第8回「フランス語コンクール」で学生が入賞しました

11月23日に日仏会館ホール(東京都渋谷区)で開催された第8回「フランス語コンクール」(主催:公益財団法人日仏会館、後援:在日フランス大使館、朝日新聞社など)に、本学から山科舜哉さん(文学部ヨーロッパ文明学科4年次生)と今岡美欧さん(工学部生命化学科4年次生)が出場。第2部門「中級の部」で山科さんが最優秀賞にあたる「在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本賞」を、今岡さんがそれに次ぐ「奨励賞・ケベック州政府賞」を受賞しました。同コンクールは、フランス語教育の振興・普及などを目的に、日仏修好通商条約締結150周年を記念して2008年から開催されており、高校生から社会人まで幅広い年齢層の参加する日本最大級のフランス語弁論大会として知られています。

今回のテーマは、上級の部が、「Jusqu’où va liberté d’expression?( 表現の自由はどこまで認められるか?)」、中級の部が「Une phrase qui a marqué ma vie(私が人生の道しるべにしている言葉)」。多数の応募の中から併せて15名が、スピーチに加えて質疑応答が課せられる決勝に進出しました。山科さんと今岡さんが出場した中級の部は、学生や社会人を対象に13年度から設けられています。上級の部を上回る38名の応募の中から、本学の2名を含む6名が選出され、決勝に臨みました。

山科さんは、「一番大切なのは命」という母親の言葉を引き、小学生のときに訪れた沖縄県の渡嘉敷島で出会った戦争体験者の話をもとにして、戦後70年の節目にあたり平和の大切さを訴えました。「誰もが耳にしたことのある “命”や“大切”という言葉や、戦争体験者から聞いた話を再現する際の言葉について、フランス語で表現するためにはどの単語が相応しいかを調べ上げ、理解し、自分のものにして発表に臨みました」と苦心したところを振り返る山科さん。「自分の考えを伝える言葉の大切さを実感しました。フランスの大学院に進むためにさらに精進し、将来はフランス語を生かした仕事に就きたい」と抱負を語っています。

今岡さんは、アルバイト先のスーパーマーケットで老婦人から投げられた「レジ袋はいるに決まっているでしょう。どうやって持って帰るの!」との言葉から、環境問題を考えるようになったというユニークな切り口で、データを駆使して地球環境を守ることの大切さを訴えました。「生命化学を学んでいることもあり、環境問題は日ごろから身近に感じているテーマで、スピーチ原稿を書く際に調べたので、さらに関心を持つようになりました」と今岡さん。「学科の授業とフランス語の授業が重なっていることが多く、勉強時間の確保に苦労しました。先生方や友人のおかげで受賞できました。これからもフランス語の勉強を続けていきたいと思います」と話しています。

学生たちを指導している外国語教育センターの惟村宣明准教授は、「本学の学生は3年連続で決勝進出を果たし、毎回、個性的な発表で注目を集めています」と評価。「2人ともスピーチの内容は秀逸でした。特に今岡さんがアルバイト先の客から投げつけられた罵詈雑言を選び、そこから自分の専門の学びを生かし地球環境の問題にアプローチするという柔軟で奇抜な発想は、フランス語を専門とする学生からはなかなか出てこないと思います。グローバル化とは、このようにそれぞれ専門領域を持ちながら語学にも精通する人々が活躍する世界だと思います」と話しています。また同センターの深井陽介講師は「山科さんの原稿は非常に素晴らしく、また発表の表現力も完成度が高いものでした。今岡さんは発表中、ボードを使ってデータの解説をするなど、個性が光りました。質疑応答の準備では相当ハードに訓練しましたが、2人とも最後まで集中力を切らさず頑張ってくれました。このような全国レベルの大会で立派な成績を残したことは東海大学の誇りです」と話しています。

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