秦野市の連携40周年を記念した企画展「秦野盆地の外の世界-大根・鶴巻の歴史と文化-」がはだの歴史博物館で開催されています

ティーチングクオリフィケーションセンターでははだの歴史博物館と連携して1月28日から4月9日(日)まで、同館第1企画展示室で「はだの歴史博物館・東海大学提携事業 企画展『秦野盆地の外の世界-大根・鶴巻の歴史と文化-』」を開催しています。1983年に「秦野市・東海大学提携事業」が始まってから今年で40年が経つことを記念し、同博物館が企画、本センターが協力したものです。湘南校舎に通う学生が主に生活の拠点とする大根・鶴巻地区の歴史と文化を紹介。1月27日には、本センターが開講する「博物館実習2(松前記念館実習)」を受講している学生たちが展示パネルの制作や企画展に出展する考古資料の展示作業に協力しました。

企画展は、「弘法山をめぐる歴史と伝説」「現在に残る文化遺産」など5つのテーマで構成されており、その内の1つ「東海大学前駅・鶴巻温泉駅の歴史」を学生が担当。秦野市内にある小田急小田原線4駅のうちの大根、鶴巻地区にある2つの駅にフォーカスを当て、その歴史や駅前の商店街の変遷について9枚のパネルで紹介しています。また、特設コーナーの「ハンズオン展示」(さわる展示)では、東海大学松前記念館とはだの歴史博物館が取り組む、誰もが楽しめる博物館「ユニバーサル・ミュージアム」に向けた活動を知ってもらおうと、両館が所有する資料の中から「材質」をテーマに石器や彫刻作品などを直接触る展示コーナーも設置。さらに、提携事業の紹介として、これまで秦野市内で本センターの篠原聰准教授と学生らが行ってきた屋外彫刻のメンテナンス活動の記録や使用した道具を展示しています。

学生たちは、1月16日に同博物館で学芸員を務める秦野市生涯学習課文化財・市史担当の横山諒人氏から企画展のコンセプトや概要について説明を受けた後、それぞれがネットや図書館の資料などを活用して調査を開始。収集した資料から展示する情報を精査して、写真やイラストを交えた解説パネルを作成しました。長谷さくらさん(文化社会学部4年次生)は、「企画から展示までの流れを学ぶだけでなく、通学時に利用してきた鶴巻温泉駅の名称が4回も変わっていたことなど、大学周辺の歴史をあらためて知る機会になりました。展示する環境に合わせて位置やコンセプトなどを決める作業は、一定の決まりはあるももの自由な選択が多く、それ故にさまざまなスキルや視点が求められることを実感しました」と語り、木部聖也さん(同学部4年次生)は「来場者にしっかりと意図が伝わるように導線を考える中で、博物館や展示会の細部への気遣いや見せ方など作り込まれていることに気付きました。自分たちが考えた展示を見て、来場者の方がどのように感じてくれるのか楽しみです」と話していました。

企画展を立案した横山氏は、「2020年11月の当館リニューアルオープン時には展示台の作成や昨年のハンズオンコーナー設置など、東海大学との事業を近年は特に活発に行わせていただいており、今年で連携40周年という節目ということもあり、企画展を提案させていただきました。今回、学生に担当いただいたパネル作成は、学芸員だけでなく、社会に出ても重要となる『伝わりやすい文章・見せ方を作る』というスキルを磨く機会になったのではないでしょうか」と振り返り、学生の指導にあたった篠原准教授は、「地域連携の重要性を含め、学芸員の仕事の1つである展覧会の実務の一端を学べたと思います。また、芸術学科の学生がイラストを描くなど、それぞれの強みを生かしながら協力して作業する場面もありました。大学に縁の深い大根・鶴巻地域の歴史や文化の魅力を再発見するだけでなく、考古資料の展示作業にも関わらせていただくなど、博物館連携ならではの活動が展開できました。触る展示なども体験できる企画展となっているので、是非足を運んでもらいたい」と話していました。

【会 場】
 はだの歴史博物館・第1企画展示室(神奈川県秦野市堀山下380-3)

【会 期】
 1月28日(土)から4月9日(日)まで

【入場料】
 無料