イルカの泳ぎ方をテーマに学生が国際学会で研究成果を発表しました

6月30日から7月3日までチェコ・プラハで開かれた国際会議「The 2015 Annual Main Meeting of the Society of Experimental Biology (SEB Plague 2015)」で、工学部動力機械工学科4年次生の奈良祥太朗さんと航空宇宙学科航空宇宙学専攻4年次生の三宅真亜子さんが研究成果を発表しました。

奈良さんと三宅さんは、生物のさまざまな動きを工学に生かすバイオミメティクスが専門の稲田喜信教授(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻)が中心となって進めている研究プロジェクト「イルカから学ぶ抵抗・騒音低減技術~流体力学と生物学の接点~」に参加しています。この研究は、昨年度から学校法人東海大学総合研究機構の公募型研究助成「プロジェクト研究」の採択を受けて進めているもので、イルカの親子が一緒に泳ぐ際に、親が子どもの斜め前に位置することで泳ぎの上手くない子どもが楽に水中で行動できるようにする「抱っこ泳ぎ」の謎を科学的に解明し、乗り物のデザインなどに役立てることを目指しています。今回の学会では、三宅さんが2つの流線型の物体を使った風洞実験で最適な位置関係を調べた成果をオーラルセッションで発表。奈良さんは、CFDというソフトウェアを用いて物体の周囲の水の流れをシミュレーションして実験の信頼性を確保するとともに、流れの状態の解明を目指した成果をポスターセッションで発表しました。

学会ではまず、三宅さんが15分間のプレゼンを行った後、ポスターセッションで奈良さんが発表。2名の発表には工学だけでなく生物学の研究者からも関心を集め、数多くの質問が寄せられていました。奈良さんは、「ブースを訪れた何人もの研究者から、“この研究について聞きたいと思っていたんだ”といわれるなど、世界的にも関心の高いテーマなのだと実感できました。質問では詳しい解説を求められる場面も多く、海外の学会ではより高い説明能力が必要になることを痛感しました。また、どの研究者も特定の分野だけでなく、幅広く深い見識を持っており、今後の研究に向けたヒントを得るとともにあるべき研究者像を考える機会にもなりました」と話しています。一方の三宅さんは、「英語での発表準備をしていきましたが、語学力だけでなく、プレゼンテーション能力の点でもまだまだ力不足だと痛感しました。一方で、今後学会発表する際にフィードバックできる経験を数多く積むことができたとも感じています。現状に満足せず、もっと高いレベルを目指そうと思います」と話しています。

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