海洋学部の教員が「駿河湾のひみつ展~駿河湾の神秘 徹底調査!~」に協力しました

海洋学部の教員が3月11、12日に、清水文化会館マリナート1階ギャラリーにて開かれた企画展「駿河湾のひみつ展~駿河湾の神秘 徹底調査!~」(主催 : 一般社団法人自然科学体験学習ネットワーク)に協力しました。この企画展は、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環として、昨年実施した調査イベントでの研究成果を伝えることを目的に開かれたものです。駿河湾をフィールドに研究に取り組む本学部に協力依頼があり、海洋理工学科海洋理工学専攻の坂本泉教授と水産学科の中村雅子准教授、海洋研究所の村﨑謙太助教が参加しました。

同プロジェクトは、昨年9月に沼津市平沢沖と平沢マリンセンターで、地元の小学生を対象に「沼津 西浦のサンゴ調査体験イベント」を実施。中村准教授の指導のもと、水中ドローンによるサンゴの観察やサンゴの植樹体験を行いました。また、10月には静岡キャンパスで「駿河湾の神秘 徹底調査ゼミ」が開かれ、坂本教授と中村准教授、村﨑助教がそれぞれの専門分野について講演。さらに、3月4日には3名の教員による研究成果がテレビ静岡の番組「徹底調査 駿河湾~県民も知らない3つの神秘~」で放送されました。

今回開かれた企画展は、3名の教員の専門分野ごとに分かれており、「伊豆半島沖に南海生物が生息する神秘」と題されたエリアでは、中村准教授の研究やサンゴの生体について紹介するとともに、地球温暖化による冬場の水温上昇によってこれまで沖縄県や和歌山県沖でしか見られなかったニホンミドリイシとクシハダミドリイシが静岡県の海でも確認されたことを報告。また、環境変化が今後駿河湾や日本近海にどのような影響を及ぼすかパネルで言及しました。坂本教授が担当した「駿河湾に流れ込む一級河川富士川の神秘」をテーマとしたエリアでは、水深2500mに達する駿河湾の地形を解説するとともに、ナローマルチビーム測深器による地形調査やスミスマッキンタイヤー型採泥器を使った海底調査などをパネルで紹介。海底から富士川由来の雲母や植物片が採取されたことから深海まで川の流れの影響があることを示し、顕微鏡での雲母観察や富士川と安倍川・大井川の石の比較などの展示も行いました。さらに、「新種生物が次々に発見されている神秘」と題したエリアでは、村﨑助教が本学の小型舟艇「北斗」で駿河湾の深海魚を調査した記録を紹介。調査で採れた5種のクサウオの新種や新種登録するまでの流れなどについてパネルで解説するとともに、顕微鏡を見ながら緻密に描いた新種のスケッチも展示しました。

他にも、テレビ静岡で放送された番組のダイジェストを上映する「駿河湾シアター」やプロジェクターに映し出された海の中に描いた絵が泳ぐ「おえかき駿河湾」など、子どもたちが楽しめるブースも設けられました。