3.11生活復興支援プロジェクトが大船渡市に建築した「結っ小屋」の完成式を開きました

3.11生活復興支援プロジェクトが、岩手県大船渡市三陸町越喜来(おきらい)泊地区に集会所「結っ小屋」を建設し、4月26日に完成式を行いました。結っ小屋は東日本大震災直後の2011年5月に地域住民の要請を受けて建設した応急公民館「どんぐりハウス」を移築した施設です。これまで地域集会の会場や全国から届く支援物資の備蓄倉庫としても活用されてきたどんぐりハウスは、14年に泊地区公民館が完成したため撤去されましたが、「これまでの心のよりどころをただ解体してしまうのは忍びない」との声を受け、今年の2月から再建を進めてきました。移転地は高台にあり見晴らしもよく、災害跡地を見渡すことができる場所に位置しています。また名称は人と人を結ぶ出会いの場になるようにとの願いを込めるとともに、語尾に「っこ」と付ける地域の方言を織り込んで「結っ小屋」とあらためました。

完成式の前日には建設廃材を再利用した花壇造りや建物内に泊地区の復興への取り組みを伝える写真を掲示。さらに前夜祭としてプロの音楽家を招いての演奏会などを企画し、完成式に華を添えました。当日はプロジェクトの学生約10名や地域住民ら約50名が参加。チャレンジセンターの木村英樹所長(工学部教授)が、「結っ小屋は完成しましたが、これが復興支援の終わりではありません。地域住民の交流、そして震災を忘れない場として活用してください」とあいさつした後、テープカットなどを実施し完成を祝いました。

泊地区の前野浩哉公民館長は、「学生のみなさんのおかげで、また一歩復興に近づくことができました。震災後、海岸沿いに住んでいた一部の人が1kmほど離れた高台に引っ越し、そこに残った住民との交流が減っています。結っ小屋は海岸と高台をつなぐ“結の道”の中間に位置しているので、この場所を活用して多くの行事などを実施していきたい」と話しました。また、プロジェクト立ち上げ当初からアドバイザーとして学生を指導するとともに、同地区の復興まちづくりに取り組んできたNPO法人アーバンデザイン研究体の理事長も務める工学部建築学科の杉本洋文教授は、「今後は小屋周辺の整備も進め、泊の未来に向かって交流の輪が広がることを期待しています。今後も持続可能なまちづくりを地域、学生と一体になって取り組んでいく」と話します。

今回の企画リーダーを務めた花塚優人さん(工学部建築学科3年次生)は、「今年2月から移設に向けた工事を始め、天気の影響で工程が遅れるなどさまざまな苦労もありましたが地元住民の方たちの協力があり、形にすることができました。住民の皆さんに喜んでいただけて光栄です。今後も被災地を忘れることなく、活動を進めていきます」と力強く語っていました。

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