東海大学学生ロケットプロジェクトが3月2日、6日に、大樹町多目的航空公園(北海道広尾郡大樹町)および指定保安区域において、”到達高度のさらなる向上を目指し開発を重ねた新型エンジンならびに新機体構造、新バルブシステムなどの技術実証”を目的として、ロケット2機の打ち上げ実験を実施しました。
大樹町での打ち上げは、今回で12回目。実験に使用するロケットやエンジン、発射台(5m)は、すべてプロジェクトメンバーの手によって開発・改良したもの。エンジンは、固体燃料と液体酸化剤を組み合わせて使用するハイブリッド型で、胴体の構造材には鉄やアルミより軽量で強度が高い炭素繊維強化プラスチックを採用。機体には、加速度センサやジャイロセンサ(傾きを検出するセンサ)、気圧・温度センサなどの各種センサのほか、テレメータ(遠隔計測装置)などの測定器を搭載しています。
3月2日は、1・2年次生が製作したハイブリッドロケット41号機(TSRP-H-41)を打ち上げました。従来のJ型よりパワフルなK型モータを使用し、高度約400mに到達しました。6日に打ち上げたハイブリッドロケット40号機(TSRP-H-40)は、これまでで一番大きい直径183mmの規格に挑戦。新型バルブシステムを搭載した40号機は高度約900mまで上昇したのち、搭載していたパラシュートが開き、無事にデータを記録した測定器を回収することが出来ました。
プロジェクトメンバーの谷口友(とも)望(み)さん(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻2年次生)は「雪国で打ち上げることを想定し、いくつもの動作確認をしながらプロジェクトメンバーと1年間、ロケット開発を進めてきました。打ち上げ当日は、途中トラブルが生じることもありましたが、細部にまでリハーサルの動きを意識し、慌てることなく順調に準備を進めることが出来ました。ロケットが空高く昇っていく様子を見た時はとても感動したと同時に、この成功を糧に、来年度の夏に打ち上げ予定のロケット開発に全力で臨みたい」と語りました。