湘南キャンパスで7月26日に、「博物館プロジェクト 洗って・触って・メンテナンス 第2弾 彫刻を触る★体験ツアー」を開催しました。このイベントは、本学が展開する「To-Collaboプログラム※」の一環として、大学の博物館が本学所蔵のコレクションを活用してさまざまな形で地域に貢献することを目指した博物館プロジェクトが行ったものです。当日は、彫刻の保存修復や日本近代彫刻史を研究している篠崎未来氏を講師に、キャンパス内にある屋外彫刻(ブロンズ像)の洗浄とメンテナンスを実施。本学課程資格教育センターが開講する学芸員課程の学生ら約10名が参加しました。
今回のメンテナンスの対象は、本学の創立者・松前重義博士の胸像(松前記念館前)、湘南キャンパスの設計に携わった建築家・山田守氏の胸像(3号館前)、星を仰ぐ青年の像(総合体育館横)の3つで、いずれも近代を代表する彫刻家の作品。参加者は篠崎氏からブロンズの特長や補修が必要な理由などの説明を受けて作業を開始。彫像の色や傷などを点検した後、ブラシを使って汚れを落とし、ミツロウのワックスを塗布して磨く工程を一体ずつ丁寧に行いました。
学生たちは、「ブロンズ像に触れたのは初めて。見ているだけではわからない質感や重量感を感じることができました」「作品に残っているヘラや指のあとがよくわかりました。それらをなぞっていると、作家の作品に対する思いが伝わってくるようでした」などと感想を話していました。博物館プロジェクトを推進している本センター博物館学研究室の篠原聰准教授は、「作品を間近に見て手で触るメンテナンス作業は、普段はできない方法で彫刻を楽しむ絶好の機会。今後も、手で触ることによって作品や資料をより深く知って楽しんでもらえる“ハンズ・オン”の取り組みを、さまざまな形で展開していきたい」と語っています。
※「To-Collabo(トコラボ)プログラム」
文部科学省の平成25年度「地(知)の拠点整備事業」に採択されたプロジェクト。全国にキャンパスを有する本学ならではの「全国連動型地域連携活動」を柱に、地域特有の問題や共通課題を各校舎の各部、学生、研究者が共有し協力して解決策を見いだす取り組みです。