東海大学では9月19日に湘南キャンパスで、2025年度春学期学位授与式を執り行いました。今学期は、湘南、品川、伊勢原の各キャンパスにある大学院から博士学位取得者14名(課程博士11名、論文博士3名)、修士学位取得者12名が修了し、学部から208名が卒業を迎えました。なお、同日には静岡キャンパスで、18日には熊本と札幌の両キャンパスでも学位授与式を執り行っています。

湘南キャンパス2号館大ホールで行った学位授与式では、木村英樹学長が学位記ならびに修了証を授与しました。式辞に立った木村学長は、「現代社会において人工知能の発展は目覚ましく、人間の能力をはるかに凌駕するシンギュラリティと呼ばれる特異点に達し、後戻りできないほどの大きな変革を迎えると言われています。これは本学が建学100周年を迎える2042年のすぐ後の2045年ごろではないかという予測もあります。さらに、ロボティクスの進化は人間の肉体よりも優れたマシーンを生み出すことでしょう。人類が一歩間違えば映画の中に出てくるような人工知能とロボットに支配される世界が到来する可能性を意味しています。しかしながら、一人ひとりが確立する思想は人工知能にはまだ備わっていません。また、現状を打破する、希望を実現するためのチャレンジはロボットにはできません。卒業生の皆さんにとって、長い人生で見れば本学でのキャンパスライフはあっという間に過ぎたものではないかと思います。しかし、ここで学んだ知識と経験、得た友人や先生方はこれからの人生を必ずや豊かにしてくれることでしょう。人は一生学び続けます。ぜひ皆さんにはシンギュラリティ以降の時代を迎えても思想と希望をもって社会に貢献し、人類の幸福と平和を実現するためにたゆまぬ努力を継続してほしいと願っています」と呼びかけました。
続いて、学校法人東海大学の松前義昭総長・理事長が成績優秀者に総長賞を授与するとともに祝辞を述べ、「創立者・松前重義博士は建学に当たって『若き日に』から始まる『思想を培え』『体躯を養え』『智能を磨け』『希望を星につなげ』という四つの言葉を残しました。『若き日に』は人の一生における青春の心を持った人のことです。続く言葉はその青春を保つための手段であり、人生をより良くするためのものです。本日皆さんが授与された学位記はそのための一要素です。『希望を星につなげ』は人生における青春をいつまでも続けよという創立者の強い希望と願いが込められています。一日一日を充実して過ごし、将来に関する人生設計を日ごろから考え、しっかりと頭に入れて生活してください。何のために今生きて、過ごしているのか、考えればおのずと人生観が確立されていきます。一歩一歩前に進み、青春を続けてください」と語りかけました。
なお、今回の学位授与式では本学と学術交流協定を結び長年にわたって連携しているタイ・モンクット王ラカバン工科大学のコムサン・マリーシー学長への名誉博士(学術)の学位授与式も執り行いました。








