第20回東海大学授業研究会を開催しました

東海大学教育研究所では9月17日に、湘南キャンパスで「第20回東海大学授業研究会」を開催しました。本学の各学部や研究機関などの教員が、授業に関する工夫や取り組みを発表し、質疑応答や討論を通じて教育の質をより高めることを目的に毎年行っているものです。今回は、「アクティブ・ラーニング―学生を授業に巻き込むための工夫と実践―」をテーマに、学部学科や各教育センターの教員10名が、8件の研究について発表しました。昨年からテーマに据えているアクティブ・ラーニングは、学び続ける力をつけるとともに主体的に考える人材を育てるため、双方向型の授業を通じて学生が主体的に問題を発見し、解決策を見出す取り組みです。

発表では、文学部の小泉眞人教授が授業で学生のスマートフォンを活用した授業の成果について紹介。「多くの学生を対象とした大規模教室では、学習への集中力が低下しがちです。そこで授業中にスマホで授業を支援するウェブサービスに接続してもらい、問題に解答してもらったり、アンケートを募ったりしています。そうすることで、リアルタイムに学生の理解度を調べられ、集中力の向上にもつながります」と話しました。また、理学部の山本義郎教授と教養学部の富田誠講師は、両学部が共同で開講したコラボレーション授業の取り組みを報告。「2013年度から両学部の専門性を生かし、統計データを視覚化する“インフォグラフィック”の手法を学んできました。取り組みの中で情報の視覚化の重要性に気づき、学生から主体的な意見も出るようになりました」と振り返りました。

本研究所の平野葉一所長(副学長、文学部教授)は、「20回の節目を迎えるにあたり、継続することの重要性をあらためて感じています。昨年度から注力してきたアクティブ・ラーニングについても、2年目にしてすでに実を結んだという報告がありました。これからも、よりよい教育や授業の方法について情報を共有し、常に新しい知識を取り入れていく姿勢を持って研究会をより活発なものにしていきたい」と語りました。

授業研究会 発表テーマ(発表順)
「大規模クラスにおける学生スマホを用いた双方向型授業の活性化に関する一考察」(文学部広報メディア学科 小泉眞人教授)
「工学部教職課程履修学生に対する実践的キャリア教育プロジェクトの概要と実施状況」(工学部応用化学科 秋山泰伸教授、同生命化学科 中田宗宏教授、同原子力工学科 伊藤敦教授、同電気電子工学科 大山龍一郎教授、同精密工学科 吉田一也教授)
「応用動物科学科における主体性と実践力を育むための段階的カリキュラムとアクティブラーニングを活用した授業実践」(農学部応用動物科学科 岡本智伸教授、伊藤秀一准教授、樫村敦助教、椛田聖孝教授、河原崎達雄教授、谷峰人講師、仁木隆博教授、プラダン・ラジブ准教授、森友靖生教授、総合農学研究所 芝田猛教授)
「学部横断型のコラボレーション授業の開発―数学科と芸術学科によるデータの視覚化に関する教育手法の開発―」(理学部数学科 山本義郎教授、教養学部芸術学科 富田誠講師)
「大人数講義における授業改善の試み―質問票とグループ討論―」(総合教育センター 石原圭子教授)
「メタ認知力を高めるアクティブラーニングの取り組み」(チャレンジセンター 園田由紀子講師)
「超学際研究を通じた教育実践と教員の意識変化」(海洋学部環境社会学科 仁木将人准教授、李銀姫准教授、同海洋文明学科 小野林太郎准教授、同水産学科 松浦弘行准教授、吉川尚准教授、同航海工学科 坂上憲光准教授、総合地球環境学研究科 石川智士准教授)
「学生の英語教育学会参加による主体的学びの養成に関する一考察」(外国語教育センター 藤牧新准教授、中川浩非常勤講師)

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