総合科学技術研究所シンポジウム「流体工学に関するトピックス」を開催しました

総合科学技術研究所では11月22日に湘南キャンパスで、2018年度第1回シンポジウム「流体工学に関するトピックス」を開催しました。流体工学分野を研究する学内の研究者同士の意見交換の機会として初めて実施したもので、100名を超える教員や学生が参加しました。

基調講演では、モスクワ大学のアレクサンダー・クズネソォフ博士と宇宙航空研究開発機構の丹野英幸博士が講演。クズネソォフ博士は、航空機の発する衝撃波などをハイスピードCCDカメラで撮影し、可視化する技術の研究成果を紹介。また丹野博士は、次世代の動力源としてアメリカなどで研究が進んでいる回転デトネーションエンジンに関連し、その基礎となるデトネーションウェーブの発生機構の解明を目指す基礎研究について紹介しました。

続いて本学の水書稔治教授(工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻)と山田剛治講師(工学部機械工学科)が、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度の採択を受けて進めている次世代エンジンの開発に用いる性能解析技術に関する研究を紹介しました。水書教授は、パルスデトネーションエンジン内で発生する衝撃波について、発生から伝播の過程を光学的可視化計測法で定量的に調べる手法の開発を目指す研究を説明。山田講師は、次世代型の宇宙輸送機の開発などに利用できる超音速飛行時のエンジン燃焼と空力加熱を、コンピューターシミュレーションと超音速風洞試験を使って解析するツール開発に関する研究の概要を紹介しました。

本研究所の岩森暁所長は、「本学には流体力学が専門の若手研究者が多く在籍しており、それぞれ研究成果を収めています。そうした研究者が相互にネットワークを形成する第一歩にしてほしいとの思いで今回のシンポジウムを企画しました。今後もさまざまなテーマで研究者間の交流を促すシンポジウムを開き、研究交流の活性化につなげたい」と話しています。また研究推進部の長幸平部長は、「本学では、『東海大学におけるデュアル・ユース研究に関する指針』に基づき、建学の精神が定める平和の理念に抵触せず、かつ寄与しうる研究であることを前提に防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度などの外部資金に応募する制度を設けています。今回発表のあった2件の研究はいずれも幅広い分野で応用できる新技術の開発に資する基礎研究であり、将来の平和利用も期待できるものであると考えています。今後もこうした機会を通じて、積極的に研究内容を学内外へと公開していきます」と話しています。

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