駐日アイスランド大使による講演会「男女平等No.1!! アイスランドの魅力」を開催しました

湘南キャンパスで11月23日に、駐日アイスランド共和国大使館のエーリン・フリーゲンリング大使による講演会「男女平等No.1!! アイスランドの魅力」(主催:東海大学グローバル推進本部、協力:文化社会学部北欧学科)を開催しました。この講演会は、東海大学国際化を進めるため、毎月さまざまな分野の専門家が全編英語による講演を行う”Global Citizenship Seminar”として開催されたものです。

講演会では、まず山田清志学長が開会のあいさつを述べ、「東海大学は北欧諸国の中でもデンマークとつながりの深い大学ですが、アイスランドも重要なパートナーであると考えています。今日は参加者の皆さんがアイスランドの現状からよいひらめきを得てくれることを期待しています」と語りました。

続いて、本学教養学部国際学科を2017年度に卒業し、在学中にアイスランド大学へ留学した小林百合子さんが登壇。小林さんは、アイスランドを留学先に選んだ理由について「自然が豊かで娯楽が少ないので勉強に打ち込める、東海大学とアイスランド大学は単位互換制度が確立されている、アジア人が少なく語学を習得しやすい」と語り、日本の大学との授業内容の違いや現地での生活、多国籍の留学生との交流の魅力などを紹介しました。最後に学生たちに向けて、「留学を希望している人もいると思いますが、やみくもに挑戦しないことが大切です。明確な目標がないと“なぜここにいるのか、なぜこの国を選んだのか”と自問自答することになります。また、留学そのものが目標になってしまってもいけません。留学はあくまで自らのスキルアップのための一つのステップです」と自らの経験を踏まえたアドバイスを送りました。

その後、アイスランドの観光PRビデオの上映に続いてフリーゲンリング大使が登壇し、自らの生い立ちに続いてアイスランドの基礎情報として国旗の由来や言語、国土面積、気候、人口と主な都市、政治体制などについて紹介しました。また、主要な輸出品目や地熱エネルギーの利用、北極海域の開発調査、観光業による経済回復といった経済活動について説明。さらにアイスランドと日本の共通点について「同じ島国であり、火山国、温泉文化も共通しています」と語りました。また、「ジェンダー平等を目指したアイスランドの思いとは」と題して、9年連続でジェンダー平等国世界一位を誇り、今年1月には性差による給与差別の禁止する法律が制定されるという世界に先駆けた取り組みについて語りました。また、「アイスランドがこのような国家に至るまでには1907年に女性の権利協会が設立され、15年に議会選挙権が女性にも与えられるなど早い段階で法整備が進んでいたという背景があります。その後70年代には初の女性主務大臣が誕生し、その他にも女性市長などが続々生まれています。首相には女性が2度、外務大臣には3度就任しています」と解説し、「1975年10月に女性が一斉にストライキをした出来事が、アイスランド社会に非常に大きな影響を与え、私自身も当時のことをよく覚えています」と語りました。最後に今年9月に日本とアイスランド間でワーキングホリデー協定が結ばれたことに触れ、「アイスランドへの留学を支援する奨学金も多数用意されています。ぜひアイスランドにいらっしゃってください」と呼びかけました。

講演の最後には北欧学科の学生から花束を贈呈。吉川直人副学長が閉会のあいさつを述べ、「講演を通じて、平等なジェンダーという観点において日本はとても遅れていると感じました。アイスランドは日本からとても離れていますが、学ぶべきことが多くあります。多くの学生がアイスランドに留学し、その社会について学んでもらいたい」と話しました。

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