健康科学部看護学科の学生らが大型旅客船事案対応訓練に乗客役として参加しました

健康科学部看護学科の学生らが、3月13日に横浜港大さん橋ふ頭に着岸中の大型客船「飛鳥Ⅱ」(総トン数5万142トン)で行われた大型旅客船事案対応訓練に参加しました。この訓練は海上保安庁第三管区海上保安本部が、大型旅客船における火災発生時の乗客乗員の避難や救助、消火活動に備え、関係機関の連携と対応能力の向上を図ることを目的として実施されたものです。当日は、神奈川県警察横浜水上警察署や横浜市消防局、日本赤十字社神奈川支部の職員等が参加し、看護学科の学生や大学院生、教職員をはじめ、本学科の卒業生で医学部付属病院や付属大磯病院、付属八王子病院で働く看護師ら56名が乗客役を務めました。

今回の訓練では、東京湾内を航行中の飛鳥Ⅱ船内で火災が発生し、乗員による自衛消火を試みるも火勢が衰えず、船長から総員退船命令が出されたとの想定で行われました。近年、クルーズ船の乗客に高齢者が多いことから、学生たちはそれぞれ、「歩行困難」「持病有り」といった高齢の乗客役で参加しました。救命胴衣を着けた乗客役の学生たちは、総員退船するために乗員らの誘導の下、「飛鳥Ⅱ」の左舷開口部から救命艇(テンダーボート)で避難し、巡視船「いず」に乗り移りました。巡視船「いず」の船内では、海上保安官による初期トリアージ(各負傷者の状態を確認し、傷病の緊急性や重傷度を把握して治療の優先順位を決定する行為)や重症者の船内医務室への搬送、医療スタッフによる救急処置などの訓練に協力しました。

終了後には第三管区海上保安本部警備救難部長の川越功一氏が訓練について講評し、「今後も、海外からのクルーズ船の寄港が増えることが見込まれます。災害救助活動には関係機関の連携が不可欠です。引き続き協力をお願いしたい」とあいさつ。本学の学生らに対しては、「乗客役として協力してくれた東海大学の学生たちに感謝します」との言葉が送られました。またこの日は同本部の協力により、訓練に参加した学生を対象とした、巡視船「いず」の船内見学も行われました。

「救命救急に関心があり、昨年度に引き続き参加した」という吉川千春さん(看護学科3年次生)は、避難時に肋骨を骨折した乗客役を担当。「救急搬送される際の不安や怖さを体感し、救急時には負傷者への声掛けが特に大切だとあらためて学びました。厳しい環境下でも冷静に判断して適切な対応をするさまざまな分野の専門職の姿を目の当たりにし、看護師を目指す者として身が引き締まりました。今後の学習や将来に役立てたい」と感想を話していました。指導にあたった本学科の大山太准教授は、「学生たちにとって、災害時における関係機関のスタッフの連携やチーム医療を体験的に学ぶ貴重な機会になったと思います。昨年に続き、学生だけでなく本学科を卒業した付属病院の看護師も多数が参加してくれました。今後も“チーム東海”で、こうした訓練に積極的に協力したい」と話しています。

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