東海大学国際シンポジウム「コペンハーゲン大学アナセン教授来日記念講演会・第3回ファッションローシンポジウム」を開催しました

2018年11月21日

総合社会科学研究所知的財産部門では、10月12日に高輪キャンパスで、東海大学国際シンポジウム「コペンハーゲン大学アナセン教授来日記念講演会・第3回ファッションローシンポジウム」(共催:東海大学創造科学技術研究機構、日本知財学会コンテンツ・マネージメント分科会)を開催しました。本研究所は、社会科学系研究の活性化を図るための研究拠点として設立された学術研究機関で、知的財産部門ではファッションやコンテンツにかかわる法律の研究などを通して、知的財産に関する新たな研究分野を切り拓いています。昨年11月と今年6月にも同シンポジウムを開催しており、ファッションにおける知的財産権や製品の流通シェアを急速に拡大しているeコマース事業の現状と法的課題について議論してきました。3回目となる今回は、国際仲裁や知的財産法の専門家であるデンマーク・コペンハーゲン大学のマス・ブリューデ・アナセン教授をはじめ、3名の有識者を招き、国際的な裁判ではなく第三者の介入によって知的財産紛争などを解決する「仲裁」をメインテーマに、欧州のファンションローにおける現状と課題について講演しました。

当日は学内外から約40名の関係者が参加。開会に先立ち吉川直人副学長(国際・一貫教育担当)が、「インターネットが発達し、グローバル化が進む現代で知的財産や商標は、非常に大きな課題を抱えています。本日は、アナセン教授をはじめ、世界的に著名な研究者にご講演いただくとともに、参加者を交えた議論を通して、有意義な時間になることを期待しています」とあいさつ。シンポジウムでは、アナセン教授が知的財産や特許などを争う両者の合意のもとで、裁判ではなく第三者とともに話し合いで解決する「仲裁」の定義やデンマークで行われた国際仲裁の実績や課題について話し、「裁判では時間やコストがかかるだけでなく、社内機密事項などの公開も求められる場合があります。しかし、法律にしばられない仲介では、比較的短期間で両者が合意する道を探ることができます。国際的な知的財産紛争が増加する中で、有効な解決方法となるでしょう」と説明しました。

さらに、デンマークで知的財産法を専門に活躍するクリスティーネ・ウルリック・アナセン弁護士が、デンマーク法によるファッション保護や同国のファッション業界にから見た日本社会について講演。また、フランスの企業連合によって開設され、世界各地の有名ブランドの知的財産保護を担う「パートナーユニオン・デ・ファブリカン東京」のローラン・デュボア代表がフランスのファッションローの現状について説明しました。各講演後には、参加者から積極的な質問が上がり、活発な議論が展開されていました。

本研究所の角田政芳所長は、「今年6月には特許など知的財産をめぐる紛争専門の仲裁機関『東京国際知的財産仲裁センター』が、アジアで初めて開設されるなど、本日のシンポジウムの内容は、現代社会の時流にあったものです。ファッションは、生産から流通までがその時代ごとに変化していくものなので、そのときの課題に見合った議論をする必要があります。今後もヨーロッパだけでなく、アフリカやアジアのファッションローに目を向けたシンポジウムを開催しながら、課題解決の糸口を探っていきたい」と話しています。

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