健康科学部では、6月1日に伊勢原キャンパスで教職員による「災害ボランティア実践報告会」(共催:東海大学チャレンジセンター)を開催しました。これ は、東日本大震災の被災者支援に当たった教職員から体験を聞き、災害ボランティアの活動や課題を知ることで本学科として今後の取り組みを考える機会にしよ うというものです。開始にあたり、溝口満子学部長が「未曾有の自然災害に見舞われた人々に、ヒューマンケアの担い手になる私たち健康科学部の教職員・学生 が何をできるのか。この機会に考えたい」とあいさつしました。
当日は学生や教職員など約30名が参加。社会福祉学科の妻鹿ふみ子教授、看護学科の大山太講師、三宅美智助教、教学課の林宏幸さんら4名が登壇し、被災地におけるそれぞれの支援活動の様子を報告しました。
まず大山講師が「看護師による医療活動」を報告。震災発生後間もなく個人で参加した宮城県南部地域の医療支援ニーズ調査などの活動を紹介し、「医療人とし てボランティアを提供するには、日ごろの経験とネットワーク作りが大切」と強調しました。続いて妻鹿教授が「ボランティアコーディネーターとして」をテー マに、宮城県亘理町での活動を報告。「これまでのマニュアルが通用しない今回のような複合的な災害では、長期的な視野で地域の人々主体の復興活動における ボランティア活動を考える必要がある」と話しました。
次に三宅助教が「避難所の精神ケア」と題して、いわき市の避難所で被災者の精神的なケアに当たった様子を紹介。「心のストレスが表面化してくる時期。長期 的な支援のためのシステム作りが必要」と訴えました。最後に「東海大学医療チーム」として医学部付属病院の医師や看護師とともに医療支援に当たった林さん が「災害で目にしたもの」を報告。「1チームが1週間程度継続して支援に当たれる体制づくりが今後の課題では」と感想を話しました。
最後に、チャレンジセンターで東日本大震災の被災地における生活再建のためにさまざまな支援活動を行う「3.11生活復興支援プロジェクト」に参加してい る学生が登壇。応急建設物やエネルギーなどを提供する「応急住宅チーム」として、被災者と協働で岩手県大船渡市三陸町越喜来泊地区に応急公民館を建設した 様子を報告しました。