4面(TOKAI SPORTS)

全日本学生体重別団体】

最上級生中心に築いた信頼関係で連覇

 10月21、22日に兵庫県・ベイコム総合体育館で開催された全日本学生体重別団体優勝大会に、湘南キャンパス男女柔道部が出場した。女子部は、6月に行われた全日本学生優勝大会で敗れた環太平洋大学と準決勝で対戦。代表戦で競り勝って雪辱を果たし、決勝では龍谷大学に勝利して連覇を達成した。男子部は2年ぶりの王座奪還を目指したが、4回戦で明治大学に敗れ、ベスト8となった。

女子部は2、3回戦を順調に勝ち上がり、環太平洋大との準決勝も代表戦で勝利した。
 迎えた決勝は、2年連続で龍谷大との対戦となった。先鋒は、準決勝まで出場していた込山未菜(体育学部4年)に代わり、宮崎七海(文化社会学部4年)が畳に上がった。宮崎は、「最終学年として、先鋒の自分が一本を取り、流れをつくりたかった」と語ったように、開始2分43秒で合わせ技一本を決め、貴重な得点を挙げる。次鋒から副将まで引き分けると、大将では矢澤愛理(体育学部2年)が積極的に技を仕掛け、内股で一本。大会を通して相手に得点を与えず、2―0で連覇を果たした。

 優秀選手には、宮崎と矢澤が選出された。宮崎は、「一人ひとりが自分の役割を果たしてくれた。みんなで勝ち取った優勝」と話す。矢澤は、「ここまで4年生に引っ張ってきてもらったので、自分の得点で恩返しできてうれしい」と笑顔を見せた。

全日本学生体重別団体優勝大会 女子部結果

【2回戦】VS近畿大学 〇4-0
【3回戦】VS山梨学院大学 〇4-0
【準決勝】VS環太平洋大学 〇0(代)-0
【決勝】VS龍谷大学 〇2-0
 先鋒 宮崎七海(文化社会学部4年) 〇 一本  奥井花奈
 次鋒 横田ひかり(体育学部1年) 引き分け 神谷鈴
 五将 角田ロスタント愛(同) 引き分け 大本真琴
 中堅 吉岡光(同3年) 引き分け 中馬梨歩
 三将 池田紅(同) 引き分け 松本りづ
 副将 杉村美寿希(同2年) 引き分け 溝口葵
 大将 矢澤愛理(同) 〇 一本  武田優香

体重別団体ベスト8
経験糧に王座奪還

男子部は2回戦で同志社大学に7―0、3回戦で法政大学に5―0と圧倒的な強さを見せて勝ち上がった。

軽量級の中心選手として期待がかかる辻岡

 4回戦は、2年前の同大会決勝と同じ明治大との顔合わせとなった。先鋒、次鋒が失点し、五将の市川晃次郎(体育学部4年)は、「何としても得点を取りたかった」と開始27秒に払い腰で一本を奪った。

 市川がつくった勢いに乗りたいところだったが、中堅、三将戦を引き分け、副将の天野開斗(同2年)が指導3で反則負け。大将の辻岡慶次(同3年)が得点を奪ったが、2―3で敗れた。上水研一朗監督(体育学部教授)は、「この敗戦を成長につなげてほしい」と語った。

 新チームは、下級生のころから団体戦に出場してきた3年生が主軸を担う。重量級は上水監督が「エース」と呼ぶほど信頼を置く、中村雄太(体育学部3年)に注目だ。2年時には世界ジュニア選手権大会で優勝するなど個人戦でも結果を残し、全日本学生優勝大会(無差別団体)でも優勝を経験。当時から、「主力としてチームを勝たせる存在になりたい」と語っていた。今年度の無差別団体では決勝で敗れたものの、「優勝するための準備に時間をかけて頑張りたい」とさらなる活躍を誓った。

1年次から活躍する中村が新チームを引っ張る

 また、軽量級は辻岡が中心選手として躍動。昨年度の体重別団体で優秀選手賞に選出され、来年度もチームを牽引する活躍に期待だ。

 そのほかにも、世界ジュニア選手権で優勝し天野や、高校3年時に全国高校総合体育大会100㌔級で連覇した新井道大(同1年)、今年度のワールドユニバーシティゲームズで66㌔級を制した服部辰成(同)ら国際大会でも実績を残している1、2年生の活躍にも注目が集まる。

 今年度は団体戦優勝を逃したが、経験豊富な選手たちの活躍が、王座奪回の鍵を握っている。(吉田)

【講道館杯】3選手が初V

 湘南キャンパス男女柔道部が11月4、5日に、千葉ポートアリーナで行われた講道館杯全日本体重別選手権大会に出場。女子部では48㌔級の近藤美月(体育学部1年)と78㌔級の杉村美寿希(同2年)が、男子部では81㌔級の天野開斗(同)が初優勝した。

体重別団体でも活躍を見せた杉村

 近藤は初戦を背負い投げで技ありとし、準々決勝は出足払い、準決勝は小内刈りで技ありと順調に勝ち進んだ。決勝では吉岡光(同3年)との同門対決となったが、ここでも持ち味を最大限に発揮し、反則勝ちで初優勝を飾った。近藤は、「今年度はなかなか勝てず、悔しい思いをしていたが、一戦一戦に集中して確実に勝ち進むことを目標としていたので、その結果として優勝できてよかった」と語った。

 杉村は初戦、準決勝共に一本を奪い、決勝に進出した。今年度の大会で3戦全敗を喫している泉真生選手(コマツ)との対戦となった。試合はゴールデンスコア(GS)方式の延長戦に突入する接戦となったが、内股すかしで技ありを奪い、雪辱を果たした。杉村は、「今年度は講道館杯優勝に向けて、自分よりも身長が高選手をどう倒すかを常に考えながら練習してきた。その成果が実って、とてうれしい」と喜びを口にした。 

 一方、3回戦を内股と袈裟固めの合わせ技、準々決勝を内股一本で制した天野は、準決勝では反則勝ちした。北條嘉人選手(日本大学4年)との決勝では指導を2つ取られる苦しい展開に。それでも、相手の得意技を受けてから返す柔道を意識的に練習してきた成果を発揮し、最後は腰車で技ありを奪い、優勝を飾った。天野は、「昨年度は準決勝で敗れたので、

今年度にかける思いは強かった。自分よりも力のある選手が多く出場する中で優勝できてよかた」と振り返った。 (本多)

橋本&村尾&永山『パリ五輪代表内定』

 来年7月にパリで開幕する夏季五輪の柔道日本代表に湘南キャンパス男子柔道部の卒業生3人が内定した。

 男子73㌔級の橋本壮市選手(2013年度卒・パーク24)と90㌔級の村尾三四郎選手(22年度卒・ジャパンエレベーターサービスホールディングス)は、今年8月に開かれた全日本柔道連盟の強化委員会で代表入りが内定。

 永山竜樹選手18年度卒・SBC湘南美容クリニック)は、12月2、3日に東京体育館で行われたグランドスラム東京の男子60㌔級で優勝を飾り、直後の強化委員会で内定を勝ち取った。

 同大会では村尾選手が金メダル、橋本選手が銀メダルを獲得。初の五輪に挑む3選手の今後の活躍に注目だ。 (小沼)