1面(TOKAI SPORTS)

【箱根駅伝】

 駅伝チームは、2018年度の箱根駅伝で46回目の挑戦にして初の総合優勝を成し遂げた。しかし21年度に総合11位、昨年度は総合15位と、総合10位までに与えられるシード権を逃す苦しい戦いが続いている。  再び箱根路での輝きを取り戻そうと、今年度は「復活の狼煙〜返り咲け東海〜」をスローガンに掲げた。ミーティングの回数を増やして目標を確認し合ったり、練習前にはチーム全体で声を出し合って士気を高めたりと一丸となって再起への歩みを進めてきた。

 10月14日に東京都・国営昭和記念公園で行われた箱根駅伝予選会では、「リスクを減らすべく、あえてトップ通過を目指さず、各選手が余裕を持って走り切れるタイムを設定した」と両角速駅伝監督(スポーツプロモーションセンター教授)。レースではほとんどの選手が持ちタイム通りの走りを見せ、総合10位で本戦出場権を獲得。チームトップの鈴木天智(体育学部2年)やルーキーの南坂柚汰(同1年)、兵藤ジュダ(同2年)ら下級生の走りが光った。
 昨年度から主軸として活躍する花岡寿哉(情報理工学部2年)に加え、新戦力となる選手が力をつけている。鈴木は、「昨年度は後半に失速してしまったが、今年度は速いペースで粘ることができた」と自身の成長を実感した様子だった。
11月5日に愛知県・熱田神宮から三重県・伊勢神宮間で行われた全日本大学駅伝対校選手権大会でも、兵藤が2区で順位を3つ上げる好走。南坂や折口雄紀(体育学部4年)も区間順位1桁でつなぎ、エース級の選手が集う7区では花岡が区間7位の走りを見せた。エースの石原翔太郎(同)や越陽汰駅伝主将(同3年)らが欠場する中で、昨年度の総合10位を上回る総合9位となった。
 箱根路での3年ぶりとなるシード権獲得に向け、両角監督は、「選手たちは右肩上がりに成長している。勢いを落とさずチーム全員でしっかり勝負していきたい」と話す。また、指揮官が「シード権獲得の鍵を握る選手」と期待を寄せる花岡は、「区間賞を取り、チームを引っ張る走りをしたい」と意気込んでいる。 (吉田)

全日本大学駅伝 東海大学成績

区間選手区間順位総合成績
1区佐伯 陽生(体育学部4年)16位15位
2区兵藤ジュダ(同2年)9位12位
3区野島 健太(文化社会学部3年)11位12位
4区南坂 柚汰(体育学部1年) 9位10位
5区湯野川 創(同2年) 11位12位
6区折口 雄紀(同4年)9位10位
7区花岡 寿哉(情報理工学部2年)7位10位
8区竹割 真(文化社会学部2年)13位9位

 

同期の成長を刺激に
チームを勢いづける2年生

 今年度の駅伝チームは上級生の活躍だけでなく、実績のある花岡に加え、予選会チームトップの走りを見せた鈴木や、11月26日の日本体育大学長距離競技会1万㍍で28分14秒75を出した兵藤ら、2年生の活躍が目覚ましい。

 その裏には、「お互いがライバル」と同期同士で対抗心を燃やし、日々競い合う環境がある。鈴木は、「同級生の誰かが結果を残すと、〝自分もやってやる〞という気持ちになる」と語り、昨年度、ルーキーながら箱根駅伝7区に出走した竹割真(文化社会学部2年)も、「いちばん刺激を受けるのが同期の活躍」と成長の糧にしているという。

 また2年生の提案で週に一度、学年ごとのミーティングを行い、競技に対する意見交換だけでなくゲームなども取り入れながら親睦を深めている。「駅伝にはチーム力が必要」と花岡が話すように、タスキをつないでゴールを目指す駅伝には、絆の強さも欠かせない要素だ。

 成長著しい彼らが見据えるのは、4年時での箱根駅伝総合優勝だ。花岡は、「上級生がいる今のチームでも、自分たち2年生が積極的に引っ張っていきたい」と語っており、復活への道を進むチームの原動力になりそうだ。 (吉田)


