メソアメリカ文明は、現在のメキシコ中部からグアテマラ、ベリーズ、ホンジュラス西部周辺にかけて発展した複数の先住民文明の総称です。
紀元前2000年頃から16世紀のスペインによる征服まで、文字・暦・都市国家・神殿建築など高度な文化を育んだことで知られています。とりわけアステカ文明、マヤ文明、テオティワカン文明などの壮大な都市遺跡や王権、宗教儀礼は、多くの研究者の関心を集めてきました。しかしその一方で、周辺地域や地方社会が、文明全体の発展に果たした役割は十分に検討されてきたとはいえません。
本講演では、ロドリゴ・エスパルサ博士をお招きし、石器研究から、中央と地方の結びつきを再考していただきます。石器は日常生活や生産活動を支えた基礎的な道具であり、その素材の移動には交易網、人々の往来、技術交流の痕跡が刻まれています。中心部の壮麗な遺構の研究だけでは見えてこない、周縁地域の主体的な活動や地域間ネットワークに光を当てることで、メソアメリカ文明を単なる「中心から周辺へ広がる文明」としてではなく、多様な地域社会の相互作用によって形成された動的な文明圏として捉え直します。
【講師紹介】
ロドリゴ・エスパルサ・ロペス(Rodrigo Esparza López)博士は、メキシコ西部考古学の発展と文化遺産の保存に多大な貢献をしている著名な研究者です。現在は、メキシコの権威ある学術機関エル・コレヒオ・デ・ミチョアカン(COLMICH)の教授で考古学研究センターの所長を務めています。エスパルサ氏は、長年ハリスコ州のテウチトラン文化の研究に従事してきました。専門は考古学で、特に蛍光X線分析(XRF)を用いた黒曜石の原産地特定や、地中レーダーなどの非破壊技術を活用した遺跡探査の第一人者です。世界遺産を構成する資産「グァチモントン遺跡」の調査・修復では中心的な役割を担いました。主な著書には、メキシコ西部の黒曜石利用を詳述したLas fuentes de obsidiana en el occidente de México(『メキシコ西部の黒曜石産地』)や、考古科学の応用を論じたEstudios arqueométricos en el occidente de México(『メキシコ西部における考古計測学的研究』)などがあります。これらの文献は、科学的手法を用いたメキシコ考古学の基礎資料として高く評価されています。
※講演はスペイン語ですが、Zoomを使用した日本語同時通訳を行う予定です。
(オンラインでZoomにアクセスできる端末とイヤホンを各自でご用意ください。)
5/16開催 文学部知のコスモス「メキシコ西部の石器を通して見るメソアメリカ文明の発展:文明の周縁からの視点」
日時:2026年5月16日(土) 13:30~15:30
講師:ファン・ロドリゴ・エスパルサ・ロペス博士
(ミチョアカン大学教授・同考古学研究センター所長)
司会:吉田晃章
主催:東海大学 文学部文明学科 吉田晃章
yoshid<アットマークを入れてください>tokai.ac.jp
会場:湘南キャンパス 14号館1階14-104教室(対面のみ)
費用:無料
予約:不要
対象:どなたでもご参加頂けます
アクセス:
小田急線「東海大学前」駅下車
・東海大学前駅南口から徒歩約15分
・東海大学前駅南口から『平塚駅北口行』バス(約5分)で「東海大学1号館前」下車すぐ
・東海大学前駅南口から『秦野駅行き』『下大槻団地行き』バス(約5分)で「東海大学北門」下車すぐ
JR東海道線「平塚」駅下車
・平塚駅北口から『東海大学前駅南口行き』バス(約40分)で「東海大学1号館前」下車すぐ
・平塚駅北口から『秦野駅行き』バス(約30分)で「東海大学正門前」下車徒歩約5分
