市民と学生が協力して秦野駅前にあるブロンズ像のメンテナンスを行いました

博物館の学芸員を目指す湘南キャンパスの学生と市民が協力し、12月8日に小田急小田原線・秦野駅北口にあるブロンズ像「母子像」(佐藤助雄作)のメンテナンスを行いました。この取り組みは、本学地域連携センターによる「シティズンシップ教育型地域連携事業」の取り組み「地域連動型アウトリーチ活動の最適化モデルの構築」の一環として行ったものです。これまで課程資格教育センターの篠原聰准教授が中心となり、湘南キャンパス内のブロンズ像のメンテナンス活動「彫刻に触る☆体験ツアー!!」や屋外彫刻の保全策を考えるシンポジウムなどを開いてきましたが、今回秦野市と連携して初となる学外での活動が実現しました。当日は、篠原准教授と有限会社ブロンズスタジオ取締役の髙橋裕二氏、特定非営利活動法人アート&ソサイエティ研究センター・リサーチャーの髙嶋直人氏が講師を務め、学生4名と秦野市民で活動している「彫刻愛し隊」のメンバー、秦野市や小田原市の職員らが参加しました。

最初に髙橋氏が秦野市教育委員会の庁舎内で、ブロンズ彫刻のメンテナンス手順を解説。その後駅前に移動して、髙橋氏と髙島氏の指導を受けながら学生と市民が母子像をメンテナンスしました。参加者たちは、はじめに像の全体に水をかけて、環境負荷の少ない洗剤とブラシを使って像を洗浄。タオルで乾かしたのち、蜜蝋のワックスを塗り、最後に手で磨き上げました。作業中には通りがかった市民が興味深そうに学生らの作業を見学するなど、注目を集めていました。

終了後には、見違えるように美しくなった像を前に全員で講評。学生たちは、「実際に触りながらメンテナンスする中で、日ごろ篠原先生に言われている“作品を愛しなさい”という言葉の意味がよくわかりました。メンテナンスを終えた作品からありがとうと言われているようにも見えて、作品はただの『もの』ではないことを実感しました」「実際に触ってみると、表面と裏面の表現の違いに気がつくなど、目で鑑賞するだけではわからないことがたくさんあると感じました。実際にさまざまな活動に参加し、体験することを知る貴重な機会にもなりました」と話していました。

篠原准教授は、「学内でのメンテナンス活動は2014年から続けてきましたが、今回初めて秦野市と市民の皆さんと協力した活動を実現できたことは大きな一歩だと感じています。湘南キャンパスの近隣自治体には多くの野外彫刻がありますが、なかなかメンテナンスまでは手が及んでいないのが現状です。そうした課題を打破し、各地の野外彫刻を市民の宝として輝かせるためにも、自治体との連携を広げ、地域発信のモデルケースをつくっていきたい」と話しています。

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