学生が建設に協力した「泊区公民館」が完成しました

3.11 生活復興支援プロジェクトが建設に協力した岩手県大船渡市三陸町越喜来泊地区の「泊区公民館」がこのほど完成し、7月26日に落成式及び感謝の会が行われ ました。本プロジェクトでは2011年3月の東日本大震災発生以降、同市や宮城県石巻市などで、被災地復興支援活動に取り組んでいます。泊地区では、11 年5月にプロジェクト参加学生やアドバイザーの杉本洋文教授(工学部建築学科)が開発した応急建築物「どんぐりハウス」を応急公民館として提供。この建物 を拠点に継続的な支援活動を展開してきました。

今回の本設公民館の建設は、地区の集会所や拠点として恒久的に使用可能な施設が必要である ことなどを踏まえ、杉本教授の指導のもと学生が基本計画を立案。建物の設計にも携わりました。また、実施計画の推進で(株)計画・環境建築の協力を得たほ か、建築資材などを横浜市の(株)ナイス、奈良県の(株)櫻井から集成材の提供を受け、「認定NPO法人国境なき子どもたち」からも資金協力を得ました。 学生たちは、今年1月の起工以来たびたび現地に入り、施工(棟梁)を担当した地元の大工、三浦洋一さんに協力。屋根の板張りや窓のサッシ取り付けなど手伝 いとして建設に貢献してきました。

落成式には、多数の地域住民や自治体関係者らをはじめ、学生7名、杉本教授とプロジェクトアドバイザー で元チャレンジセンター所長の大塚滋教授(法学部)が出席。この日を待ちわびた住民らとともに、地域の記念の日を祝いました。式では地区の子どもたちが郷 土芸能「権現様」を披露したほか、地区から本センターに感謝状も授与されました。同地区の林明区長は、「震災後すぐに、東海大学の学生さんたちに応急公民 館を建設していただき、3年の間ひんぱんに会議などで活用してきました。また多くの支援があり、地区の住民が待ち望んでいた本設公民館も完成することがで きました。地域の高齢化が進む中、住民が集うことのできる公民館の役割は大きく、復興まちづくりの拠点として活用していきます」と話しました。また、来賓 として祝辞を述べた大塚教授は、「山火事が起きた時に最初に芽を出す”どんぐり”の名を持つ応急公民館が、さらに成長して本設の公民館となりました。学生 たちにできることは限りがありますが、今後も叱咤激励と指導をしていただき、ともに歩んで行いきます」と語りました。

公民館の設計を担当 し、建設作業の学生リーダーを務めた土方拓海さん(大学院工学研究科1年次生)は、「地域住民の皆さんの声を聞きながら設計を進めましたが、実際に使う皆 さんの意見を反映しながらの作業は、建築を学ぶ私たちにとっても非常に勉強になりました。今後も震災の記憶を風化させないようにするとともに、地区の皆さ んの力になれるよう、さまざまなイベントを企画するなど活発に活動していきたい」と話しています。

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