「プラズマ乳酸菌」摂取によるかぜ症候群およびインフルエンザの症状の軽減を大規模臨床試験で確認しました

2014年11月05日

大学院医学研究科ライフケアセンター(センター長:石井直明教授)とキリン株式会社(本社:東京都中野区)は共同で、冬季のプラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis JCM5805株)摂取による感冒およびインフルエンザに対する予防効果を検証する大規模な臨床試験を行い、かぜ症候群およびインフルエンザ様疾患による「せき」や「のどの痛み」の上気道炎症状の軽減を確認しました。なお、本研究成果は東海大学医療技術短期大学長・東海大学健康推進センター長の灰田宗孝教授が、11月6日に開催される「第73回日本公衆衛生学会総会」で発表する予定です。

乳酸菌は、整腸効果やアレルギー改善効果、感染防御効果など、その機能性について多くの研究がなされている食品素材のひとつです。中でもプラズマ乳酸菌(JCM5805株)は、動物やヒトにおいてウイルス感染防御における免疫賦活効果を示すことが報告されています。同ライフケアセンターでは、このプラズマ乳酸菌(JCM5805株)について、感冒およびインフルエンザに対する予防効果を検証する大規模な臨床試験を行いました。

今回の臨床試験では、18歳から39歳までの健常者657名を対象として、試験食品にプラズマ乳酸菌(JCM5805株)を50mg(1,000億個以上)含むカプセル※を摂取するグループ(329名)と、乳酸菌を含まないカプセルを摂取するグループ(328名)の二群に分け、12週間の摂取期間(2013年12月~2014年3月)を設け、摂取期間中のかぜ症候群およびインフルエンザ様疾患の罹患率、体調などの自覚症状を評価するとともに、試験食品摂取前後の免疫指標の評価を行いました。
※臨床試験は乾燥菌体を小さくカプセル化、毎日1回摂取で実施しました。

この結果、かぜ症候群およびインフルエンザ様疾患の罹患率(上気道炎の自覚症状を示した率)は、非摂取群の35.1%に対して、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)摂取群では28.8%でした。これらの間には有意差は見られませんでしたが、上気道炎症状の3項目のうち、「せき」および「のどの痛み」の症状では有意な低下が見られ、特に重い症状を示した人の割合が顕著に減少することが明らかになりました。また、自覚的全身症状の4項目のうち「さむけ」の症状で有意な上昇が見られ、免疫賦活化が示唆されました。さらに免疫指標として、血液中の免疫細胞の抗ウイルス関連遺伝子の発現解析を行った結果、ウイルス防御に重要な役割を果たす遺伝子の発現量がプラズマ乳酸菌(JCM5805株)摂取後、有意に上昇することを確認しました。

免疫細胞は、感冒やインフルエンザから体を守るために重要な働きを示します。今回の臨床試験では、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)が生菌だけでなく乾燥菌体においても体内の免疫細胞を活性化し、上気道炎症状を改善しうることを大規模な臨床試験で初めて実証しました。乳酸菌を用いた大規模な臨床試験は例が少なく、今回の臨床試験で示されたプラズマ乳酸菌(JCM5805株)の摂取がかぜ症候群およびインフルエンザ様疾患の症状を軽減するという結果は非常に重要なものであり、乳酸菌のさらなる研究につながるものと考えられます。

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