2020年度教育支援センター・キャリア就職センター共催「FD・SD研修会」を開催しました

東海大学では1月21日にオンラインで、2020年度教育支援センター・キャリア就職センター共催「FD・SD研修会」を開催しました。本学では、河合塾と株式会社リアセックが共同開発した大卒者として社会に求められる汎用的な能力・態度・志向性を測定する「PROG」を活用し、ディプロマ・ポリシーでもある「4つの力」の育成に向けた”「4つの力」のアセスメント”を開発。2018年度から運用しています。今回の研修会は、両センターの共催で『「4つの力」のアセスメントから見た学生の成長と学修成果』をテーマに、あらためてアセスメントの意義を認識し、アセスメントの結果と活用方法について理解を深めることを目的に開催しました。

初めに山田清志学長があいさつし、今後の学生教育への還元に向けた期待を語ったのち、教育支援センターの土屋守正所長(理学部教授)が登壇。研修の目的や本学のDPとして掲げている「自ら考える力」「集い力」「挑み力」「成し遂げ力」の「4つの力」を測定するとともに、他大学との比較も可能な「4つの力」のアセスメントの概要について説明しました。続いてリアセック代表取締役CEOの近藤賢氏(本学文学部卒業)が講演し、まずPROGテストで計測される、知識を活用して課題を解決する力である「リテラシー」や経験を積むことで身についた行動特性である「コンピテンシー」といった基本的な内容と、スコアを見ていくうえでの留意点を解説。本学の各学部別の平均スコアと特徴の傾向、1日当たりの学習時間や読書量などによる違いからスコアを分析した結果や、今年度で2度目の受験となった3年次生のスコアから成長の度合いを分析した結果を解説しました。そのうえで、「4つの力」の視点から見た分析について、「全学共通の『4つの力』ですべての領域において伸長が見られており、これまでのカリキュラム改革等の成果がうかがえます。今後は学部・学科単位で学修成果の可視化を進め、育成課題への検討を進められていくことが期待されます。」とまとめました。

これを受けて、キャリア就職センターの水島久光所長が、『「4つの力」のアセスメント就職支援への展開』と題して講演。「初年度に受けた学生が2度目のアセスメントを受けたことで、当初の目的である学修成果の可視化という目標に近づきました。さらに各学部の特徴、分析によって各学部の特徴や学生タイプとの関係性が見えてきました。全学的な活用の場として進路指導について考えなくてはなりません」と語りました。さらに、「4つの力」のアセスメントを就職支援の核として位置づけ、昨年11月の「4つの力de進路選択講座」や本年1月の「【4つの力の活用術】周りと差がつく!ESの書き方」を実施した事例を紹介。活用法については「自己PR」や「学生時代に力を入れたこと」として学生が自らの進路登録カードに入力するよう促していると話しました。

また、土屋所長は、『アドミッション・ポリシーとディプロマ・ポリシーへの展開』について語り、「コロナ禍における学生指導には大変な面もあるが、その中でも適切な学生とのかかわりがディプロマ・ポリシーの実現に大きな影響がある。学生からは学生間の交流を求める声も多く、それがコンピテンシーの伸長にもつながると考えられます」と強調。「教員と学生のかかわり、学生間のかかわりなど各学部・学科で検討していくことが大切」と呼びかけました。

質疑応答では「本学学生のスコアが伸長した要因は?」、「どの大学にもプロジェクト型の学習に向かない、グループ活動が苦手な学生もいると思いますが、どのような対応が取られているのでしょうか」といった質問に近藤氏が、本学独自のチャレンジセンター・プロジェクト活動や課外活動への参加などを例に回答。閉会にあたっては川上哲太朗学長補佐が謝辞を述べるとともに、「重要なのはこの結果をどのように活用し、アクションにつなげていくのかといった点であり、学部・学科、個人のレベルで落とし込み、工夫を重ねていく必要があります。今後も『4つの力』のアセスメントを続け、成果を活用していきたい」と語りました。