健康科学部社会福祉学科の阿部正昭准教授が東海大学の2013年度 Teaching Award優秀賞を受賞し、4月1日に湘南キャンパスで受賞式が行われました。本学では2002年度から学生による「授業についてのアンケート」に基づい て、優れた授業を実践している教員を顕彰するTeaching Awardを実施しています。大学教育の質的向上を目指し、教員の授業に対する努力を評価するもので、2013年度は全国のキャンパスから合計5名の教員 に優秀賞を授与しました。
阿部准教授は今回が初受賞。専門分野は介護福祉で、「介護概論」「生活支援技術」などの科目を担当しています。授業で大切にしているのは、「説明し、手本 を示してから体験させ、振り返って考察・検討させる」という基本。最初にその日のテーマに関するワークシートを作成することで学生の関心を引き出し、その 上でグループワークを活用して自ら学びや気づきを導き出せるよう促しています。さらに、先行研究の中から多角的な視点を持った研究発表や話題となった論文 を選んで紹介し、課題を掘り下げます。また、社会福祉施設で介護職員として働いた経験を生かして、仕事を始めたばかりのころに自分が知りたかった情報や知 識、習得したかった技術を積極的に伝えることにも留意してきました。
「学生たちが緊張したり委縮したりせずに授業に参加できるような雰囲気をつくって、何でも言い合える居心地のよい教室にしたいと思っています」と阿部准教 授。「介護は相手の体に直接触れる仕事。体力的な負担だけでなく精神的なストレスもかかり、大きな責任や命の重さに耐えていくための精神力も必要です。技 術を教えるだけでなくメンタル面のサポートも大切なので、80人が出席するクラスでも一人ひとりにしっかりと向き合い、学生の声に耳を傾けることを心がけ てきました」と振り返ります。「今年で教員になって14年目になりますが、時代や環境の変化に対応して進化し続けることが求められていると感じています。 これからも教員同士が連携・協力しながら授業の質を高めるとともに、現場の介護職員のために役立つような研究をさらに深めていきたいと考えています」と今 後の抱負を語っています。