「ライフケア分野におけるブリッジ人材育成」事業の中間報告シンポジウムを開催しました

東海大学では2月18日に東京・霞が関の東海大学校友会館で、本学が文部科学省の平成29年度「大学の世界展開力強化事業~ロシアとの大学間交流形成支援~」の採択を受けて展開している「ライフケア分野におけるブリッジ人材育成:主に極東地域の経済発展を目的として」事業の中間報告シンポジウムを開催しました。本事業は、ロシアの大学との学生相互派遣プログラムを通して、極東地域を中心とするロシアのライフケア分野の育成や日露間のビジネスに貢献できる人材の育成を目指すものです。シンポジウムは、2017年の事業開始から3年目を迎えたことから、これまでの活動成果を共有するとともにさらなる発展に向けた意見交換を行う機会とすることを目的としています。行政や企業の関係者、学生ら約80名が参加しました。

開催にあたって、本学の吉川直人副学長と文部科学省高等教育局高等教育企画課国際企画係長の梅木慶治氏があいさつ。梅木氏は、「近年日露間では、幅広い分野での人材交流が進んでいる中、東海大学は学生の相互派遣プログラムを展開しています。その結果、派遣学生数は2013年に比べて2倍、受け入れ数は7倍になるなど大きな成果を収めています。将来の人的交流発展に大いに資するものであり、さらなる大学教育の国際化に期待している」と語りました。

第1部の基調講演では、事業責任者である国際教育センターの山本佳男所長が事業の概要と成果を説明。また、極東連邦大学生物医学部副学部長のクメイコ・ヴァディム氏が、それぞれの人に個別化された医療への転換やバイオテクノロジーや医学、公衆衛生学など多分野の融合による予防医学導入の重要性、次世代の予防医学を担う人材を育成する同大学の教育改革について語りました。またキャリアバンク株式会社執行役員・海外事業部部長の水田充彦氏が、日本で働くロシア人の数や就業分野、就業の障壁となっている要因などを解説しました。

第2部のパネル討論「日露ライフケア人材育成、産学・地域の連携とその課題」では、グローバル推進本部の山口滋本部長がモデレーターを務め、健康学部の石井直明教授、株式会社ケイエスピー代表取締役社長の内田裕久氏(東海大学特別栄誉教授)、伊勢原市保健福祉部健康づくり課課長の高橋健一氏、一般社団法人ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所調査部部長の中居孝文が登壇。東海大学が伊勢原市や秦野市との地域連携で行っている高齢者向け簡易健康診断「健康バス」をはじめ、健康長寿社会実現に向けた本学の取り組み、伊勢原市の活動、産業分野から見たヘルスケア産業の動向、医療分野での日露連携の事例が紹介されました。その後、各講演の内容を踏まえて、最近の両国の貿易関係や人材ニーズの変化と今後の可能性、健康管理にかかわる取り組みを通して収集されるビッグデータの取り扱いなどについて幅広い視点から意見交換が行われました。

山本所長は、「今年度は極東総合医科大学との学術交流協定も締結し、本事業において計画していたすべての大学との交流プログラムが始まるなど、当初の予定通りの成果を収めることができています。本事業においてはこれまで述べ約200名の学生がこのプログラムに参加していますが、今後は彼らが両国のライフケア分野で活躍できるような場を紹介し、キャリア形成を支援するプログラムを充実させ、当初の目的の達成につなげていきたいと考えています。その一方で、本事業の成果を継続発展させる方策についても議論を進めています。日露の大学間でのダブル・ディグリー・プログラムの導入を軸に、学生の相互派遣プログラムで培っているノウハウをライフケア分野以外に展開することなども検討していきたい」と話しています。

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