思うような結果が出ませんでしたが、夏合宿でトップチームの練習をしっかりこなせて、「自分も勝負できる」という手応えをつかむことができました。

自分の強みはどんな部分ですか?

先輩たちにも挑戦して食らいついていけるところが自分の強みかなと思っています。今後は結果を残すことでそれを証明していきたいです。距離的には短いよりは長い距離の方が得意。でも、箱根駅伝予選会後に調子を落としてしまい、練習できない日もあって、初めてのハーフマラソンとなった上尾シティハーフマラソンは1時間4分17秒でしたが、タイムはもっと出せるという感覚があります。

箱根を走るチャンスがあれば、どのような走りをしたいですか?

大学在学中には往路を走れる強い選手になりたい。今回チャンスがあれば、チームに貢献する走りをするのは大前提で、ずっと目標だった箱根を楽しみたいですね。同級生のメンバーとは、自分たちが4年次生になった時には総合優勝しようと話しています。


即戦力ルーキーが箱根路でも活躍誓う

花岡寿哉 選手(情報理工学部情報科学科1年次生・上田西高校出身)

どのような魅力を感じて東海大学を進学先に決めましたか?

自分がはじめてみた大学駅伝が2018年度の箱根駅伝。東海大が初優勝したレースでした。その印象が強く、高校3年間あこがれてきました。大学進学後は、練習内容を自分たちで考えていくことが多いので、足りないところを補おうと練習に臨んでいます。大学入学前に右足の腸脛靭帯を故障し、回復には少し時間がかかり、もどかしい思いもありました。練習に復帰できたのは8月の夏合宿前で、練習に加われるようになってからは徐々に走れるようになり、ハードな内容でも集団の前で走れて、距離も自分の中では踏めていたと思います。最初はきついこともありましたが、早めに慣れて対応できました。

その後は、9月の日本インカレ男子1万mで6位入賞、全日本大学駅伝では1区を任されるなど活躍につながりましたね。

日本インカレでは正直に言って、あそこまで戦えると思っていませんでしたが、大学トップ選手がそろう中で6位は自信につながりました。終始いい位置でレースを進められて、序盤にペースをつくって、粘り切るという自分の好きな展開にうまくはまりました。全日本では、単独で走るより周囲にほかの選手がいる1区の方が自分に向いていると思っているので、いい位置でつないでチームに貢献したいと考えていました。終盤、青山学院大学の選手が集団から飛び出したときに、反応はできていたのに付いていく判断ができず、その自信がなかったことを悔しく感じています。

初めての箱根駅伝に向けて、レースのイメージはできていますか? 目標も教えてください。

ハーフマラソンの経験がなく、20km以上の距離を走る不安はありますが、合宿や日々の練習を通して、少しでもその不安をなくしてレースに挑みたいと考えています。箱根駅伝での区間賞獲得は大学4年間を通じての大きな目標。チャレンジャーの立場ですが、チームの流れをつくる大事な区間を走れれば、全日本の反省を生かして集団の中で力を出し、最後は勝ち切れるようにしたいですね。本番に向けて調子を上げていきます。

主務あいさつ

主務として選手たちをサポート 「選手には気持ちで負けてほしくない」

千原蓮也主務(理学部情報数理学科4年次生・綾部高校出身)

主務として今年度のチームをどのように見ていますか?

箱根駅伝で総合10位までに与えられるシード権の獲得を目指す中で、大学駅伝界を代表する力を持つ石原翔太郎の存在は大きな武器になると思います。また、6区には一昨年度区間5位、昨年度区間6位に入った川上勇士が準備しているので、キーマンになるのではないかと考えています。ほかにも1万mで28分台の自己ベストを持つランナーが多く、実力を発揮できれば目標達成に近づくと信じています。

ここまでのシーズンを振り返ってください。

箱根駅伝予選会では、レース前から「無理をして上位通過を目指すのではなく、安全にミスなく本戦出場権を獲得しよう」と目標を立てていたので、チームとして最低限の走りはできたと考えています。ただ、総合9位での通過の裏にはスタミナ不足などの課題もありましたので、宇留田竜希駅伝主将のもと、選手一人ひとりが意識や考えをあらためるきっかけになりました。予選会から2週間後の全日本大学駅伝では総合10位で、目標のシード権には手が届きませんでした。序盤の出遅れが響いてしまい、前半区間から流れに乗ることの大切さを痛感しました。箱根では、選手一人ひとりがミスをすることなく、粘り強くタスキをつなぐ必要があると思います。

千原主務にとっては最後の箱根駅伝になりますが、どのような思いで臨みますか?

東海大学に進学するまではマネジャーとして活動したことがなかったので、振り返ると初めは右も左も分からない状態でした。先生や先輩方、選手たちに支えてもらいながら、4年次生では主務を務めましたが、選手の活躍が何よりの励みになっています。箱根は、努力を惜しまなかった選手だけが走れる舞台であり、どの選手も強い思いや高い目標を持ってスタートラインに立ちます。東海大の選手たちには、他大学の選手たちに気持ちで負けてほしくありません。これま過ごしてきた努力の日々を思い出しながら、箱根路を駆け抜けてもらいたい。自分も当日まで全力でサポートしていきます。

応援ポイント
応援について

●往路(1月2日)
 7:30頃【東京地区】第一生命日比谷ファースト前
 8:00頃【大森地区】大森橋交差点付近 第一京浜沿道
 8:30頃【川崎地区】旧川崎警察署前
 9:25頃【戸塚上矢部町地区】横浜新道 戸塚出口付近
 10:00頃【藤沢地区】藤沢警察署前
 10:30頃【平塚地区】湘南大橋西岸付近
 11:30頃【小田原地区】ローソン小田原浜町店前
 12:30頃【箱根地区】元箱根交差点付近(Hakone 30 café)

●復路(1月3日)
 7:00頃【箱根地区】元箱根交差点付近(Hakone 30 café)
 9:30頃【平塚地区】湘南大橋西岸付近
 10:00頃【藤沢地区】藤沢警察署前
 12:00頃【川崎地区】旧川崎警察署前
 12:00頃【日本橋地区】日本橋南郵便局前
 12:00頃【日比谷地区】日比谷交番付近
 12:00頃【高輪地区】泉岳寺駅付近 第一京浜沿道
 12:00頃【東京地区】大手町プレイス横

特別応援ポイント

※時間は例年を目安にしております。天候やレース展開によっては通過時間が前後する場合がございます。
※交通規制・沿道での応援に関するお知らせはこちらをご覧ください。