海洋学部水産学科の李銀姫准教授がコーディネーターを務める「漁する女子ジャパン」プログラムが4月13日に、静岡キャンパスで開催されました。2021年10月にスタートした「漁する女子ジャパン」は、カナダ・ニューファンドランド地域で実施されている「漁する女子カナダ」の姉妹プログラムで、女性の漁業への認識・参画を高めることを目指しています。実際に魚を獲る漁だけにフォーカスを当てるのではなく、多くの女性が活躍している陸上作業にも注目することで、漁業におけるジェンダー問題の解決や地域活性化を目指しています。今回のプログラムには、静岡県内の漁業関係者や地域住民のほか、4月9日から12日まで開かれた「小規模漁業リージョナルシンポジウム・アジアパシフィック」に参加していた「漁する女子カナダ」の関係者らも来場しました。
当日は、まず李准教授がプログラムの概要を説明し、「漁する女子カナダ」のコーディネーターで自身も漁業を営むキンバリー・オーレン氏が講演。カナダでの漁の様子や課題を動画で紹介しながら、日本の小規模漁業との相違点について語りました。講演中にはプログラムに協力するデザイナーのケリー・ブルートン氏も登壇し、自身が制作してきた作品について解説。「小規模漁業の現状や漁業の魅力を伝えるため、さまざまなプログラムに協力してきました。参加者とともにものづくりをする時間は、製作中は作品にかかわるテーマについて、自然と自分の考えを巡らせるため非常に有益です。今後もこのプログラムに参画し、小規模漁業を盛り上げていきたい」と語りました。
その後はロープワークレクリエーションや、実際の漁で用いる網に参加者それぞれが思う「将来を豊かにするためのキーワード」を記した紙を吊るすワークショップなどが実施されました。李准教授は、「カナダと日本のチームが連携することで、非常に有意義な時間になりました。今回のディスカッションを今後のプログラムにつなげるとともに、各地域で漁業関係者が主体となってこのようなプログラムを地域活性化策として展開するようなことも促していきたい」と話していました。
※「小規模漁業リージョナルシンポジウム・アジアパシフィック」の詳細はこちらをご覧ください。