2019年10月15日 アメリカ・Michiganをかわして5番手から上位を追走しています

前日に第4コントロールポイント(CP)のバロウクリークから1327km地点まで到達していた東海大学ソーラーカーチームは、第5CPのアリススプリングス市街地を走った経験が豊富な佐川耕平総監督(工学部電気電子工学科助教)がファーストドライバーを務めて午前8時に出発します。晴天に恵まれる中、アメリカ「University of Michigan Solar Car Team」に先行を許しますが、長い上り坂が続くコースを順調に巡航します。アリススプリングスには6番手で到着。Michiganとは約2分、その前を行くドイツ・アーヘン大学の「Team Sonnenwagen Aachen e.V」とは約12分とわずかな差となりました。ここでの停車時に、事前に大会側から指示された停車方法が直前になって変更されましたが、偵察車や伴走車で先回りしていた福田紘大監督(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻准教授)や学生メンバーが適切に対応。佐川総監督が停車後にマシンの方向を変えて充電姿勢を整えました。

福田監督は、「昨日のまでの2日間はCPでの動きや情報伝達、マシンの誘導などにもたつく場面も多く、ミーティングで改善策を話し合いました。学生たちはフォーメーションや連絡方法を見直し、おおむね適切に対応できていました。事前のシミュレーションはしてきましたが、やはりレース本番での経験が大切です。次回以降のレースにもつなげていけるよう学んでほしい」と期待を寄せます。偵察車の一員としてマシンの誘導を担当した石渡智央さん(工学部機械工学科4年次生)は、「アリススプリングスのCPは入り組んだ場所にあるため、特に伴走車に早く向かってもらい人員を増やすとともに、無線連絡も衛星携帯電話も合わせて密にして情報を共有することで、全員で対応できたと思います。明日以降も今日の調子で進めていきたい」と話しました。

チームはここで、ドライバーを学生メンバーの伊坪岳陽さん(工学部電気電子工学科2年次生)に交代。2分先にスタートしたMichiganを約100kmにわたって追走し、スタートのダーウィンから約1600km地点の直線で追い抜きます。その後は時速約90kmで巡航し、じわじわと差を広げました。第6CPのカルゲラには13時39分に到着。30分の義務停車の後は、長距離かつ高温下であり、強風や砂嵐も予想されるドライブとなることから再び経験豊富な佐川総監督がステアリングを握ってスタートを切りました。途中、カルゲラから約20km先のノーザンテリトリー州と南オーストラリア州の境を超えて順調に走行。現地でウィリー・ウィリーと呼ばれる強いつむじ風に見舞われながらもAachenや3番手のベルギー「Agoria Solar Team」を追いかけます。レース終了時間の午後5時には、2025km地点にあるロードハウスのキャドニー・ホームステッドに到達しました。チームメンバーたちは強風にマシンがあおられないよう必死に抑えながら、分厚い雲の合間から差し込む日光に向けて太陽光パネルを向け、明日朝8時からの走行に備えました。

「初日から2日間は同じような天候が続きましたが、ここからは雲や風の状況が変わってきます。トップチームはしっかりと応じてくるものですが、我々も負けないようにうまくその状況を生かしていければ」と福田監督。佐川総監督は、「前を行くチームも同じような環境に置かれていることから、エネルギーを温存する作戦をとっていることも考えられます。ライバルチームの戦略もしっかりと見極めて対応していきます」と明日以降の戦いを見据えています。