専門分野横断型の連携で研究力の向上を目指す「異分野融合研究プログラム“研究の峰”オープン・フォーラム」を、6月17日に湘南キャンパス17号館ネクサスホールで開催しました。この研究の峰形成は、18学部77学科専攻を開設している総合大学の強みを生かし、理工系や文系、医学系など幅広い分野の研究者による共同研究を促進して大学全体の研究力の底上げを図るとともに、世界をリードする研究成果の社会に向けた発信を目指すものです。今回のオープニングフォーラムは湘南キャンパスから全国7キャンパスにも配信され、教職員や学生約130名が出席しました。
開会のあいさつに立った吉田一也副学長(研究担当・工学部精密工学科教授)は、「大きな研究成果を得るためには、学問分野をこえた連携による研究活動が大変重要になってきています。本学ではこれまでにも個々の分野で優れた成果を残しておりますが、今後は文系・理系を問わず、各教員の持つ研究力を融合させ、先進研究を生み出す体制を大学一丸となって整備していきたい」と語っています。
フォーラムでは、本学における学際型の共同研究として先端的な取り組みであるマイクロ・ナノ研究開発センターについて、理学部物理学科の喜多理王教授が紹介。文部科学省の平成26年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の採択を受けて、今年1月に開設されるまでの経緯をはじめ、理学部、工学部、医学部の若手教員の連携によって進んでいるプロジェクトの概要と現在の活動、異分野融合型のプロジェクトを実現するためのポイントについて語りました。次に糖鎖科学研究所の平山令明所長が、現在検討が進んでいる先進生命科学研究所(仮称)の構想を紹介。生命科学の分野で画期的な成果の一つであるDNAの発見が3名の研究者の融合によって実現したことに触れ、理学部、工学部、医学部、農学部、海洋学部を持つ日本唯一の大学である本学の強みを生かして、研究者同士をつなげるハブとして機能する研究所の計画について語りました。最後に、研究推進部長の山口滋教授(理学部物理学科)が、本プログラムの今後の展開や運営体制、研究テーマ設定にあたっての全体の指針を説明しました。
講演後の質疑応答では、より効率よく研究を進めるためのアイデアや若手研究者のモチベーションを上げるための方策など、研究力向上に関する活発な意見交換が行われました。