第47回「全日本学生フランス語弁論大会」で学生が入賞しました

11月14日に京都外国語大学で開催された第47回「全日本学生フランス語弁論大会」(主催:京都外国語大学、後援:在日フランス大使館、毎日新聞社など)に、本学から品川彩さん(工学部生命化学科4年次生)と福岡夏海さん(教養学部国際学科4年次生)が出場しました。2人とも決勝に進出し、品川さんは第5位にあたる「毎日新聞社賞」を受賞。本学は、この大会において4年連続の入賞となりました。

この大会は47年の伝統を持ち、学生を対象とするフランス語弁論大会として唯一、全国規模のものです。出場者の多くがフランス語を専門に学ぶ学生で、高レベルの弁論大会として知られています。出場者は1校あたり2名までと制約されており、京都外国語大学、静岡文化芸術大学、白百合女子大学、成城大学、同志社大学、富山大学、南山大学、広島大学、立命館大学、東海大学の10大学から選抜された14名の学生が出場しました。

大会開始にあたり、前日の13日にパリで起きたテロによる犠牲者への黙とうがささげられました。一次審査ではまず、出場者のトップを切って福岡さんが「Quel beau travail ! Quel beau sourire !」(いい仕事! いい笑顔!)と題してスピーチ。最初の登壇者でしたが、落ち着いて堂々と日ごろの学びの成果を披露し、一次審査を通過しました。

12番目に登場した品川さんのスピーチのテーマは、「Roco n’est pas un objet !」(ロコは物なんかじゃない!)。10歳のときに愛犬“ロコ”が、中学生の自転車に轢かれて右前足を失った事故をめぐり、加害者家族との裁判の中で相手の弁護士が主張した「犬はものなので事故は物損。飼えば飼うだけ減価償却され価値が無くなる」という言葉に大きなショックを受け、理不尽さを感じたことを紹介。現在の日本の法律上ではいまだに動物がものとして扱われているものの、他国では既に「動物はものではない」「動物は感覚を生まれ持つ生き物」などと法律が改正されていると説明。「ロコは現在も3本の足で走り回り、元気に過ごしています。一人っ子の私にとって、ロコは姉妹であり唯一の存在。今ある法律に動物を当てはめるのではなく、新しい倫理観を生み出さなければならないのではないでしょうか」と訴えました。

品川さんも一次審査を通過。弁論の内容その他について審査員がフランス語で質問する二次審査に進み、第5位にあたる「毎日新聞社賞」を受賞しました。「これまで先生方や仲間の協力で、本番さながらの練習をしてきました。感謝の気持ちでいっぱいです。スピーチに加え、苦手とする質疑応答との総合評価で入賞できたことは、とても大きな成果です」と喜びを語る品川さん。「卒業後もフランス語の勉強を続け、さらに高いレベルを目指したい。自分の意見を素早くフランス語で伝えることが現在の課題です。世界的な視野で物ごとを見ることができるように、これからも精進していきたい」と話しています。

学生たちを指導する外国語教育センターの惟村宣明准教授は、「これまで2連覇している本学は特に意識されたようで、各大学とも質の高い弁士を派遣してきました。接戦となり、今回は残念ながら上位入賞を逃しましたが、多くの審査員や他大学の先生方から2人の弁論の素晴らしさをたたえるお言葉をいただきました。特に理系学生の入賞は貴重で、周囲から絶賛されました」と評価しています。また深井講師は「一生懸命練習した甲斐があり、2人とも素晴らしい発表でした。質疑応答の際の課題が残りましたが、今後は予想外の質問にもすぐに答えられるようにさらに訓練を重ね、来年につなげたいと思います」と話しています。

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