後藤慶一教授が静岡県内の企業と共同で開発した「TUNA PLUS+(ツナプラス)」が静岡市の「SDGs連携アワード」大賞に選出されました

海洋学部水産学科の後藤慶一教授が静岡県内の企業と共同で開発した「TUNA PLUS+(ツナプラス)」が、「令和4年度静岡市SDGs連携アワード」で大賞に選出。2月1日にホテルグランヒルズ静岡で開かれた静岡市による「静岡市グッド・パートナーズ表彰式」で受賞しました。TUNA PLUS+(ツナプラス)は、「水産物(マグロ)の未利用資源でみんなを健康に!」の事業名称で、SDGsの課題解決に向けて汎用性の高い取り組みを行うグループとしてノミネート。全国から21件の応募がある中、委員による選考の結果、大賞に輝きました。100人以上が出席した表彰式では、株式会社ディ・エッチ・エー・マリンフーズの高橋伸和代表取締役が登壇し、静岡市の田辺信宏市長から賞状が手渡されました。

TUNA PLUS+(ツナプラス)は、アスリートや成長期の子供を主なターゲットとした製品です。マグロの良質なタンパク質を豊富に含んだ栄養補助食品で、カルシウムやドコサヘキサエン酸(DHA)が多く配合されています。ディ・エッチ・エー・マリンフーズの自社工場で製造するネギトロの端材が、毎日300kgも廃棄されることから、資源の有効活用に向けての商品開発に着手したもので、多くの人に届けられるよう、常温でも提供可能な製品を目指したことから、食品のレトルト化に造詣が深い後藤教授に協力要請がありました。ほかにも静岡県工業技術研究所と株式会社nanairoが加わって共同で開発しました。さらにこの商品の製造工程で生じる端材は、nanairoが運営する静岡市清水区の軽食店「銀座なないろ」に提供され、マグロバーガーとして安価で提供されています。この取り組みがSDGsの17の目標の内の3番「すべての人に健康と福祉を」と12番「つくる責任・つかう責任」、14番「海の豊かさを守ろう」に該当することから、今回の評価へとつながりました。

ディ・エッチ・エー・マリンフーズの高橋代表取締役は、「後藤先生がレトルト化する手法を授けてくれたことで、TUNA PLUS+(ツナプラス)の商品化が大きく進展しました。この賞をいただいたからといって終わりではなく、マグロには他にも骨など、栄養価が高いものの廃棄せざるを得ない部位がまだあるので、それらを活用した商品も開発し、ゆくゆくはマグロの全てを使う仕組みづくりができたらと考えています。今後も、冷凍マグロの漁獲量日本一の清水港を有する静岡県からマグロの魅力を発信すべく、東海大学海洋学部や企業と協力して商品開発を続けていけたら」と語りました。

後藤教授は、「ディ・エッチ・エー・マリンフーズから約5年前に声をかけていただき、何度も試行錯誤して商品化につなげました。SDGs連携アワードの大賞をいただけて、大変うれしく思います。この受賞をきっかけに、より多くの人の元に届くのではないでしょうか。またこの商品の受賞は、マグロの資源枯渇が叫ばれる中で、限られた資源を『つくる責任・つかう責任』を考える重要性も多くの人に感じてもらうきっかけになると思います。今当たり前にあるものが、将来もあるとは限らないので、積極的に産学官連携に取り組み、資源を有効活用した新たな特産品の創出に貢献していきたいと考えています。現在は、私の研究室とチャレンジプロジェクト『商品開発プロジェクト』の合同で、マグロの皮を使ったペットフードの開発も進めており、学生の教育と資源活用の両面からアプロ―チしていきます」と話していました。

TUNA PLUS+(ツナプラス)