企画展「俳優緒形拳とその時代―戦後大衆文化史の軌跡―」を開催します

東海大学では10月3日(土)から12月6日(日)まで、横浜市歴史博物館で企画展「俳優緒形拳とその時代―戦後大衆文化史の軌跡―」を開催します。本学と同館が主催する企画展で、教育開発研究センターの馬場弘臣教授と学生らが長年にわたって資料を整理し、準備してきたものです。

馬場教授らは小田原市立図書館から依頼を受け、2001年から03年まで劇作家・北條秀司の蔵書を整理したことから、神奈川県ゆかりの作家の史料として東海大の付属図書館に寄託されることになりました。緒形さんは北條秀司の紹介で劇団新国劇に入団するなどつながりが深く、馬場教授が司会を務めた北條秀司に関する展示会のトークショーに出演した縁で交流ができ、緒形さんが亡くなってから約8年が過ぎた16年、ご子息から馬場教授に”資料の整理を手伝ってほしい”と依頼がありました。「1958年に劇団新国劇に入団以来、2008年に亡くなるまで、舞台やテレビ、映画など幅広く活躍した緒形さんの足跡をたどることで、戦後日本の大衆文化史を読み解くことができるのではないか」と考えた馬場教授らは、17年に本学文明研究所のプロジェクトとして「戦後大衆文化の基礎的研究―緒形拳氏関係資料の整理をめぐって―」を立ち上げ、翌年には「緒形拳研究会」を設立。「史料管理学演習」の授業を履修する学生も会員として加わり、4000冊にものぼる蔵書と出演作品の目録作りのほか、全国の新聞や雑誌を切り抜いたスクラップを年代別に並べて綴じ直し、284冊もの出演作の台本とパンフレット、デビュー当時からの写真も年代別にまとめ、整理してきました。

今回の企画展は10年単位で軌跡を振り返る5部構成で、ほかにも12の特設コーナーや映像コーナーなどを設けるなど300点以上の資料を展示。関連イベントも多数予定しています。馬場教授は、「新型コロナウイルスの感染拡大は、”演じる””観る”文化にも甚大な影響を与えています。戦後大衆文化史を振り返る本展が、新たな指針を探る契機となり、そういった人々へのエールとなればうれしい」と話しています。

企画展「俳優緒形拳とその時代―戦後大衆文化史の軌跡―」
【会期】
10月3日(土)~12月6日(日)

【会場】
横浜市歴史博物館(横浜市都筑区中川中央1-18-1)

【アクセス】
横浜市営地下鉄線ブルーライン・グリーンライン「センター北」駅より徒歩5分
https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/go/museum/
【休館日】
月曜日(11月23日はのぞく)、11月24日(火)

【開館時間】
午前9時~午後4時30分(券売は4時まで)

【観覧料】
一般500円、高校・大学生300円ほか

【展示構成】
Ⅰ 新国劇と緒形拳/Ⅱ テレビから映画へ/Ⅲ 多様化する大衆文化の中で/Ⅳ 時代の転換期に/Ⅴ 舞台への回帰

[特設コーナー]
ドキュメンタリーと緒形拳/書く、描く、創る、游ぶ/緒形拳と横浜/さまざまな『拳』/恩師・北條秀司/王将への想い/小説家池波正太郎と仕掛人藤枝梅安/脚本家池端俊策と緒形拳/白野の舞台/風林火山/今村昌平監督と楢山節考/ドアノー写真館

[その他]
「新国劇殺陣十の型」の映像上映/オフショットスライドショー

【関連イベント】
講演会「大河ドラマと時代考証 ―緒形拳主演『峠の群像』を素材に―」(仮題)
11月7日(土)午後2時~3時30分
講師:大石学氏(東京学芸大学名誉教授)
会場:講堂

▼関連講座「俳優緒形拳とその時代―戦後大衆文化史の軌跡―」(仮題)
12月5日(土)午後2時~3時30分
講師:馬場弘臣教授
会場:講堂

▼トークショー「緒形拳の作品とその魅力」
11月21日(土)午後(時間未定)
豊川悦司氏(俳優)、貴島誠一郎氏(プロデューサー)
会場:講堂
※すべて資料代500円、定員60人(事前申し込み)。詳細は同館ホームページ(https://www.rekihaku.city.yokohama.jp/koudou/see/kikakuten/2020/actor_ogataken)を参照

▼展示監修者・馬場教授による展示解説
10月10日(土)、25日(日)、11月8日(日)、22日(日)午後2時~40分程度
※参加費無料。5分前までに講堂前に集合