熊本・阿蘇両キャンパスの学生が「第23回白川調査」を実施しました

熊本キャンパス(経営学部、基盤工学部、総合経営学部、産業工学部)と阿蘇キャンパス(農学部)の学生が合同で10月3日、毎年恒例の催しである「第23回白川調査」を実施しました。阿蘇山中から熊本市内を経て有明海に流れる全長約74kmの白川と、その支流・黒川についての河川環境調査に、今年は両キャンパスから計66名の学生が参加。12カ所に分かれて実施しました。白川調査は、両キャンパスの学生の親睦を深めるとともに、地域の資源である白川・黒川の環境啓発のために、1994年度に2回開催して以来、毎年継続しています。

昨年までは河川の水質調査を主体としてきましたが、近年増加している大雨による河川の氾濫といった自然災害に備えるため、今回から調査の内容を変更。植物と河川のかかわりから防災について考えようと、農学部応用植物学科の長野克也教授の指導のもと、地上を這う茎をもつ植物“ツルヨシ”の植生調査を初めて実施しました。

晴天に恵まれた当日は、両キャンパスで開会式を実施。熊本キャンパスでは、中嶋卓雄九州キャンパス長(学長補佐、経営学部長)が、「このイベントは両キャンパスの学生が、目的を共有して活動する伝統の行事です。調査を通じて身近な自然に触れるとともに、この機会に異なる専門を持つ仲間と積極的に交流し、互いに学びを深めあってほしい。また今回から、自然と災害の関係を考えるきっかけにしてもらおうと、主たる調査項目を水質から植生に変更しています。万全の状態で調査にあたってください」とあいさつ。続いて長野教授が、「ツルヨシは増水などがくり返す場所で育ちやすい植物です。つまり、この植物が多く自生する場所と、河川の氾濫との間に何らかの関係が見つかるのかもしれない、という仮説にもとづいて調査を行います。すぐに結論が出るものではないので、じっくりと着実にデータを蓄積するとともに、この貴重な機会を通じて身近な自然に触れ、異なるキャンパスの学生同士、積極的に交流してください」と語りました。

学生たちは担当する川沿いのポイントに5m×5mのコドラート内を、カメラで撮影してツルヨシの数と割合などを記録。1地点につき2時間ほどをかけ、5カ所にわたって調査しました。調査を取りまとめた学生会代議委員会の井尾寧花さん(農学部1年次生)は、「初参加ということもあり、阿蘇キャンパスの代議員とともに事前にポイントを下見し、ツルヨシについて調べるなど入念に準備してきました。トラブルなく終わることができてほっとしています。この成果をまとめ、発表できる場についても今後は検討してきたい」と話しました。熊本キャンパス・学生会の倉本剛志執行委員長(基盤工学部3年次生)は、「調べるうちに植物の特徴と自生する場所がだんだんとわかってきました。来年は初めて参加する学生にこの経験を伝え、より充実した調査にしていきたい」と振り返りました。

また、終了後に熊本キャンパスで行われた親睦会には、両キャンパスの学生が集まり、白川調査を振り返るとともに、お互いのキャンパスライフについての話題に花を咲かせていました。

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