ひらめき☆ときめきサイエンス「見て触って楽しむ博物館・美術館入門」を開催しました

8月20日に湘南キャンパスの松前記念館講堂で、小学5、6年生と中学生を対象とした講座「見て触って楽しむ博物館・美術館入門~キュレーター(学芸員)の仕事と日本画の魅力」を開催しました。独立行政法人日本学術振興会のプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」の一環で、科研費(科学研究費補助金)の採択を受けた最先端研究の面白さをわかりやすく発信し、子どもたちの科学的好奇心を刺激して知的創造性を育んでもらおうと開いたものです。当日は、課程資格教育センターの教員をはじめ、博物館・美術館の研究者や学芸員の指導による多彩な体験プログラムを実施し、学芸員の資格取得を目指す学生が運営をサポート。神奈川県や関東近県から20名が参加し、保護者らが参観しました。

はじめに、本学研究推進部研究支援課の職員が科研費や講座の趣旨を紹介。課程資格教育センターの篠原聰准教授がプログラムの内容やスケジュールについて説明しました。講座の前半では、篠原准教授が「学芸員の仕事~ミニ企画展『世界のたね』展ができるまで」をテーマに講義。「調査研究」「公開普及」「収集保管」といった学芸員の仕事を紹介した後、博物館フロアで開催している「世界のたね展」を見学しながら、展示物の収集や保管、運搬、展示方法、関係スタッフとの信頼関係といった、展覧会の開催に当たっての留意点についてレクチャーしました。また、作品などを展示する室内の温度や湿度といった環境の重要性についても説明し、子どもたちは専用のキットを使って同館内の環境調査に挑戦。さらに、ルーペや懐中電灯を使って掛軸に表装された日本画の素材や損傷などを確認する作業も体験しました。

昼食を挟んで、国立民族学博物館の広瀬浩二郎准教授が「資料に触ってみよう!」と題して講義。子どもたちはアイマスクをして南米の民芸品やおもちゃ、楽器などに触り、大きさや重さ、硬さ、質感、温度といった、見るだけではわからない民俗資料の面白さを体感しました。続いて、藤沢市アートスペースの小林絵美子学芸員が、天然の岩絵の具や胡粉(貝殻などをすりつぶした顔料)、膠(にかわ:動物の骨や皮で作られた接着剤)について説明し、日本画の描き方を実演。子どもたちは小林学芸員の指導や学生のサポートを受けながら、日本画の豆うちわづくりに取り組みました。最後に、鎌倉市鏑木清方記念美術館の今西彩子学芸員が掛軸の取り扱いや鑑賞方法について解説し、掛軸の歴史や季節に合わせた楽しみ方、日本の伝統文化を後世に残すことの大切さなどについても語りました。

終了後のクッキータイムでは、互いの豆うちわを鑑賞し合い、一日を振り返りながら、講師や学生らと交流。修了式では参加者一人ひとりに「未来博士号」が手渡されました。参加した子どもたちは、「作品を守ったり、修復したりする学芸員の仕事に興味がわきました」「目隠しをして物に触ると、実物とは全く違う何かを想像するのが面白かった」「日本画をじっくりと見たり描いたりすることで、身近に感じられるようになりました」などと感想を話していました。また、保護者からは、「さまざまなプログラムを通じて、子どもたちは楽しみながら学芸員の仕事を体感できたと思います。機会があれば、ぜひまた参加させたい」といった感想が聞かれました。

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