第52回公開セミナーLet’s不思議!「抗加齢と健康科学 キチン・キトサンのパワー」を開催しました

九州キャンパス(熊本、阿蘇両キャンパス)が熊本日日新聞社と共催している第52回公開セミナーLet’s不思議!「抗加齢と健康科学 キチン・キトサンのパワー」を8月22日に、熊本キャンパスで開催しました。今回は8月20、21の両日に本キャンパスでエビやカニ、キノコなど多くの生物に含まれている天然の素材である「キチン」や「キトサン」に関する研究者が集う「第29回日本キチン・キトサン学会大会」が開かれたことを受けて、同学会との共催となっており、医学部の石井直明教授(大学院医学研究科ライフケアセンター長)と順天堂大学医学部の長岡功教授が講演しました。

約200名が集ったセミナーではまず、「食が支える健康」をテーマに石井教授が登壇。がんや心臓病、脳血管病の三大原因や体のメカニズムについて紹介し、「元気と健康は違うものです。肥満や糖尿病、高血圧など生活習慣病を持っていても元気にふるまう、もしくはそのように見える人はいますが、寿命をまっとうすることは難しいでしょう。『元気』で『健康』な体をつくることが大事です」と強調。過食によるカロリー過剰や塩分と糖分の過剰摂取、野菜摂取の減少と野菜自体の質の低下によるビタミン・ミネラル不足など健康を阻害する要因や、その結果体内につくられる活性酸素の影響について解説しました。その上で、「食べ過ぎに注意し、塩分や脂肪、糖類を控え、細胞の健康に必要な栄養素を過不足なく摂る習慣をつけ、病気の原因となる活性酸素を除去する能力を高めることが重要です。健康状態を把握し、自分に合った健康法を考えて実践してください」と専門であるアンチエイジングの重要性について語りました。

続いて「グルコサミンと健康―その多彩な作用―」をテーマに、長岡教授が講演。アミノ糖の一種で、軟骨保護作用を示すことから変形性関節症の予防や治療にサプリメントとして使われているグルコサミンについて紹介し、甲殻類の殻からキチンを取り出し製造されるといった過程や生体に対する作用の仕組みについて語りました。また、実際に変形膝関節症の患者に用いた場合の効果や、ラットを使った実験の様子など科学的な分析について語りました。終了後には質疑応答も行われ、「市販のグルコサミンをどのように選ぶべきか」「アンチエイジングを実践する際に、野菜の摂取はどのような調理が望ましいか」など熱心な質問が多数寄せられ、石井教授と長岡教授も丁寧に回答。来場者からは、「健康が気になる年齢なので、大変参考になった」「今回のお話の内容について、もっと詳しく知りたいと感じました」といった声が聞かれました。

熊本hp報「Let's不思議・健康」01.JPG

熊本hp報「Let's不思議・健康」02.JPG

熊本hp報「Let's不思議・健康」03.JPG

熊本hp報「Let's不思議・健康」04.JPG

熊本hp報「Let's不思議・健康」05.JPG