熊本地震からの復興のシンボル「福幸ヒマワリ」の種を収穫しました

九州キャンパスでは11月13日に、2023年度の開設を予定している阿蘇くまもと臨空校舎の圃場で学生と教職員によるヒマワリの種の収穫作業を実施しました。「アグリ実学スキルアップ支援プログラム(略称:アグラップ)」(※)の一環で、農学部と大学院農学研究科の新しい学びのフィールドとなる阿蘇くまもと臨空校舎を九州キャンパスの学生と教職員、地域住民が一体となって構築しようと企画した「農ある仲間,土ほぐす福幸プロジェクト~みんなで創る学びのフィールド~」として行ったもので、昨年に続き2度目の取り組みとなります。

阿蘇くまもと臨空校舎は、2016年4月の熊本地震で被災した旧阿蘇キャンパス(現・阿蘇実習フィールド)に代わり、農学部と大学院農学研究科の新しい学びの拠点として建設が進んでいます。プロジェクトでは、その圃場予定地に震災からの復興と、花言葉「あなたを幸福にする」の願いを込めて今年7月に農学部4年次生と教職員がヒマワリの種を植えました。今年度は、8月に長雨が続いたほか、台風による日照不足もあり背丈、花ともに小ぶりになりましたが、後から植えたものも含めて約3000本が花を咲かせました。

当日は、農学部を中心とした学生と教職員合わせて約30名が参加。一本一本丁寧に鋏を入れ、ヒマワリの花と茎を収穫しました。収穫した花とその種は、数日間乾燥させてから油糧用に手作業で種子を取り出し、さらに数日間天日干ししたのち食用油用に搾油する予定です。また、今回収穫したものの中には開花後間もない花も多く、種の収穫量が油の抽出条件に満たない場合もあるため、それらは阿蘇実習フィールドで飼育している家畜の冬季サイレージとして活用します。さらに収穫後には、新校舎の圃場環境整備の一環として防風樹の植え付け作業もあわせて実施。学生たちは新しい学び舎に思いを馳せながら作業に汗を流しました。

参加者からは、「自分は1年次生で、まだ農学部の授業で行われる実習は受けたことがありませんが、いち早く作業を体験したいと思い参加しました。実家は畜産農家なので動物の世話には慣れていますが、植物の収穫は慣れない作業で戸惑うこともありましたが、楽しんで参加できました」「4年次生からこの校舎で卒業研究に取り組むことになると聞いています。私たち2年次生は新校舎移転の中心として先生方と新しい環境を整備していく立場なので、アグラップでいち早く取り組めたのは貴重な経験です」と口々に語っていました。

※「アグリ実学スキルアップ支援プログラム」(略称:アグラップ)…授業や実習に加えて、さらに実践的な技術・知識を身につけたいという学生を対象に、農学教育実習センターの技術職員らが作物栽培、動物飼育、食品加工、農業機械の安全な操作法を教えるほか、一般市民を対象とした講習会の助手を務めるなど、計5つのプログラムから自由に選んで参加できるプログラムで、農学部生をはじめ九州キャンパスの学生が多数参加しています。