「TOKAI Research ColLab2025」を開催しました

東海大学では2月20日に湘南キャンパスで、「TOKAI Research ColLab2025」を開催しました。本学における研究プロジェクトや各研究所・学部学科の研究室などによる成果報告や、研究者・企業関係者の交流の場として企画したもの。総合大学のスケールメリットを最大限に生かし、分野を超えた研究交流の促進や、研究者同士の相互研鑽を深め、新たな研究の種を見つけることを目的としています。当日は、成果発表会や学術講演会、ポスターセッションなど多様なプログラムを実施し、教員や学生、大学院生、企業関係者ら約470名が参加しました。

初めに学長室(研究推進・産学連携担当)の中島孝部長(情報理工学部教授)があいさつに立ち、「教員や学生、企業関係者らがこれだけ大きな規模で研究成果を披露するイベントは全国の大学の中でも大変珍しいと思います。参加者の皆さまには多くの講演や発表、ポスター発表などに耳を傾けていただき、東海大でどのような研究が行われているのか、どのようなコラボレーションが可能であるかを考え議論していただきたい」と語りました。続いて、高木啓介特任講師(総合科学技術研究所・URA/GTIE担当)が登壇し、「研究×社会実装×スタートアップ:JST GTIEと創る東海大学スタートアップエコシステム」と題して講演。本学が2024年度から参画するGTIE(大学発スタートアップ創出を目指すプラットフォーム)の概要やGTIEに採択された学内の研究事例を紹介。「エントリーコ―ス」に採択された総合科学技術研究所の野原徹雄研究員と農学部の永井竜児教授がビデオメッセージで自身の研究概要を説明し、「エクスプロールコース」に採択された医学部の林丈晴教授は会場で、心筋症の新規治療薬の実用化に向けたプロジェクトについて解説し、「世界中の患者さんと医師に新薬を届けたい」と目標を語りました。

また、先進生命科学研究所による「研究プロジェクト成果報告会」では、岩岡道夫所長(理学部教授)が学部学科横断型の研究活動を紹介。所属する理学部化学科の小口真一教授と関根嘉香教授、農学部の米田一成教授が登壇し、自身が取り組む研究の概要や学外機関との連携事例について解説しました。学園の教員を対象に競争的研究資金の獲得を目指す研究を公募して育成・複数年の研究費支援を行う「総合研究機構プロジェクト研究」の成果発表会では、3年間の採択期間を終える2課題について発表。医学部の遠藤整准教授と森屋宏美准教授が登壇。プロジェクト研究の支援を受けて取り組んだ研究を振り返り、成果や課題、今後の展望などを語りました。

続いて、秦野伸二副学長(研究担当)が「東海大学の研究支援体制について」をテーマに講演しました。本学が総合大学として発展してきた歩みを紹介し、「総合研究機構を中心とした共用設備の戦略的運営や、80名以上の技術職員による支援体制、遠隔利用やデータ管理の高度化、URA体制の強化など、体制整備を進めています。研究インテグリティの徹底と研究力向上を両立させ、文理融合型研究を推進していきます」と語りました。また、木村英樹学長が18歳人口の減少や教員の研究時間確保といった課題に触れ、「研究と教育の両輪を強化する必要があります。研究力の質と量を高めていかなければなりません」と説明。来年度の組織改編などを通じ、「スピード感のある改革を実行していきます」と力を込めました。

「学生×企業キャリアマッチング会」での初の試みとして、「学生フラッシュプレゼン」「企業フラッシュプレゼン」そして「学生-企業マッチングテーブル」を実施しました。「学生フラッシュプレゼン」では、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による博士課程(後期)学生支援事業・通称SPRINGの採択を受けて本学が進めるTokai-SPRING SACRAの採択学生や若手研究者を中心とする約45名による、一人1分30秒の研究ショートプレゼンで自身のポスター発表をアピール。企業・団体・行政機関の約30団体による「企業フラッシュプレゼン」では、一団体3分間とコンパクトな時間で自社等の魅力を濃縮して紹介いただきました。更に「学生‐企業マッチングテーブル」として、約40社の企業・行政機関に個別テーブルを設け、学生は企業・機関担当者と30分の個別面談を行いました。3つのプログラムを通じて、学生と企業・機関のインタラクティブな交流がなされ、日ごろの研究や将来のキャリア形成について意見が交わされました。

また、19号館1階のカフェラウンジで実施したポスターセッションでは、湘南、品川、静岡、熊本、札幌の各キャンパスの学生と大学院生の研究成果や、総合研究機構による「プロジェクト研究」「研究スタートアップ支援」、各センター・研究所の取り組みなども紹介しました。

情報交換会では、総合理工学研究科の喜多理王研究科長(マイクロ・ナノ研究開発センター教授)があいさつし、各企画の参加者が研究や教育活動について意見を交わし交流を深めました。また、ポスターセッション参加者を対象にオンライン投票で高評価を得た12名を表彰(受賞者の研究テーマと氏名は記事末尾に記載)。受賞者には表彰状と共に、副賞として株式会社ニコンソリューションズから記念品が贈呈されました。閉会にあたり秦野副学長が登壇し、「各キャンパスから多様な研究成果が一堂に会して交流を深めることは、本学の研究力の基盤を強めることにつながります。若手研究者の皆さんは時代の流れを意識し、今後も真摯に研究に向き合ってほしい」と話し、参加者らに謝辞を述べました。

優秀ポスター賞の受賞者と研究テーマは以下のとおりです(敬称略)。

▼「部分的に氷結したフルクトース水溶液で観測される二つのガラス転移」
樋口 将馬(総合理工学研究科総合理工学専攻1年次生、マイクロ・ナノ研究開発センター 特定助手)
▼「リン酸化されたイノシトール水溶液の熱泳動」
福岡 優斗(総合理工学研究科総合理工学専攻1年次生、マイクロ・ナノ研究開発センター 特定助手)
▼「水素雰囲気下における炭酸カルシウムの低温熱分解反応の調査」
吉田 有章(総合理工学研究科総合理工学専攻3年次生、マイクロ・ナノ研究開発センター 特定助手)
▼「画像解析を用いたマウス脳内Neurofluid動態の可視化」
村山 敬太(総合理工学研究科総合理工学専攻1年次生、先進生命科学研究所 特定助手)
▼「ミトコンドリア電子伝達異常が引き起こす酸化ストレスと骨格筋老化」
戸田 陸斗(総合理工学研究科総合理工学専攻1年次生、Tokai-SPRING SACRA選抜生)
▼「福島原発事故処理水の分離処理の実現に向けた熱拡散現象による水同位体の分離」
中村 倫(理学部物理学科4年次生)
▼「線状降水帯形成における地形(標高)の役割  〜九州を対象として数値実験〜」
宇井 啓人(工学研究科電気電子工学専攻1年次生)
▼異常検知を用いた鉄筋コンクリート打音検査の自動化
高橋 清彦(工学研究科電気電子工学専攻1年次生)
▼香水を長持ちさせるための新規微粒子材料の開発 〜中空状メソポーラスシリカディスクの創製〜」
除村 典子(工学研究科応用理化学専攻2年次生)
▼「環境DNAを用いたエチゼンクラゲNemopilema nomuraiの出現把握」
小峰 あかり(海洋学研究科海洋学専攻1年次生)
▼「真田・北金目遺跡群から古墳時代像をみなおす」
白川 美冬(文学研究科史学専攻3年次生、文明研究所 特定助手)
▼「東海大学総合研究機構と医学部における研究支援施策の連携  〜網羅的かつ発展性ある制度構築に向けて〜」
小泉 絢(研究イノベーションセンター研究支援室)