アグリビジネス新技術説明会に出展しました

産官学連携センターでは、11月22日に科学技術振興機構と共に「アグリビジネス新技術説明会」を開催し、本学の研究成果を紹介しました。首都圏で農学系学部を有する私立五大学(玉川・東海・日本・明治・東京農業)は、産官学連携によるアグリビジネス創出を目指して、2005年度より毎年「アグリビジネスフォーラム」を開催してまいりました。また近年はアグリビジネス創出フェアに共同で出展し、セミナーを通して研究成果を紹介してきました。今年度は、研究成果の技術移転に向けてより具体的に歩みを進めることを目指し、新技術説明会において各大学のシーズを発表いたしました。本学からは、生物学部海洋生物科学科の櫻井泉教授が取り組む「高い生残性を期待できるマナマコ中間育成・放流技術」について紹介しました。

櫻井教授は、中国市場で食用ナマコの需要が高まり価格が急騰している中、日本各地でマナマコの人工種苗生産・放流が行われている一方で、放流後に外敵からの食害によって回収率が低くなっている現状について紹介したうえで、その対策として2013年度から株式会社西村組と産学連携で取り組んできた稚ナマコを一定の大きさで収容し、分散や食害を防止するための中間育成施設について解説。施設は稚ナマコを収容する箱本体と、その本体を安定させる錘、内部に海水を導入する海水交換手段、稚ナマコが付着するための飼育マットから構成されており、これらの特徴や模型実験の結果などから、「この施設を用いることで、稚ナマコの分散を抑制し、外敵からも守ることができる。そのため高い回収率での中間育成が可能になります。蓄養用としても大型個体の出荷調整に活用できるので、高価格かつ安定的な供給が期待できます」と力説しました。

終了後には興味を持った企業関係者らから多数の質問があり、個別相談にも応じました。櫻井教授は、「匍匐性動物の増養殖などを検討している漁港漁場整備を手掛ける建設会社には、この技術の導入が有効です。こういった機会を通じて、より多くの企業や団体、行政機関などにアピールし、実用化につなげていきたい」と話しています。

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