医学部付属病院が「災害に関する勉強会」を実施しました

伊勢原キャンパスの医学部付属病院で12月9日に、「災害に関する勉強会」を実施しました。当院は神奈川県の災害拠点病院に指定されており、災害時に重症・重篤な傷病者を受け入れるなど地域における医療救護活動の中心的な役割を担っています。この勉強会は、職員に災害時の対応に関する知識を深めてもらうため、院内災害対策小委員会が企画しているものです。今回は、当院の医師、看護師、薬剤師をはじめ、伊勢原市危機管理課と神奈川県健康医療局の職員が講演。オンラインを併用し、多くの教職員が参加しました。

初めに、渡辺雅彦病院長が、「災害時であっても病院機能を継続することはもちろんですが、迅速・適切に近隣住民の皆様の医療的支援ができるように準備を整えておかなければなりません。この機会に災害時の医療についてしっかりと学んでください」とあいさつしました。

続いて、院内災害対策小委員会の委員長を務める高度救命救急センターの青木弘道医師(医学部医学科講師)が、災害時の医療の特殊性や、組織化された指揮命令系統と情報取集・共有の重要性、災害拠点病院の役割について解説。「災害時に躊躇せずに動けるよう訓練し、災害に強い病院・地域を構築していきましょう」と呼びかけました。看護部の小石浩晴主任は、当院における地震災害発生時の流れや災害レベル別の対応について説明し、「常に災害の発生を意識し、院内防災対策マニュアルに目を通して緊急事態に備えておくことが大切」と指摘。薬剤部の鈴木優司部長は、災害時における医薬品の管理・供給に関する課題を挙げ、日常的に使用している薬品の確保を促すための啓発活動など、医薬品の備蓄と物流の円滑化を図るための取り組みを紹介しました。

伊勢原市危機管理課の職員は、昨年10月に発生した台風10号に伴う大雨による被害状況や市の対応について時系列で紹介。神奈川県健康医療局災害医療グループの職員は、県の「災害時保健医療救護計画」の概要や組織体制を説明しました。

なお、当院ではこの勉強会を踏まえ、災害対応マニュアルに基づいて災害発生時の対応をシミュレーションする「机上訓練」と、伊勢原市や近隣医療機関と連携した「実動訓練」を1月中に実施する計画です。