TSRPが「第13期ハイブリッドロケット打上実験」を実施しました

東海大学学生ロケットプロジェクトが3月7日から12日にかけて大樹町多目的航空公園(北海道広尾郡大樹町)近くの原野にて本学学生単独による「第13期ハイブリッドロケット打上実験」を実施しました。航空宇宙に関する取り組みが盛んなことで知られている大樹町では、本学以外にもJAXAをはじめとして、民間企業や大学による様々な実験が行われています。

2015年度夏に打ち上げる機体の技術試験を目的に、2種類のハイブリッドロケット(※)として、より安全な充填方法にするため新しいバルブシステムを導入した『H-36号機』と、パラシュート解散時の衝撃値であるオープニングショックの測定するための『H-37号機』、『H-38号機』、『H-39号機』の計4機の実験を行いました。

『H-36号機』は打ち上げから約7秒後に推定高度約200メートルに到達。実験は成功し、今後のエンジンの大型化に一歩前進しました。『H-37号機』は、打ち上げから約9秒後に高度約350メートルに到達し、パラシュートが無事に作動したことで開傘時の実測値の取得に成功しました。『H-38号機』はパラシュートが開傘せず機体が大破したものの、メンバーが雪の中から内蔵のICを探し出し、大破した原因を解析することが出来ました。またこの大破により、『H-39号機』の打ち上げを断念することとなりました。

打ち上げられた4機の実験詳細は以下の通りです。

【H-36号機】

打ち上げ日:8日に発射予定であったが、濃霧のため延期。12日に再度打ち上げた。

全長1.751mm,直径154mm,重量9.6kg,到達高度

実験目的:新しいバルブシステムの技術立証

【H-37・38・39号機】

打ち上げ日:H-37(7日)、H-38(8日)、H-39(中止)

全長1.543mm(ビトー管含む),直径154mm,重量7.3kg,到達高度約500m

実験目的:パラシュート解散時の衝撃値であるオープニングショックの測定、機体の再利用性

プロジェクトメンバーの植松千春さん(工学部航空宇宙学科3年次生)は「会場は積雪量のため、観測を予定していたポイントまで行くことが出来ないなどの制約がありました。しかし、メンバーはこれまでの実験の経験から、終始落ち着いた状態で実験を進めることが出来ました」と語りました。

※ハイブリッドロケット・・・異なる2種類の推進剤からなるエンジンシステムを搭載したロケットのこと

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