【全国大学選手権】

 9月9日から11月26日まで、東京都・秩父宮ラグビー場などで行われた関東大学リーグ戦。ラグビーフットボール部は拓殖大学との開幕戦から第6戦まで3トライ以上の差をつけるボーナスポイントを獲得しながら勝利を重ねてきた。

 リーグ優勝をかけて迎えた最終戦の流通経済大学戦は、ここまで全勝同士の対決となった。木村季由監督(体育学部教授)が、「前節の東洋大学戦よりもさらにアグレッシブなプレーを求めた」と話したように、選手たちも積極的にボールを動かし続け、得点を重ねる。試合終盤まで粘る流経大を34―31で振り切り、史上初となるリーグ戦6連覇を達成した。
 木村監督は、「競った試合展開で勝ち切れたのは大きい」とたたえる。谷口宜顕主将(体育学部4年)も、「6連覇は通過点として、選手権でも勝利を積み上げていきたい」と語った。
 今季は、谷口主将や1年生ながらリーグ戦ベストフィフティーンに選出されたコンラッドセブンスター(同1年)ら走力の高いBKがそろう。中でも武藤ゆらぎ(同4年)は、司令塔のポジションで6連覇に貢献。ラン、パス、キックどれをとっても大学トップクラスの能力を誇る。攻撃の核となる武藤は、「BKにいい選手が多く、付属大阪仰星高校で共にプレーしてきた仲間もいるので、連携も取りやすい」と語る。谷口主将とともに1年時からリーグ戦出場を続けてきた経験を生かし、チームを勝利に導く。
 FWは強靭なフィジカルで相手を突破するアフ・オフィナ(同)が春からチームを牽引してきた。ほかにもU― 20 日本代表候補にも選出された薄田周希(同2年)ら、力のある選手がアタックで存在感を示してきた。
 チームは選手権に向けた1カ月間で、さらに練習を重ねている。谷口主将は、「目標である大学日本一を成し遂げるために春から準備を続けてきた。関東大学対抗戦の上位チームや全国の強豪に勝つために、練習でも試合と同じ緊張感を意識して成長したい」と意気込んでいる。 (山本)

大学日本一への道のり

 今年度も大学ラグビー最高峰の選手権が幕を開けた。関東大学対抗戦や関西大学リーグなど、各地でしのぎを削り、上位で勝ち抜いてきた大学が集まる、負けたら終わりの一発勝負の戦いだ。東海大は12月23日の準々決勝から登場し、初戦は大阪府・ヨドコウ桜スタジアムで天理大学(関西大学リーグ2位)と慶應義塾大学(対抗戦5位)の勝者と対戦する。
 来年1月2日の準決勝では、優勝候補筆頭の帝京大学(同1位)との対戦が濃厚。対抗戦では全勝優勝を果たしており、選手権3連覇を見据える絶対王者との一戦が大学日本一へのヤマ場となる。
 決勝では、世代別日本代表を多数擁する明治大学(同2位)や選手権で最多16度の優勝を誇る早稲田大学(同3位)などとの対戦が予想される。  リーグ戦王者の誇りを胸に、大学の頂点を目指す戦いがいよいよ始まる。 (山本)

会場で選手たちに熱い声援を送ろう!
全日本駅伝でもエールを送った学生応援団

 東海大学では、正月の大一番に挑む両チームを後押ししようと、さまざまな応援プログラムを準備している。
12月13日の昼休みには湘南キャンパス4号館横芝生で壮行会が開かれる。応援団や吹奏楽研究会、チアリーディング部FINEで構成される学生応援団がエールを送るほか、両チームの主将が意気込みを語る。
 箱根駅伝当日には、同窓会・後援会・白鷗会などの学園校友会も加わり、沿道の数カ所に集合場所を設けて選手たちに声援を送る「応援プロジェクト」が計画されている。学生応援団は大手町や芦ノ湖でランナーたちを勇気づける予定になっている。学生たちは、11月の全日本大学駅伝の際も沿道に立って声援を送っており、「選手たちの走りを間近で見て、その姿に私たちも勇気づけられた。箱根駅伝ではさらに一体感のある応援をしたい」「応援が大きければ大きいほど選手たちの力になると思う。ぜひ当日は多くの人に沿道に来てほしい」と話していた。
 ラグビーの選手権では、スポーツプロモーションセンターが大学関係者を対象にしたチケットを用意している。それぞれの目標に向かって戦う選手たちに熱い声援を送ろう!