町田市の小学校主催の避難所体験ワークショップに参加しました

3.11 生活復興支援プロジェクトが9月6、7日の両日、東京都町田市立町田第五小学校が主催した災害発生時の避難所での過ごし方を体験するワークショップに参加 しました。同プロジェクトでは、東日本大震災が発生した2011年から被災地での公民館や図書館の建設、子どもたちを対象にした「電子工作教室」など、さ まざまな支援活動を継続的に展開するとともに、震災の記憶を風化させないための情報発信活動などにも積極的に取り組んでいます。昨年度も、プロジェクト内 で「応急空間を考えるワークショップ」を実施しており、チームワークや問題解決能力を磨くことを目的に、災害を想定して段ボールを使った避難所内の居住空 間づくりに挑戦しています。

今回のワークショップ実施にあたって、学生たちは大規模災害発生時に、学校の体育館や公民館などに開設される 避難所において、避難者のプライベート空間の確保や居心地が運営の大きな課題の一つとなっている点に着目。一級建築士で工学部建築学科の富永哲史非常勤講 師の指導を受け、「体育館の天井は高すぎるため、その下で眠るのは落ち着けない。天井を低く感じさせ、落ち着いて眠る方法」として段ボールをつないだ大き な屋根づくりを発案しました。また、同小では例年この時期に防災に関連したワークショップを実施しており、富永非常勤講師もかかわってきたことなどから、 大手段ボールメーカーである(株)レンゴーから資材の提供を受け今回のイベント開催につながりました。

ワークショップ当日は、メンバー 15人が参加した同小の児童約25人とその保護者らとともに、用意した段ボールの工作に挑戦しました。パーツを切り取り、粘着テープで設計図どおりに組み 合わせ、約5時間かけて4列の屋根を製作。完成した屋根はビニールひもで体育館の空中に吊し、その下にさらに子どもたちが段ボールで思い思いの空間をつく り一晩を過ごしました。参加した児童からは、「震災などが起きて本当に避難所での生活を送ることになったら、今回の経験が生かせると思います」といった声 が聞かれました。企画のリーダーを務めた中村浩貴さん(工学部2年次生)は、「屋根の強度やその製作に時間がかかりすぎるなど、事前の準備時間やメンバー 間の情報共有が不足していたことによる課題も多くありました。本プロジェクトでは、これまで蓄積してきたノウハウを社会に対して発信していこうという活動 目的もあり、こういった催しを今後も続けていきたいと考えています。今後は今回の反省も生かして、より充実した活動を目指していきます」と話しています。

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