海洋理工学科の横山由香助教が「海底に記録される地震・津波の記録」をテーマに講演しました

海洋学部海洋理工学科の横山由香助教が、9月21日に静岡県地震防災センターで開催された「ふじのくに災学講座」で講演しました。静岡県では、県内の国公私立大学(静岡大学、浜松医科大学、静岡県立大学、静岡文化芸術大学、常葉大学、東海大学)と県教育委員会などによる「しずおか防災コンソーシアム」を形成しており、本講座はこのコンソーシアムが実施する防災に関する啓蒙活動の一環として県内各地で定期的に開かれています。

横山助教は「海底に記録される地震・津波の記録」をテーマに、まず20世紀以降に国内で発生した大きな自然災害を一覧で紹介。2011年に発生した東日本大震災について、発生のメカニズムや多くの地質学調査の結果を図解で示し、「津波によって運ばれ堆積した津波堆積物は砂から巨大な岩塊まで多様であり、それらの分布を調べることで災害の規模や頻度などを知ることができます」と解説。「私たちは2012年から20年にかけて、東北大学・東京大学大気海洋研究所・国立研究開発法人海洋研究開発機構が代表を務めた東北マリンサイエンス拠点形成事業『海洋生態系の調査研究』に参画し、東北沿岸地域で年に2、3回程度の調査を実施してきました。同事業が終了した21年以降も独自に調査を続けています」と語り、「海底の地質記録をもとに、現在から過去にかけての災害記録を読み解くことで、地域ごとに異なる災害史が明らかになります。近年では、地震や津波に限らず、大雨や台風などによる洪水災害も発生しています。これらについても、海底への影響を調べることが今後の重要な課題になると考えています」と話しました。