メカトロマイスター・ソーラーカーチームが新型マシンで「ソーラーカーレース鈴鹿」に出場しました

熊本キャンパスの基盤工学部の学生が中心となって活動するチャレンジセンター「メカトロマイスター」のソーラーカーチームが、8月5、6日に三重県・鈴鹿サーキットで開催された「ソーラーカーレース鈴鹿」に、2014年度から製作を続けてきた新型マシン「2016年型 Tokai Nextage」(東海ネクステージ)を完成させ出場を果たしました。

同チームは、メンバー全員が初心者ながら、軽量ボディ材料となる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を熱する簡易オーブンから自作するなど、学生による手作業での製作を進めてきました。今年4月に発生した熊本地震の影響で約1カ月間の作業中断を余儀なくされましたが、学生リーダーの富田恭平さん(基盤工学部電気電子情報工学科3年次生)たちプロジェクトメンバーは、九州東海大時代の卒業生で現在は別のチームで活動するOBらの協力も受けて製作に奮闘してきました。また、最終段階では、震災により学習の場を熊本キャンパスに移した農学部の学生らで結成するチャレンジセンター「阿蘇は箱舟プロジェクト」のメンバーが手伝いとして参加。熊本キャンパスの活動に恩返ししたいと申し出て、作業場の清掃や部品の調整などさまざまな作業に尽力しました。

熊本キャンパスのチームとして2年ぶり7回目の出場となった本大会は、全国から高校、大学、社会人によるチームが集う国内最高峰のソーラーカーレースです。マシンの規格に合わせて5つのカテゴリーがあり、5時間耐久と4時間耐久の2つに分かれてレースを実施。どちらもF1日本グランプリなども行われる国際レーシングコース(5,807km)の周回数を競います。本キャンパスのチームは「東海大学熊本ソーラーカーチーム」として、世界共通の基準にのっとって安全性と安定した走行を目的としたFIAオリンピアクラスにエントリーしました。

大会期間中は学生メンバー6名とプロジェクトアドバイザーの清田英夫教授(基盤工学部電気電子情報工学科)、佐松崇史教授(同)ら教職員4名が現地入り。またドライバーとして湘南キャンパスで活動する「ライトパワープロジェクト」ソーラーカーチームから経験豊富な喜多洸介さん(工学部動力機械工学科2年次生)が助っ人として参加したほか、同チームの総監督で、本大会の技術アドバイザーでもある木村英樹教授(チャレンジセンター長・工学部電気電子工学科)らがマシンの調整に協力。世界一を目指して戦ってきたノウハウを熊本チームへと伝授しました。

5日に行われた車検では競技規則に合わせてマシンを改修する必要が生じるなど困難な場面もありましたが、学生たちの必死の努力や別チームで活動するOB、木村教授をはじめライトパワーのプロジェクトメンバーらの協力もあり無事に再車検を通過。6日の本戦では、前日のフリー走行に出られなかったため最後尾からのスタートとなりましたが、喜多さんが序盤から冷静なドライビングで周回を重ね、最速5分01秒のラップタイムも記録しました。しかし、スタートから約2時間後、16周を終えたところで、マシンから振動と異臭を感じた喜多さんの判断でピットイン。学生らが懸命な作業でタイヤ回りの整備などにあたりマシンを再びコースへと送り出しましたが、その周回の第2コーナー上りでモーターが回転しなくなってしまい、残念ながらリタイアとなりました。

チーム監督の清田教授は、「ゼロの段階から始めて、震災の影響もある中で学生たちはよく頑張ってマシンを形にし、スタートラインに立ってくれました。また、出走に至るまでには本当に多くの方たちの支援があり、本当に感謝しています。リタイアの原因はサーキットでははっきりとは分かりませんが、マシンの完成度の問題が大きいように思います。キャンパスに戻ってからじっくりと原因を見極め、来年のレース出場を目指したい」と語りました。また、喜多さんは、「ドライバーとして声をかけてもらいうれしかった。完走させられず残念でしたが、マシンのポテンシャルは高く、まだまだ完成度を上げられる部分が多いように感じました。機会があれば今後も協力したい」と話します。富田さんは、「マシンの製作やレースでは本当に多くの方たちに助けていただきました。本来ならサーキットに来る前にすませておかなければならない作業がずれ込んでしまい、このような結果になってしまい、私たちの知識や技術も不足していると実感する機会になりました。後輩たちと課題を一つひとつクリアしてまた戻ってきたい」と前を向いていました。

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