海洋学部の坂本教授と横山助教がフィリピン海プレート内の構造発達過程の解明に向けた調査を行いました

海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻の坂本泉教授と横山由香助教が4月12日から28日まで、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の深海潜水船支援母船「よこすか」と大深度潜水調査船「しんかい6500」に乗船。西フィリピン海プレート内の構造発達過程の解明に向けた調査を行いました。

太平洋の北西部にあるフィリピン海プレートとその周辺では、日本列島の成り立ちにつながる西フィリピン海盆の海底拡大や沖大東マントルプレームの出現などが確認されています。しかし、正確な発生時期や因果関係が明らかになっていません。研究チームでは今回、西フィリピン海盆や沖大東海嶺で、目視による観察や水中ビデオカメラでの撮影、岩石および海底堆積物の採集に取り組みました。なお、今回の調査には、海洋学部の卒業生である鈴木啓吾さん(1999年度卒)、飯島さつきさん(2013年度卒)、佐藤魁星さん(2019年度卒)がパイロットとして、また現役の学生も多数が乗船し、調査をサポートしました。

坂本教授は、「1960年代前半にアメリカの二大科学事業としてアポロ計画と合わせて深海底をマントルまで掘削する“モホール計画”が始まりました。10年後の1969年にはアポロ計画として人類を月に送る事が出来ましたが、いまだにマントルに至るまでの掘削を達成できていません。それほどに海底調査は水圧などの障壁が多く、遅れているのです。今回の調査が海洋地質における貴重な一歩になると期待しています。若い研究員も多数参加し、地質学の未来を担う若い研究者の育成にもつながりました。この経験を今後に生かしてほしい」と語りました。また、横山助教は、「堆積物などを細かく分析して、地球の歴史をひもとく成果を挙げ、広く発信していきたい」と意欲を見せていました。